まよなかSS

大人向けSS中心にまとめています♪

1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/01(土) 15:47:47.79 ID:z+IIdRLl0

ミラは分史の方。 
 
ルドガー「最近みんなが俺を見る目がおかしい気がする」
 
エル「うーんそうなの?」
 
ルドガー「特に女性陣から」
 
エル「エルは気づかなかったけどなー」
 
ルドガー「そして最近気づいたんだ」
 
エル「なにに?」
 
ルドガー「俺がエルと一緒にいるときに限ってその視線を感じるんだ」
 
エル「そうだったの?」
 
ルドガー「ああ、つまりみんなは俺を口リコンだと思ってるんだ」
 
エル「その『ろりこん』ってよく分かんないけど、ルドガーが嫌ならエルも手伝う!」
 
ルドガー「ありがとう」
2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/01(土) 15:58:56.98 ID:z+IIdRLl0

ルドガー「でもまずは協力者が欲しい」
 
エル「んー誰がいいかな…ジュードとかは?」

ルドガー「ジュードなら大丈夫か早速電話してみよう」カチカチ

ジュード『もしもしルドガー?』

ルドガー「ああ」

ジュード『どうかしたの?』

ルドガー「手伝って欲しいことがあるんだ」

ジュード『わかった。ちょうど用事もなかったしすぐに行くよ』

ルドガー「ありがとう。マンションの前にいる」

ジュード『了解』プツッ

エル「だいじょうぶだって?」

ルドガー「ああ」

エル「あーー!!」

ルドガー「っ!?」ビクッ

エル「ごめんルドガー!今日はルルのエサを買いに行かなきゃ!」

ルドガー「ああ、そっか。行ってきていいぞ」

エル「帰ってきたら手伝うからがんばってね!」

ルドガー「ああ、ありがとう」



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/01(土) 23:39:11.82 ID:z+IIdRLl0

ルドガー「…」

ジュード「ごめんルドガー!待たせちゃったかな?」

ルドガー「いや、そんなことはないよ」

ジュード「それでなんの用事なの?もしかして分史世界絡み?」

ルドガー「…口リコン」

ジュード「!」ビクッ

ルドガー「はぁ…」

ジュード(この反応…もしかしてルドガー)

ルドガー(やっぱりジュードも勘違いをしているのか…)

ジュード「どうして僕が口リコンだって知ってるの!?」

ルドガー「俺は口リコンじゃない!」

ジュード「……え?」

ルドガー「……は?」

ジュード(うわああああああああああああああやらかしたああああああああああああああああああ)

ルドガー(流れで何かすごいカミングアウトをされた)



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/01(土) 23:44:03.77 ID:d5Y3QsaAO

戦闘後の掛け合いでエリーゼともっと繋がりたいって言ってるからね・・・・



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/01(土) 23:49:41.76 ID:z+IIdRLl0

ジュード「」マッシロ

ルドガー(もしかしたら聞き間違いかもしれない、いやきっと聞き間違いだ)

ルドガー「ジュード…もう一度言ってくれるか?」

ジュード「ああそうだよ僕は口リコンだよ!でも僕は口リコンであることに誇りを持ってるよ!」

ルドガー「えー…」

ジュード「それで、口リコンである僕にルドガーがなんの用なの?」

ジュード(なんか一周して冷静になった)

ルドガー「いや、その前にはっきりさせておきたい事が」

ジュード「…」

ルドガー「ジュードはその、ミラが大切というか…好きだったんじゃ…」

ジュード「ああうん、確かにミラは大切だよ。それにその…僕はミラのこと、好きなんだと思う」

ジュード「でもそれと僕が口リコンであることにはなんの関係もないよ!」

ルドガー「わけが…分からない…!」



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/02(日) 00:00:21.53 ID:R32bROy70

ジュード「確かに僕はミラのバリボーにチャームされたよ、それは事実だ」

ジュード「でもエリーゼと深く繋が…リンクした時に感じる熱いリビドー、エルの純真無垢な笑顔に胸の奥底から湧き上がる感動もまた事実なんだよ」

ルドガー「」

ジュード「そのどちらも守りたい…いや、守るのが僕の使命だ!」

ルドガー「」カチカチ

ジュード「ちょっと待ってルドガー!どこに電話しようとしてるの!?」

ルドガー「ジュードはきっと心の病に罹ってしまったんだ、今から病院に行こう」

ジュード「違うよ!僕は健康体そのものだよ!」

ルドガー「俺は仲間を…通報しなきゃいけないのか…!?」カチカチ

ジュード「少し落ち着いてよルドガー!だってキミも僕と同じ口リコン仲間だよね!?」

ルドガー「!」



12:すみません1です ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 00:14:07.06 ID:R32bROy70

ルドガー「違う!俺は…」

ジュード「エルと同居してるのは仕方ないとしても、一緒にお風呂に入って一緒に寝てるんでしょ?」

ルドガー「!?」

ジュード「それにルドガーって基本エルのために行動してるよね?」

ルドガー「…」

ルドガー(ここで何か言ってもジュードには聞き入れてもらえない)

ルドガー(…仕方ない、他を当たろう)

ルドガー「ごめん、ジュード。色々と」

ジュード「ううん、いいんだ。きっと世間の風当たりは強いだろうけど、お互いに頑張ろうよ!」

ルドガー「ああ」

ルドガー(…なんだろう、この気持ち)テレレン

ジュードの好感度が上がった
称号:口リコン仲間を手に入れた



14: ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 00:26:06.41 ID:R32bROy70

ルドガー(さて、次は誰に相談しよう)テクテク

ミュゼ「あらルドガーじゃない」

ミュゼ(ミラミラミラミラミラミラミラミラミラミラミラ)

ルドガー「!?」

ミュゼ「どうしたの?変なカオして」

ルドガー(ああ、『私、精霊とお話したい環』のせいか)

ルドガー「なんでもない」

ミュゼ「困ってるなら手伝ってあげるわよ~?」

ミュゼ(こうやって優しくすればミラも…ああミラペロペロしたいクンカクンカしたいミラミラミラ)

ルドガー(もうやだこのパーティ)

ルドガー「いや、本当に大丈夫…」

ミュゼ「ウフフ、なにか隠してるわね?」

ルドガー「…」

ミュゼ「教えてくれるなら…サービス、するわよ?」チラリ

ルドガー「!い、いや、その…」

ミュゼ「ルドガー…」

ルドガー「わ、わかったからそれをやめてくれ!」

ミュゼ「あら、照れちゃって可愛いわね♪」



16: ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 00:46:02.31 ID:R32bROy70

ルドガー「──というわけなんだ」

ミュゼ「ふぅん」

ルドガー「それで…ミュゼは俺のことどう思ってるんだ?」

ミュゼ「あら、それって告白かしら?」

ルドガー「そうじゃなくてその…口リコンって思ってるのか?」

ミュゼ「口リコンっていうのをよく知らないし別に思ってないわ~」

ルドガー「ミュゼ…」

ミュゼ「ところでその口リコンっていうのは嫌なものなの?」

ルドガー「小さな女の子が好きなんて気持ち悪いんじゃないのか」

ミュゼ「別に誰を好きになったっていいじゃない、人間の価値観ってわからないわ」

ルドガー「…そうだな」

ミュゼ(そんなことよりミラに会いたい逢いたいアイタイ)

ルドガー(感心した俺がバカだった)



17:◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 00:58:55.92 ID:R32bROy70

ミュゼ「とにかくそういう話なら私にはアドバイスは難しいわね~」

ルドガー「ああ、そうだよな」

ミュゼ「…でも小さい子が好きっていわれるのが嫌なら一つ方法があるかも」

ルドガー「!?教えてくれ!」ガタッ

ミュゼ「ルドガーったらがっつきすぎよ?ウフフ」

ルドガー「…ごめん」

ミュゼ「誰かと付き合っちゃえばいいじゃない♪」

ルドガー「…へ?」

ミュゼ「誰かと恋人同士になれば口リコンって思われないんじゃないかしら」

ルドガー「なるほど」

ルドガー「だけどそれって口リコン疑惑を払拭するために付き合うんだよな?」

ミュゼ「ええ、そうね」

ルドガー「それは相手に失礼じゃないか?」

ミュゼ「あらルドガー、あんなに女の子に囲まれてて気になってる人がいないの?」

ルドガー「そ、それは…」

ルドガー(エル、エリーゼは除外するとノヴァ…は振られてるし、ヴィルもダメだ。いろんな意味で)

ルドガー(レイアは…あの様子だとジュード一筋だしな)

ルドガー(残ってるのはミラとミュゼ…)

ミュゼ「そんなに迷ってるの?」

ルドガー「いや、その」

ミュゼ「だったらあの子にすれば?」

ルドガー「あの子?」

ミュゼ「あの偽物の子」

ルドガー「偽物って言い方はひどいだろ」

ルドガー(でもミラか…確かに綺麗だよな)



18: ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 01:11:17.01 ID:R32bROy70

ルドガー「…相談に乗ってくれてありがとう」

ミュゼ「相手が決まったのね!」

ルドガー「そうじゃないけど、もう少し自分の中で整理してみるよ」

ミュゼ「ウフフ♪面白い答えを期待してるわね」

ルドガー「はは。ところで…」

ミュゼ「なぁに?」

ルドガー「もしここでミュゼって答えてたらどうしてたんだ?」

ミュゼ「…その時は私を直接使役、してみる?」

ルドガー「…ミュゼにはかなわないな」テレレン

ミュゼの好感度が上がった
称号:むっつりルドガーを手に入れた



22: ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 10:52:02.59 ID:R32bROy70

ルドガー「また一人になったな」

ルドガー「次は誰に相談しようか」

ルドガー(でも今までの流れからして嫌な予感しかしない)

エリーゼ「ルドガー?」

ティポ「やぁやぁルドガー君!」

ルドガー「エリーゼか」

エリーゼ「こんなところでぼーっとしてどうしたんですか?」

ティポ「悩み事なら相談に乗るよ~」

ルドガー「…」

エリーゼ「私には…言えないことなんですか?」

ルドガー「いや、そうじゃない」

ルドガー(だけどやっぱり嫌な予感しかしない…エリーゼ相手だし)

エリーゼ「ルドガー…」

ティポ「ルドガーはエリーゼのこと信じてないのかー!」

ルドガー「…口リコン」

エリーゼ「!」ビクッ

ティポ「!」ビクッ

ルドガー(やっぱり…)

エリーゼ「レイアの言ってたこと、本当だったのかな?」ボソッ

ルドガー「えっ」



23: ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 10:57:32.00 ID:R32bROy70

エリーゼ「あの、その…ルドガーって」

ルドガー「…」

エリーゼ「口リコン、なんですか?」

ティポ「ルドガーは変態さんだったのー!?」

エリーゼ「こら!まだ決まったわけじゃないでしょ!」

ルドガー「…違う、けど」

エリーゼ「…」ジーッ

ルドガー(思ったより怪しんでる…)

ルドガー「逆にどうしてそう思ったんだ?」

ティポ「それはレイアがねー」

エリーゼ「わあああティポ!それは言っちゃダメって!」

ルドガー「レイア…?」

エリーゼ「いえ、なんでもないんです!」

ルドガー「…」ジト

エリーゼ「うう…」

ティポ「もう楽になっちゃおうよ~ルドガーにもバレちゃったし」

エリーゼ「ティポのせいでしょ!」

エリーゼ「その少し前にレイアが…」



24: ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 11:03:26.75 ID:R32bROy70

~回想~

レイア「やっぱり怪しい」

エリーゼ「どうしたんですか?レイア」

レイア「ルドガーだよ!」

エリーゼ「ルドガーがどうかしたんですか?」

レイア「ほら、あれ見てよ」ビシッ

ルドガー「エル、怪我はないか?」

エル「ぜんぜんへーきだし!ルドガーこそ大丈夫なの?」

ルドガー「俺も大丈夫だ」

エル「ふーん…いたっ」

ルドガー「!?」

エル「うー…さっき転んだ時にすりむいちゃったのかなぁ」

ルドガー「大丈夫か!?いま消毒を…いや包帯か!?」

エル「もー!そこまでじゅーしょーじゃないから!」

ルドガー「だけどもしばい菌が入ったら…」

エル「こんなのなめときゃなおるってアルヴィンが言ってたよ?」

ルドガー「だめだ、とにかくすぐに家に帰って消毒しないと」

エル「心配性だなールドガーはー」

レイア「…ほら!」

エリーゼ「え?今の何かおかしかったんですか?」



25: ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 11:26:54.92 ID:R32bROy70

レイア「いくらなんでも過保護すぎない!?」

エリーゼ「え?でも私が怪我した時もおんなじ対応でしたよ?」

レイア「そう!問題はそこ!」

エリーゼ「?」

レイア「百歩譲って男の子達を心配しないのはわかるよ」

エリーゼ「…はい?」

レイア「でも私やミラは怪我をしたときはあんなに心配してくれなかったよ!」

エリーゼ「え…でもレイア、前にルドガーに絆創膏もらってましたよね」

レイア「うっ…それはそうだけど…でもなんか違うんだよ!」

エリーゼ「よくわからないんですけど…」

レイア「とにかく!エリーゼやエルと私たちへの対応が絶対におかしい!」

エリーゼ「…もしかして嫉妬ですか?」

レイア「えっ///」

エリーゼ「絆創膏もらったときずぅーっとテンション高かったですよね?」ジトー

レイア「だ、だって心配してくれたの嬉しくて…」

エリーゼ「ジュードたちも心配してくれたじゃないですか」

レイア「だってジュードたちは大丈夫か?やばそうならエリーゼに回復してもらえって」

レイア「それはそうだけどさ!私はもっと甘酸っぱい感じの心配が欲しかったんだよ!」

ティポ「…それでジュードからルドガーに鞍替えしたのー?」ケプッ

レイア「ティポ?いつの間に!?」

ティポ「さっきようやくジュードパワーを吸い取ってきたんだよ~」テカテカ

エリーゼ「また吸い付いてきたんですね」

レイア「っていうかティポ!なんか変なこと言わなかった!?」



28: ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 12:20:30.32 ID:R32bROy70

ティポ「何か言ったっけ?」

レイア「とぼけないでよ!」

エリーゼ「まぁまぁ…」

レイア「なんか納得いかないー!」

エリーゼ「えっと…話を元に戻しましょう」

レイア「むぅ、そうだね。えーっと…そう!」

レイア「ルドガーは小さい子ばっかり心配しててずるい!」

エリーゼ「えっ」

レイア「じゃなくて…ルドガーは口リコンってことだよ!」

エリーゼ「口リコンって確か…」

レイア「うん!小さな女の子しか好きになれないビョーキだよ!」

エリーゼ「前も思ったんですけど、それって悪いことなんですか?」

レイア「えっ?」

エリーゼ「だって小さいものって可愛いですよね?ティポとか」

ティポ「ボクは可愛いよねー」

レイア「え、いや、それは…」

エリーゼ「か・わ・い・い・で・す・よ・ね?」

レイア「ティポハトッテモカワイイデス」

ティポ「棒読みだからやり直しー!」

レイア「ティポはとっても可愛いです!」

ティポ「よろしい」

レイア(どっと疲れたよ)

エリーゼ「だから小さいものを好きになるって悪いことじゃないと思います」

レイア「うーんそれはそうなんだけど…なんて言ったらいいんだろ」

レイア「とにかく!口リコンはダメなの!変態なの!だからルドガーには気をつけないと!」

エリーゼ(やっぱり嫉妬してるだけなんじゃ…)

ティポ「レイアってチョロいよねー、色々と」

レイア「へっ?」

ティポ「よかったねエリーゼ!ライバルが減ったんじゃない?」

エリーゼ「っ///もぉ!ティポ!」

~回想終了~



29: ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 12:35:07.02 ID:R32bROy70

ルドガー「えっとつまり…」

エリーゼ「レイアがルドガーは口リコンだって」

ルドガー(ところどころ声が小さくなって聞き取れなかったけど、そういう事情なのか)

ルドガー「ってエリーゼも俺たちのこと見てたら回復してくれればよかったのに」

エリーゼ「TPがありませんでした」

ルドガー「え、いやでもティポドレインしたよな?(ジュードに)」

エリーゼ「TPがありませんでした」

ルドガー「言ってくれればオレンジグミも」

エリーゼ「TPがありませんでした」

ルドガー(アカン)

エリーゼ「とにかく、そういう事情があったんです」

ルドガー「なるほど」

ルドガー(女性陣からの妙な視線はレイアが原因だったのか…)

エリーゼ「それでルドガーは口リコンなんですか」

ルドガー「ぅえっ!?」

ティポ「小さな女の子が大好きな変態さんなのー?」

ルドガー「いや、違う」

エリーゼ「ならどうして私やエルの時は過保護なんですか?」

ルドガー「それはその…」

エリーゼ「…」ジー

ルドガー(言いにくい)

ルドガー「とにかく、違うんだ」

エリーゼ「教えてくれないんですか?」

ルドガー「ごめん」

ティポ「やっぱり口リコンなんだー!?」

ルドガー「違う!」

エリーゼ「…じゃあ証拠はあるんですか?」

ルドガー「ない、というか今それを考えているんだ」

エリーゼ「考えてる?」

ルドガー「ああ。みんなに口リコンと思われないためにはどうすればいいのか」

エリーゼ「…」

ルドガー「?…エリーゼ?」

ティポ「これはチャンス到来なんじゃない、エリーゼ?」

エリーゼ「レイアです!」

ルドガー「はぁ?」

エリーゼ「レイアとお話すればきっと解決してくれます」

ルドガー(本当にそうか?)

ルドガー(…いや、確かにこの事件の元凶はレイアっぽいし、レイアの誤解さえ解けたらなんとかなりそうな気がする)



30: ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 12:43:33.38 ID:R32bROy70

ルドガー「わかった、レイアと話してみるよ」

エリーゼ「はい!そうするといいです!」

ティポ「頑張ってねルドガーくーん!」

ルドガー「二人とも、ありがとう」テレレン

エリーゼの好感度が上がった
称号:真実を知った者を手に入れた

ルドガー「それじゃ、レイアを探してくるよ」スタスタ

エリーゼ「いってらっしゃい!」

ティポ「…これで邪魔者はいなくなったね」

エリーゼ「レイアはルドガーが気になってて、今のミラとジュードはあまり仲良さそうじゃないです」

ティポ「エリーゼの時代が来たねー!」

エリーゼ「ふふっ…ジュード…」

エリーゼがスキル:黒エリーゼを手に入れた
称号:ヤンデレ(?)お姫様を手に入れた


ジュード「くしゅんっ」

ジュード「うーん、風邪かなぁ…」

ジュード「なんだか心地よい悪寒がするぞ!」



31: ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 12:50:47.97 ID:R32bROy70

とりあえず昼はここまでにします。
また夜来ます。

エンディングまではさらっと考えてあるんですが
少女のために口リコンになる覚悟はあるか?ENDと個別(ただしフラグ立っているキャラのみ)イチャイチャEND
どっちが需要ありますかね?



32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/02(日) 12:59:50.37 ID:yjPGCd2Go

イチャコラだろ



33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/02(日) 13:05:21.79 ID:lE1vt+PDO

安価で決めて最終的には両方かくので



34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/02(日) 13:06:33.35 ID:mQ78J2WDO

前者の名前のインパクトがヤバイwww

後者で



35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/02(日) 13:56:27.47 ID:uOt1MD/A0

両方共見たい



37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/02(日) 15:36:16.06 ID:uNlwucDao

いくつかのレスで多数決とって、片方のEND書いてみて
もう片方もみたいって人がいて>>1に気力があれば書いてみる
のが個人的にいいと思う。



40: ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 18:44:58.31 ID:R32bROy70

1です。
イチャコラ多いみたいなのでイチャコラ書きます。
多分口リコンEDも書きます。
EDは選択肢安価で一応どっちも書きますよ
誰が相手かは話の流れでわかりますよね!

少し早いですが投下します。



41: ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 18:50:52.44 ID:R32bROy70

ルドガー(とはいったものの、こうしてブラブラしててもレイアには会えないよな)

ルドガー「電話しよう」カチカチ

ルドガー「」プル

レイア『はい!レイア・ロランドです!』

ルドガー「…ルドガーです、けど」

ルドガー(出るの早いな)

レイア『どうしたの?今ちょっと立て込んでたんだけどっ』

ルドガー「ごめん」

レイア『ううん!それはいいんだけどどうしたの?』

ルドガー「用事が終わったら少し時間を取れないか?」

レイア『いいけど何かあったの?』

ルドガー「ちょっと相談があって」

レイア『相談?』

ルドガー「ああ、ちょっと電話じゃ話しにくい事なんだ」

レイア『おっけー!それじゃ用事終わったらそっこー電話するから!』

ルドガー「ああ、ありがとうな」

レイア『うん!それじゃ…ってガイアス!まだ取材終わってないよ!』プツッ

ルドガー(アーストに取材でもしてたのか?)



43: ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 18:57:27.95 ID:R32bROy70

ルドガー(…暇になった)

ルドガー(エルを手伝いにでも行くか)

ローエン「おや、ルドガーさん?」

ルドガー「ローエン?」

ローエン「こんなところで奇遇ですね」

ルドガー「…あれ?」 

ルドガー(いつのまにかトリグラフ駅に来ていた)

ローエン「おや?どこかお出かけではないのですか?」

ルドガー「…ああ、そんなところだよ」

ルドガー(嘘ではないよな)

ローエン「よろしければご一緒させていただいても構いませんか?」

ルドガー「ああ、勿論」prrr

ローエン「おや、GHSが鳴っているみたいですよ?」

ルドガー「ああ」ピッ

ヴィル『先ほど新たな分史世界が発見されました』

ルドガー「…」

ヴィル『座標はトリグラフのマンションフレール3階のユリウス元室長の部屋です』

ルドガー(随分限定的だな)

ヴィル『カナンの道標の存在は確認されませんでしたが、なるべく早めに時歪の因子を破壊してください』

ルドガー「わかった」

ヴィル『それでは』



44: ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 19:03:06.26 ID:R32bROy70

ルドガー「…」ピッ

ローエン「もしや、お仕事の話でしょうか?」

ルドガー「ああ、分史世界だ」

ローエン「よろしければ私もお付き合いしますよ?」

ルドガー「ありがとう」

ローエン「他の方にも声をかけますか?」

ルドガー「…俺たちだけで行こう」

ローエン「大丈夫でしょうか?」

ルドガー「多分」

ローエン「おやおや、頼もしい言葉ですね」

ルドガー「ははっ」

ローエン「しかし本当に2人だけで大丈夫でしょうか?」

ルドガー「今回は場所が場所だから、できるだけ人を巻き込みたくないんだ」

ローエン「ふむ、そういうことでしたら」

ルドガー「ああ、行こう」



45: ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 19:08:48.62 ID:R32bROy70

~分史世界NO.F4545~

ルドガー「…」

ローエン「おや、ここはルドガーさんの部屋の前ですね」

ローエン「なるほどルドガーさんが巻き込みたくないっていうのはこういう理由でしたか」

ルドガー「ああ、このあたりが座標ってことは」

ローエン「おそらくはルドガーさん絡みが濃厚でしょうね」

ルドガー「…ああ」

ローエン「どうしますか?」

ルドガー「とりあえず俺の部屋に…」

ハァハァ…ウッ…

ニイサン…キモチイイ…

ローエン「何か聞こえますね」

ルドガー(…!?なんだ)

ルドガー(見てはいけないと脳が警鐘を鳴らしている)

ルドガー(この先の光景は危険だと訴えている)

ルドガー「…」

ルドガー(だけど)

ルドガー(俺は約束したんだ、エルと!)

ルドガー「覗いてみよう」

ローエン「ええ」チラッ

ルドガー「…」チラッ



47: ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 19:20:56.61 ID:R32bROy70

ユリウス(分史)「ルドガー!お前の中…最高だ!」パンパン

ルドガー(分史)「くぁっ…兄さんのクルスニクの槍…気持ちいい!」

ユリウス(分史)「どうしたルドガー!この程度でオーバーリミッツしてたら審判は越えられないぞっ!」パンパン

ルドガー(分史)「うっ…くっ…」シコシコ

ユリウス(分史)「ふっ…我慢できずに自ら弄りだしたか…」パンパン

ルドガー(分史)「兄さんっ!だめだ!もう秘奥義出るっ」ビクビク

ユリウス(分史)「よし!なら俺と共鳴秘奥義だ!中に出すぞ!」パンパン

ルドガー(分史)「イクゥゥゥゥゥゥゥ!!」ビュルビュル

ユリウス(分史)「うおおおおおおお!!」ビュルビュル

ルドガー「あああああああああああああああああああああああああああああ!!!」骸殻変身lv2

ローエン「…」

ルドガー(分史)「兄さん…あったかい…」

ユリウス(分史)「なっ!?ルドガー!?」

ルドガー「マター・デストラクトォォォォォォォォ!!」ザシュッ

ユリウス(分史)「これで俺の夢だったルドガーを攻めてルドガーに攻められる夢の3Pぐぉっ」ズシャッ

ルドガー「はぁ…はぁ…」カチカチ

ユリウス(分史)「なぜだ…ルドガー…」ガクッ

ルドガー「…」カチカチ

ローエン「終わりましたか…」

ルドガー「ああ…」キュイイイン



48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/02(日) 19:23:22.07 ID:uNlwucDao

これはローエン√フラグ



51: ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 19:27:56.77 ID:R32bROy70

~正史世界~

ルドガー「…ごめん」

ローエン「いえ、ルドガーさんが謝ることではありませんよ」

ルドガー「夢に出そうだ」

ローエン「そうですね、暫くは悪夢に悩まされるかもしれませんね」

ルドガー「…何も、言わないのか」

ローエン「今何を言っても、あなたは傷ついてしまうでしょう?」

ルドガー「…ありがとう」

ローエン「幸いだったのはこの現場を見たのが私一人だったということです」

ルドガー「他のみんなに見られたら…」ガタガタ

ローエン「大丈夫です、私しか見てませんし」

ルドガー「」カタカタ

ローエン「勿論誰かに言うこともありません」

ルドガー「ローエン…」

ローエン「ですからルドガーさんは今日のことを早く忘れるように努力することですね」

ルドガー「ああ、そうするよ…」

ローエン「少し、一人になったほうが良いですね」

ルドガー「気を使わせて、ごめん…」

ローエン「いえいえ、ジジイはその辺をブラブラしていますので、また何かあったら声をかけてください」

ルドガー「ああ」テレレン

ローエンの好感度が上がった
称号:秘密を共有を手に入れた



52: ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 19:30:52.43 ID:R32bROy70

 
 
ローエン(…どうやら私の見ていた世界は狭かったようです)スタスタ

ローエン(世の中にはあのような愛の形もある…非常にいい勉強になりました)

ローエン(あのような恋愛を扱った書物があると良いのですが…)

ローエンはスキル:オトコの繋がりを手に入れた
称号:ベーコンレタス入門を手に入れた

ローエン「そういえばカラハ・シャールに男色と噂の兵士がいましたね」

ローエン「……」ニヤリ


ルドガー(…消えない)

ルドガー(吐き気を催すような光景だったのに、消えない)

ルドガー(まるでそれが現実に起こるかのような)

ルドガー「…うっ」


ユリウス「!」

ユリウス「何か酷い誤解を受けた気がするな」


ルドガー(このままじゃ本格的にまずい)

ルドガー(口リコン疑惑だけじゃなく、万が一ホモ疑惑なんてたてられてしまったら…)

ルドガー(でも元々借金2000万近くある時点で人生詰んでる気も…)

ルドガー(いや、このままじゃ人間としての尊厳すら無くなって)

ルドガー「ユリウス…」

ユリウス「ルドガー…」

ルドガー(あああああああああああああああああああ!!!)

アルヴィン(なにやってんだ…アイツ?)



53: ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 19:37:38.48 ID:R32bROy70

ルドガー(そうだ!今はレイアのことだ!)

ルドガー(レイアと話して誤解をとけば…)

ルドガー(…)

アルヴィン(今度は神妙な顔でなにか考え事してるな)

ルドガー(レイアって、可愛いな…)

ルドガー(明るくて健気で前向きでなおかつ可愛い)

アルヴィン(今度は…ニヤニヤしだした!?)

ルドガー(ちょっとドジなのが玉に瑕だが、いいお嫁さんになるな…)

アルヴィン「…おい」

ルドガー(お嫁さんといえばミラもだな)

ルドガー(料理が上手ければそれだけでお嫁さんの条件を満たしていると言える)

ルドガー(そしてミラは綺麗…完璧だ)

アルヴィン「おたく、大丈夫か?」

ルドガー「……」

アルヴィン「…おい、口リコン」

ルドガー「っ!?」ビクゥ



54: ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 19:49:32.95 ID:R32bROy70

アルヴィン「やっと気付いたのかよ」

ルドガー「アルヴィンか…」

アルヴィン「なんだよ俺じゃ悪いってのか?」

ルドガー「い、いや…」

アルヴィン「つかやっぱおたくって口リコンなわけ?」

ルドガー「ち、ちがう!」

アルヴィン「いやだっていま否定しなかったし」

ルドガー「いきなり声かけられてそこまで頭回らないだろ…」

アルヴィン「まぁそうかもな」

ルドガー「やっぱりアルヴィンは口リコンだと思ってたのか?」

アルヴィン「誰だっておたくとエルの様子みてたらそう思うだろ」

ルドガー「そうか?」

アルヴィン「ああ、知り合って間もない女の子の借金…それも1000万なんて肩代わりしないだろ」

ルドガー「じゃああのときエルが連れ去られるのを黙って見てれば良かったって言うのか?」

アルヴィン「そうはいってねーよ。ただ他にもやりようはあったろ」

ルドガー「…」



55: ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 20:08:56.00 ID:R32bROy70

アルヴィン「ま、ガキにそんなことできないわな」

アルヴィン「でも別にこの件だけじゃないぜ?」

ルドガー「そうなのか?」

アルヴィン「まあ挙げたらキリがないんだけどな」

ルドガー「…」

アルヴィン「ま、それが悪いことかって言うと違うんじゃないの?」

ルドガー「えっ…」

アルヴィン「誰かを大切にしたい、守りたいって気持ちは悪いもんじゃないしな」

アルヴィン「だけどお前の守りたいって気持ちがエルを縛り付けたり、おたくの歪んだ愛情になっちまったらダメって話」

ルドガー「アルヴィンって、たまには良いこと言うんだな」

アルヴィン「言ってくれるねぇ」

ルドガー「でもありがとう」

アルヴィン「気にすんなって……口リコンが悪いものっていう風潮は許せないしな」ボソッ

アルヴィン(YESロリータNOタッチってな)

アルヴィン(口リコンは本来究極の紳士だっつのに最近のモラルのない奴のせいで害悪認定されて)

アルヴィン(ささやかな幸せをご褒美に毎日生きてる口リコン紳士たちを苦しめるなんて風潮…ありえねーだろ)



56: ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 20:17:10.94 ID:R32bROy70

ルドガー「?」

アルヴィン「いや、なんでもない」

ルドガー「そうか」

アルヴィン「だからおたくも気楽に口リコンライフを楽しめよ」

ルドガー「だから違うって」

アルヴィン「あ、そういえばエリーゼ姫の場所知らね?」

ルドガー「エリーゼの?」

アルヴィン「ああ、ちょっと用事があってな」

アルヴィン(せっかくうまそうな菓子を見つけたから一緒に食おうと思ってんだけど)

アルヴィン(あわよくばエリーゼの好感度が上がって俺に気を許してくれるとグッドだな)

アルヴィン(…なんてことはいえないわな)

ルドガー「さっきマンションの近くであったからまだそのへんにいるんじゃないか?」

アルヴィン「お、マジ?サンキュールドガー」スタスタ

アルヴィン(エリーゼとティータイムと洒落こむとしますか♪)

ルドガー(やけに軽やかに去っていったな)テレレン

アルヴィンの好感度が上がった
称号:口リコン紳士同盟を手に入れた



57:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/02(日) 20:23:18.18 ID:7+i6VfZmo

口リコンとホモしかいないじゃないですかやだー!



58: ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 20:31:22.90 ID:R32bROy70

ルドガー(まだレイアからの電話、来ないか)

ルドガー(今は何かをして気を紛らわせていたい)

ルドガー(…金を稼ぐか)テクテク


ルドガー「うおおおお!朧鼬!」

ルドガー「…ふぅ」

ルドガー(ギガントモンスターを一人で狩るのはキツかったな)

ルドガー(…ん?あれは?)

ミラ「ま、こんなもんね」

ルドガー「ミラ!」

ミラ「ん?ルドガーじゃない、奇遇ね」

ルドガー「こんなところでどうしたんだ?」

ミラ「…別に何でもいいでしょ」

ルドガー「…」

ミラ「なによ」

ルドガー「もしかしてエルのスープの材料?」

ミラ「…わかってるんじゃない」

ルドガー「もしかしたらって思って」

ミラ「そ…あんたはここで何してたのよ」

ルドガー「ちょっとギガントモンスターを狩りに」

ミラ「…バカ?」

ルドガー「?」

ミラ「大型モンスター相手に一人で戦うなんて…」

ルドガー「みんなにあまり負担はかけられない」

ミラ「別に負担じゃないわよ」

ルドガー「…借金は俺の責任だし」

ミラ「はぁ…ほんっとあんたって」



59: ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 20:47:58.99 ID:R32bROy70

ミラ「たかだか借金ごときで何を言ってるのよ」

ルドガー「…」

ミラ「私はルドガーに無理やりこの世界に連れてこられたんだけど?」

ルドガー「そう…だな」

ミラ「私はまだ、どうしたらいいのかわからないわ」

ミラ「もう私の居た世界はない。だからこの世界で生きていくしかないの」

ルドガー「…っ」

ミラ「それに遺跡の事、忘れたわけじゃないわよね?」

ルドガー「…ああ」

ミラ「いつか私もこの世界のミラ=マクスウェルに出会う」

ミラ「そうなればどれだけ生きたいと望んでも私は消えてしまう」

ルドガー「ごめん」

ミラ「謝られてもね…本来なら私も一緒に消えてたんだから」

ミラ「今此処で存在していること自体がイレギュラー」

ルドガー(ミラは今、どんな想いを抱えてここに居るのか)

ルドガー(そんな思いをさせてしまった俺には、責任がある)

ルドガー(借金なんてちっぽけなものだよな)

ミラ「…どうしたの?」

ルドガー「俺は随分と身勝手なやつだなって思ったんだよ」

ルドガー「今まで散々躊躇ったり悩んだりしたけど、心の底では分史世界を破壊することに抵抗なんてなかった」

ルドガー「そうしなければ帰れないんだから。そうしなければ俺たちの世界が終わってしまうんだから」

ミラ「…」

ルドガー「それなのに今、ミラの世界を壊してしまったことを後悔してる」

ルドガー「ミラだけでも救えたことを嬉しくも思ってる」

ミラ「ほんっと、身勝手ね」

ルドガー「……」

ミラ「それに今日は随分とおしゃべりじゃない?無口のルドガーくん?」



60: ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 21:01:52.82 ID:R32bROy70

ミラ「ルドガー、少し付き合いなさいよ」

ルドガー「…?」

ミラ「スープ、作るの手伝ってくれるんでしょ?」

ルドガー「ああ」

ミラ「ルドガーのスープの秘密を解き明かして、エルに一番美味しいって言わせてやるんだから」

ルドガー「……ああ、そうだな」

ルドガー「きっとミラならできるさ」

ルドガー(ミラ、ありが──)

ミラ「そういえばエルで思い出したんだけど」

ミラ「あんたって口リコンなの?」ジトー

ルドガー「ええ!?」

ルドガー(結構いい雰囲気だったのに…)

ミラ「レイアからそんなことを聞いたのよ」

ルドガー「いや、それは」

ミラ「でも確かに怪しいとは思ったのよ」

ミラ「いっつも四六時中エルと一緒だし、過保護だし」

ルドガー「誤解…」

ミラ「誤解?これ以上ないってくらい証拠が出揃ってると思うけれど」

ルドガー「それには色々と訳があるんだ」

ミラ「訳って?」

ルドガー「……」

ミラ「そこでだんまりって。認めてるようなもんじゃない」

ルドガー(あまり理由は言いたくない…というより言ってもわかってもらえるか怪しい)

ルドガー(言ったら余計に口リコン疑惑が大きくなるような、そんな理由だから)

ルドガー(俺にはまだ言えない…)

ミラ「ほら、黙ってないで何か言いなさいよ」

ルドガー(どうすればいい…俺は…!?)



61: ◆wKarhnfzGE:2012/12/02(日) 21:03:49.07 ID:R32bROy70

今日はここで終了です。
途中ホモォな展開を書いた時は多分頭がおかしかったんだと思います。
また明日来ます。レイア可愛い



63:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/02(日) 22:27:39.92 ID:mCySAbKSo

おつかレイアー



64:投下します ◆wKarhnfzGE:2012/12/03(月) 18:29:33.93 ID:SeBJQ4Pe0

ルドガー「俺は……」

ミラ「…」

ルドガー「…その」

ミラ「……」

ルドガー「エルのことを──」

ミラ「もういいわよ」

ルドガー「えっ?」

ミラ「そこまで無理して言われてもこっちが困るわよ」

ルドガー「そ、そうか…」

ミラ「ルドガーは口リコンじゃない、それでいいんでしょ?」

ルドガー「ああ、そうなんだ」

ルドガー(思ったよりもあっさり誤解が解けたな)

ルドガー(一部の人には勘違いされたままだけど、この調子ならレイアの誤解も解けるんじゃないか?)

ミラ「…?」

ルドガー「…レイアの…誤……けば……」ボソッ

ミラ「……」ムスッ

ルドガー(よし、なんだかうまくいきそうな気がするな)

ミラ「ふんっ…」スタスタ



65: ◆wKarhnfzGE:2012/12/03(月) 18:35:36.25 ID:SeBJQ4Pe0

ルドガー「えっ…どうしたんだ?」スタスタ

ミラ「別に。なんでもないわ」

ルドガー「突然歩き出しただろ?」

ミラ「…本当に、なんでもないわよ」

ミラ(なんで私が怒ってるのよ)

ミラ(別にルドガーが誰と親しくしてても関係ない)

ミラ(…なのに)

ルドガー「ミラ?もしかして具合が悪いのか?」

ミラ「…はぁ、なんか調子狂うわね」テクテク

ルドガー「?」

ルドガー(具合が悪いわけじゃないのか…?)テクテク

ルドガー(いや、ミラの事だから無理して考えてる可能性も)コケッ

ルドガー「っ!?」

ミラ「?…どうしたの」クルッ

ルドガー「あぶなっ!?」

ミラ「ふぇっ!?」ドサッ

ルドガー「いてて…ミラ、ごめ…ん…」ムニュッ

ミラ「……っ///」

ルドガー「あ…ぅ……///」ムニュッ

ミラ「いい加減にしないとぶっ殺すわよ?」ニコ

ルドガー「すみません…」



66: ◆wKarhnfzGE:2012/12/03(月) 18:47:58.05 ID:SeBJQ4Pe0

ミラ「よくもまあ似たような失敗を繰り返すわねあんたは」

ルドガー「さっきのは本当に俺が悪かったよ」

ミラ「本当に反省してるんでしょうね?」

ルドガー「ああ、ごめん」

ルドガー(どうしてミラ相手にだけこんなラッキーが起こるんだ?)

ミラ(まさか二回も胸を揉まれるなんて…)

ミラ(全部不可抗力ではあるんだけど…なんか納得いかないわよ///)

ルドガー「…」

ミラ「…」

ルドガー「と、とりあえず家に戻ろう」

ミラ「そ、そうね…」


~その頃カラハ・シャール~

ローエン「ふんっふんっ!」パンパン

兵士「もうケツの中がパンパンですよ…」

ローエン「ジジイも良いもんでしょう?」パンパン

兵士「はい!もうイルベルトさんでしかっ!あっ!」

ローエン「さあ、そろそろラストスパートと行きましょう!」パンパン

兵士「アッーーーーーー!」


~その頃ディール~

エリーゼ「このお菓子とってもおいしいです!」モグモグ

アルヴィン「だろ?取引先から頂いたんだけどエリーゼが好きそうだと思ってな」

ジュード「エリーゼ喉渇いてない?」

エリーゼ「はい!」

ジュード「今紅茶を淹れてきたんだ」

エリーゼ「もらってもいいんですか?」

ジュード「もちろん、召し上がれ」トクトク

エリーゼ「…!」ゴク

エリーゼ「これとってもおいしいです」

ジュード「本当?実は紅茶の茶葉にこだわってみたんだ」

アルヴィン(チッ…ジュードめ。お前はただでさえフラグ立て逃げ野郎なのにエリーゼまで毒牙にかけようってのかよ)

ジュード(悪いけどアルヴィンだけにいい格好はさせないからね)



68:◆wKarhnfzGE:2012/12/03(月) 19:56:22.82 ID:SeBJQ4Pe0

~マンションフレール三階 ルドガーの部屋~

ミラ「──ふぅん、なるほどね」

ルドガー「エルは酸味のあるものが苦手そうだから少し甘い味付けのほうがいいな」

ミラ「酸味?」

ルドガー「トマトとか」

ミラ「じゃあトマトスープはダメね」

ルドガー「そうだな」

ミラ「でも栄養バランスが偏らない?」

ルドガー「そこは考えてある。例えば──」

ミラ(…エルが二番目に好きって言った理由がわかったような気がするわね)

ミラ(エルの好みを熟知しているし、栄養が偏らないような工夫もしてる)

ミラ(これじゃ私が負けるのも納得ね)

ミラ「…ありがと」

ルドガー「?」

ミラ「スープよ。きっと私だけなら絶対に出来なかったわ」

ルドガー「ミラならきっと気付けたさ」

ミラ「……」

ルドガー「そろそろエルが帰ってくる頃だし、スープ作ってみるか?」

ミラ「今日は帰るわ」

ルドガー「そっか。わかった」

ミラ「…ねえ」

ルドガー「なんだ?」

ミラ「近いうちにスープの隠し味を採りに行こうと思うんだけど…その」

ルドガー「…」

ミラ「もしも何も用がないなら付き合ってくれない?」

ルドガー「ああ、用がなかったらな」

ミラ「それでいいわ」

ルドガー「それじゃ、また」

ミラ「」コクリ



69:>>67ありがとうございます ◆wKarhnfzGE:2012/12/03(月) 20:08:39.55 ID:SeBJQ4Pe0

ルドガー(…少しドキドキしたな)

ルドガー(まだレイアからの連絡は来ない)

ルドガー(そろそろエルも帰ってくるし、日も暮れるな)

ルドガー(…どうしよう)

エル「ただいまー!」ガチャッ

ルドガー「おかえり」

エル「ルルのエサをもらってついでに遊んできた!」

ルドガー「危ないことはなかったか?」

エル「大丈夫!」

ルドガー「そっか。夕飯の用意ができてるから手を洗ってこい」

エル「うんっ」タタタッ

ルドガー(とりあえずレイアに電話してみ──)prrr

ルドガー(タイミングぴったり)ピッ

レイア『もしもしルドガー?』

ルドガー「ああ。大変だったみたいだな」

レイア『うん…途中でミュゼが色々とやらかしてさー!ガイアスと私でお皿洗いしたりでもうすっごく大変だったんだよ!』

ルドガー「はは…」

レイア『用事あったのに本当にごめん!』

ルドガー「いや、大丈夫だよ。緊急のようだったわけでもないし」

レイア『それでどうする?今からでも私は大丈夫だけど…』

ルドガー「いや、明日にしよう。レイアも疲れてるだろ?」

レイア『…ありがとう、ルドガー』

ルドガー「気にしなくていい」

レイア『そのかわり明日は一日中ルドガーに付き合うからね!』

ルドガー「ああ、ありがとう」

レイア『それじゃあ明日の──時にトリグラフ駅でいいかな?』

ルドガー「ああ」

レイア『それじゃ明日ね!』

ルドガー「ああ、また明日」ピッ



71: ◆wKarhnfzGE:2012/12/03(月) 20:16:39.13 ID:SeBJQ4Pe0

エル「誰かと電話してたの?」トテトテ

ルドガー「レイアと少しな」

エル「そっか…そういえば朝言ってた『ろりこん』の話はカイケツしたの?」

ルドガー「多分明日にはなんとかなるよ」

エル「よかったね!ルドガー」

ルドガー「ああ」

エル「あいぼーが嬉しいとエルも嬉しい!」

ルドガー「そうだな。『あいぼー』だもんな」

エル「うんっ」

ルドガー「お風呂も沸かしてあるから、夕飯食べたら入るんだぞ」

エル「わかってますー」

ルドガー「俺が洗わなくて大丈夫か?」

エル「エルはもうオトナだから一人で洗えるもん!」

ルドガー「なら夜も一人で寝れるな?」

エル「それとこれとは話がべつ!」

ルドガー「はいはい」

エル「…そだ」

ルドガー「どうした?」

エル「明日はエリーゼとローエンと遊ぶ約束した!」

ルドガー「わかった。俺はついていかなくても大丈夫か?」

エル「何かようじあるの?」

ルドガー「ああ、ちょっとな」

エル「大丈夫だよ!ふたりもいるし!」

ルドガー「そうか…そろそろご飯食べるぞ」

エル「いえーい」



73: ◆wKarhnfzGE:2012/12/03(月) 20:37:34.21 ID:SeBJQ4Pe0

~トリグラフ宿屋~

ガイアス「…」

ミュゼ「あらガイアス?そんなところで何をしてるの?」

ガイアス「気にするな」

ミュゼ「さめざめと泣きながら言われても」

ガイアス「…」

ミュゼ「私と貴方の仲でしょう?」

ガイアス「俺は空気なのか?」

ミュゼ「はぁ?」

ガイアス「他の奴らはなにかしら出番があったが、俺には一切無かった」

ガイアス「言葉を発することすらな」

ミュゼ(あーガイアスの面倒くさい部分が出たわねー)

ガイアス「確かに俺はルドガーと深く関わっていたわけではない」

ガイアス「それでも奴と俺の間には絆のようなものがあると思っていた」

ミュゼ「はぁ…」

ガイアス「例え誰であろうと民の相談には乗る、それが王としての責務だ」

ガイアス「だからこそ奴の悩みも俺は協力してやりたかった」

ガイアス「なのにこのザマだ…フッ」

ミュゼ「つまり出番がなくて寂しいってこと?」

ガイアス「…そうだ」

ミュゼ「なら自分から行けばいいじゃないの」

ガイアス「そうだな」

ミュゼ「あら案外素直じゃない」

ガイアス「そもそも誰のせいで出番がなくなったのか考えてな」

ミュゼ「それで?」

ガイアス「お前のせいだろう?」

ミュゼ「私は何もしてないわよ?」

ガイアス「…」

ミュゼ「…」

ガイアス「寝るか」

ミュゼ「貴方のそういう所、結構好きよ」



82: ◆wKarhnfzGE:2012/12/05(水) 18:50:19.52 ID:AsRIIbCn0

ジュード「ルドガー…信じてたのに…」

ミュゼ「幼女に手を出すなんて…最低ね」

エリーゼ「ルドガーは変態だったんですね!」

ティポ「エリーゼも美味しく食べられちゃうー!」

ローエン「ルドガーさん、何事にも限度はあるのですよ?」

アルヴィン「見損なったぜ、口リコン野郎」

ガイアス「…所詮お前はその程度の男だったということだ」

レイア「ルドガー…どうして…どうしてこんなことしちゃったの!?」

ミラ「おしまいね、貴方」

エル「ひっく…えぐ…ルドガー…」

ルドガー「違う!俺はっ!」

ルドガー「俺は…っ!」

ユリウス「結局これがお前の真実なんだ、ルドガー」

ユリウス「お前は…──」


ルドガー「っ!?」バサッ

ルドガー「…夢?」

ルドガー(今のは本当に夢だったのか?)

エル「…えへへぇ…ぱぱぁ…zzz」

ルドガー(夢…だよな)

ルドガー(寝汗が凄いな。風呂に入らないと)



83: ◆wKarhnfzGE:2012/12/05(水) 18:55:04.26 ID:AsRIIbCn0

ルドガー(少し早いけど朝ご飯の支度をしよう)

エル「…るどがぁ、おはよ…」ゴシゴシ

ルドガー「早かったな」

エル「なんかさみしかった…」トテトテ

ルドガー「そっか、ごめんな」ナデナデ

エル「んーん、いいよ」

ルドガー「今から朝ご飯作るから」

エル「んー…」

ルドガー「眠いならまだ寝ててもいいぞ?」

エル「だいじょぶー顔あらってくるねー」

ルドガー「ああ」


エル「ごちそーさまでした!」

ルドガー「ああ、ごちそうさま」

エル「それじゃエルはエリーゼのとこいってくるね!」

ルドガー「気をつけろよ?」

エル「ルドガーもね!フコウタイシツなんだから」

ルドガー「……」

エル「それじゃ、いってきまーす」ガチャ

ルドガー「いってらっしゃい」

ルドガー(待ち合わせまで少し時間があるし、家事を終わらせておこう)

ルドガー(ついでに借金返済もしておこう。最近サボりがちだったしな)



84: ◆wKarhnfzGE:2012/12/05(水) 19:01:36.90 ID:AsRIIbCn0

ルドガー「……」

ルドガー(少し早く着きすぎたか)

ルドガー(あれ?あそこにいるのって…)

ルドガー「レイア?」

レイア「あ、ルドガー!」

ルドガー「結構早く来たと思ってたんだけど待たせちゃったか?」

レイア「ううん!今来たところだよ」

ルドガー(…なぜか周りの視線が痛い)

通行人A「あの娘ずっと前から来てたよ」ヒソヒソ

通行人B「うっわー男の方さいてー」ヒソヒソ

通行人A「ありえないよねー」ヒソヒソ

通行人B「ほんとほんと」ヒソヒソ

ルドガー「…」

レイア「あはは…」

ルドガー「なんか、ごめん…」

レイア「う、ううん!先に着いたのは私だし!…それにこうやって待つのもデートっぽいかなーって」

ルドガー「えっ?」

レイア「な、なんでもないよほんと!ちょっと『待った?』『全然待ってないよ』ってやり取りがやってみたくて…」

ルドガー「ああ、デートの定番だしな」

レイア「!?」

ルドガー「どうした?」

レイア「…な、なんでもないっ///」



85: ◆wKarhnfzGE:2012/12/05(水) 19:09:18.16 ID:AsRIIbCn0

レイア「そういえば今日はどこに行くの?」

ルドガー「…あ」

ルドガー(全然考えてなかった)

ルドガー(とはいってもいきなりあの話を切り出すのは…)

レイア「クエスト?あ、それとも新しい分史世界とか?」

ルドガー「あ、いや、そういうのじゃ…」

レイア「だ、だよねー」

レイア(自分からデートって言っておいてそれは無いよね…)

ルドガー(とりあえず近場をうろうろして、タイミングを見計らって切り出そう)

レイア(でもそれ以外となると全然思いつかないなぁ~)

レイア(何の用なんだろ?…もしかして)

ルドガー「…とりあえずディールにでもいってみないか?」

レイア「ディール?何しに?」

ルドガー「レイア、こっちに来て間もないんだろ?」

レイア「そうだね、つい最近こっちに来たばかりだよ」

ルドガー「案内するよ。仕事でしか来てないだろうから、たまにはのんびり観光でもどうだ?」

レイア「あ、それいいかも!」

ルドガー「じゃ、決まりだな。とりあえず切符を買おう」

レイア「うんっ」

レイア(あれ?勢いで返事しちゃったけど、これって本当にデートなんじゃ…)

レイア(な、なんかそう思ったら緊張してきたよ~///)



86: ◆wKarhnfzGE:2012/12/05(水) 19:13:32.22 ID:AsRIIbCn0

アルヴィン「ありゃ、ルドガーとレイアじゃん」

ジュード「あ、ほんとだね」

アルヴィン「二人でどっかに行くのかね?声かけてみるか?」

ジュード「…やめておいた方がいいんじゃないかな?」

アルヴィン「もしかしてデート?まっさかー」

ジュード「でもレイアが珍しくオシャレをしてるんだよ」

アルヴィン「へぇ、そういうところもよく見てるんだな」

ジュード「あはは。まあ幼馴染だしね」

ジュード「でもレイアがオシャレするなんて滅多にないよ」

アルヴィン「おいおい、それじゃ普段はしてないってことか?」

ジュード「そうじゃなくてオシャレしなくてもレイアは素のままで可愛いと思うから…」

アルヴィン「…ふぅん。それで、ジュードくんはそれでいいのか?」

ジュード「え?なにが?」

アルヴィン「…ったく、これじゃレイアが報われないねぇ」

ジュード「?」

アルヴィン「ま、デートってんなら邪魔すんのも悪いか。俺たちは退散するとしようぜ」スタスタ

ジュード「うん、そうだね」スタスタ

ジュード「…やっと、前に進めたんだね。頑張って、レイア」ボソッ

ジュード(僕はレイアの気持ちに答えられなかったけど…)

ジュード(今度こそ、届くといいね)

ジュード(僕の大切で、自慢の幼馴染──)

アルヴィン「お、エリーゼ発見!」

ジュード「ちょっと待ってよ!抜けがけは許さないからね!」



87: ◆wKarhnfzGE:2012/12/05(水) 19:22:06.89 ID:AsRIIbCn0

ガイアス「…ふんっ!ふんっ!」

ミュゼ「どうしたのよガイアス。ぶっちゃけ気持ち悪いわ」

ガイアス「民の気持ちを知るため、アルバイトをはじめてみた」

ミュゼ「へぇ、どんな仕事なの?」

ガイアス「うむ。壁殴り代行と言う奴でな」

ミュゼ「…なぁに、それ?」

ガイアス「俺にもよくわからん…が、どうやら一定の需要はあるらしい」

ミュゼ「ふぅん」

ガイアス「つい先ほど上司からもうすぐ仕事が入るから体を温めておけと言われた」

ミュゼ「あら、肉体労働なのね」

ガイアス「ああ、そうみたいだな」

ミュゼ「だからさっきから半裸で背筋をやっていたのね」

ガイアス「ああ」

ミュゼ「キモイわ」

ガイアス「……」

ミュゼ「ギガントキモいわ」

ガイアス「そこまでキモいか?」

ミュゼ「冗談よ~♪」

ガイアス「……」

ミュゼ「……」

ガイアス「少し、風にあたってくる」

ミュゼ(案外ナイーブね)



88: ◆wKarhnfzGE:2012/12/05(水) 19:29:24.08 ID:AsRIIbCn0

~ディール駅~

レイア「着いたね!」

ルドガー「ああ」

レイア「…どうする?私ディールはあまり来たことないんだけど」

ルドガー「レイアがいきたいところはないのか?」

レイア「闘技場!」

ルドガー「ええ!?」

レイア「…あれ?エレンピオスにはないの?闘技場」

ルドガー「ない!」

レイア「残念。ルドガーと熱く燃え滾ろうと思ったのに~」

ルドガー「はは…」

レイア「他には…ん~取材したら面白そうな所、とか?」

ルドガー「…うーん」

レイア「難しいよね~むむむ…」

レイア「そだ!ルドガーは外で遊ぶって言ったらなにするの?」

ルドガー「俺は…うーんゲームセンターとか?」

レイア「ゲームセンター?」

ルドガー「ああ。学生の時は友達とよく行ってたよ」

レイア「へぇ~面白そうだね」

ルドガー「リーゼ・マクシアにはないのか?」

レイア「うん。だからちょっと気になるかも!」

ルドガー「じゃあ行ってみるか」

レイア「おー!」



89: ◆wKarhnfzGE:2012/12/05(水) 20:00:46.53 ID:AsRIIbCn0

レイア「うわっ凄い音!」

ルドガー「ちょっとうるさかったか?」

レイア「ううん大丈夫!ちょっとびっくりしただけだから」

レイア「何か機械がいっぱいあるね~」

ルドガー「ああ。…?」

ノヴァ「ちょい!そや!それ~!」カチャカチャ

ノヴァ「甘い!…っとぉ!やらせないよ!」カチャカチャ

ノヴァ「これでっトドメ!」カタカタッタッーン

ノヴァ「ふっ…ノヴァ様にストファで勝とうなんて100年早いわ!」

ルドガー「……はぁ」

レイア「ルドガー?どうしたの?」

ルドガー「なんでもない。俺たちは向こうに行こう」

ルドガー(仕事中じゃないのか…?)

レイア「これも黒匣で動いてるんだよね?」

ルドガー「そうだな」

レイア「…なんか不思議だな」

レイア(少し前まではただの兵器としか思ってなかったのに)

レイア(今じゃあるのが当たり前になってるよ)

ルドガー「?」

レイア「ううん!こっちの話…それよりこれってなんなの?」

ルドガー「これはお金を入れて景品を取るゲームだよ」

レイア「?」

ルドガー「とりあえず俺が一回やってみせる」チャリン

ルドガー(あの猫のヌイグルミ…ちょっとルルに似てるな。あれにしよう)

ルドガー「このボタンでアームを動かして」ポチッ

ルドガー「このボタンを押すとアームが回転する」ポチ

ルドガー「景品をうまく掴むように狙って…ボタンを離す」ウイーン

レイア「おおー!」

ルドガー「うまくいけば…」ガシッ

ルドガー「こんな風に景品を掴んで運んでくれる」ガタン

レイア「ルドガーすごい!一発だよ!」

ルドガー「コツさえ掴めばレイアもできるよ。やってみるか?」

レイア「うんっ」チャリン

レイア「えーっとこのボタンで動かすんだよね…ああっいきすぎたっ」ウイーン

レイア「えっとえっとあっそうじゃなくて!」ウイーン

レイア「あうー…」スカッ

ルドガー「まあ一回目だし、こんなもんだよ」

レイア「ううー…もういっかい!」

ルドガー「ああ」



90: ◆wKarhnfzGE:2012/12/05(水) 20:06:40.64 ID:AsRIIbCn0

レイア「あと少しだったのに~!」

ルドガー「惜しかったな。そろそろ…」

レイア「ううんまだまだだよ!取るまで絶対諦めないから!」

ルドガー「はは…」

レイア「うあ~」

レイア「もうちょっと!」

レイア「掴んだのにぃ~」


ルドガー「もう諦めないか?」

ルドガー(通算31回目。もう3100ガルドも使ってる…)

レイア「でも~まだひとつも…」

ルドガー「どうしても欲しいなら俺がとったやつをあげるからさ」

レイア「いいの?」

ルドガー「ああ。あんなに頑張ってたしな」

レイア「うう~やっぱり悔しいよ~」

ルドガー「ならまた来ればいいさ」

レイア「へっ?」

ルドガー「俺でよかったら付き合うよ」

レイア「うんっ!…ありがと、ルドガー」



91: ◆wKarhnfzGE:2012/12/05(水) 20:13:35.07 ID:AsRIIbCn0

ルドガー「そろそろお腹空いたな」

レイア「だね~。どこかで食べる?」

ルドガー「ディールなら魚料理が美味しい店があるな」

レイア「うーん…」

ルドガー「どうした?」

レイア「そのぅ…ルドガーの料理が食べたいなって」

ルドガー「…わかった」

レイア「いいのっ?」

ルドガー「ああ」

レイア「やった!それじゃあ近くの宿屋に行こっ!」


レイア「んー♪やっぱルドガーの料理ってすっごく美味しいよ!」

ルドガー「そうか?」

レイア「うん!なんていうのかな、作った人の愛情がいっぱいこもってるよ」

ルドガー「そう言われると嬉しいな」

レイア「ルドガーはずっと料理をしてたの?」

ルドガー「ああ。ユリウスがなんでもうまいって言ってくれるから色々とチャレンジしたんだ」

レイア「なるほど~ルドガーの料理の秘密はそんなところに…メモメモ」

ルドガー「そんなことまでメモするのか」

レイア「ルドガーはネタの宝庫だからね!」

ルドガー「はは…」

ルドガー「でもレイアのお父さんの料理、美味しいよな」

レイア「でしょ!私の自慢の宿だよ!」エッヘン

ルドガー「きっとレイアの料理も美味しいんだろ?」

レイア「えっとそれはまぁ…ね?」

ルドガー「…?」

ルドガー「今度はレイアの手料理も食べてみたい」

レイア「ええっ!?…それじゃ、また今度ね?」

ルドガー「ああ、楽しみにしてるよ」

レイア(これは料理を練習しとかないと…情けないところは見せられない!)

レイア「…やっぱりはっきりさせなきゃ」ボソッ

ルドガー「……!」

ルドガー(まさか…)



92: ◆wKarhnfzGE:2012/12/05(水) 20:19:16.25 ID:AsRIIbCn0

レイア「ねえルドガー?」

ルドガー「……」

レイア「ルドガーってさ、エルにミョーに優しいよね?」

ルドガー「ああ、そうかもしれない」

レイア「それって、どうしてなのかな?」

ルドガー「それは……」

レイア「私はさ、ルドガーが『そう』だって信じたくないよ…。だって大切な仲間だもん」

レイア「だからさ、正直に答えて欲しいんだ」

レイア「──ルドガーは、口リコンなの?」ジッ

ルドガー「……」

ルドガー(心臓の音がやけにうるさい)

ルドガー(レイアの視線が辛い)

ルドガー(レイアは信じてくれてる…わかってる)

ルドガー(だから言えばいい)

ルドガー「俺は──」


口リコンじゃない!

or


口リコン、なのかもしれない…



93: ◆wKarhnfzGE:2012/12/05(水) 20:23:03.48 ID:AsRIIbCn0

ルドガー「口リコンじゃない!」

レイア「…!」

ルドガー「エルは大切だし、エルのことになると冷静でいられなくなる部分があるのもわかってる」

ルドガー「それでも俺は、口リコンじゃない。この気持ちは、そんなものじゃない!」

レイア「そっか…」

レイア「ごめんね、ルドガー。私、勘違いしちゃってたよ」

ルドガー「いや、いいんだ。勘違いされても仕方ない」

ルドガー(確かに、勘違いされてもおかしくはないよな)

レイア「ううん、私の勘違いでルドガーを傷つけたのは事実だから、謝らせて」

レイア「ごめんなさい」

ルドガー「…ああ、もういいよ」

レイア「でも嬉しかったよ。ルドガーは違うんだよね」

ルドガー「ああ、俺は普通の女の子が好きだ」

レイア「そっか。それなら私にも──」

レイア(あれ…?)

ルドガー「?」

レイア(私は何を言おうとしてたんだろ?)

ルドガー「どうした?」

レイア(私は今、なんでホッとしたんだろ?)

レイア(ルドガーが口リコンじゃないってわかったから?)

レイア(違う。きっと私──ルドガーのこと…)

ルドガー「レイア!」

レイア「えっ!?」

ルドガー「どうかしたのか?急にぼーっとして」

レイア「あ、あはは…えとその、なんでもないよ?」

ルドガー「…?」



94: ◆wKarhnfzGE:2012/12/05(水) 20:29:04.47 ID:AsRIIbCn0

レイア「えーっと…あ!ルドガーって気になってる女の子とかいないの?」

ルドガー「ええっ!?」

レイア「ほらほら!だって身近に女の子たくさんいるし!一人くらいいるんじゃない?」

ルドガー「そ、それは…」

レイア「その反応はもしかして…」

ルドガー「レ、レイアはどうなんだ?」

レイア「わ、わたしっ!?」

ルドガー「名前を聞くときはまず自分から名乗るものって言うだろ?」

レイア「これ名前じゃないから…」

ルドガー「それで、どうなんだ?」

レイア「それはその~…」

ルドガー「ジュードか?」

レイア「えっ」

ルドガー「いや、そんな話をエリーゼやアルヴィンに聞いてさ」

レイア「えーっと~…」

ルドガー(この反応は…)

ルドガー(でも、ジュードがまともになるいい機会かもしれない)

ルドガー(少し、残念な気もするけど…)

ルドガー「俺は応援するよ」

ルドガー「ジュードは鈍い所があるだろうけど、きっとレイアなら大丈夫さ」

レイア「……」

ルドガー「レイアは前向きだし健気だし、それに可愛い──」

ルドガー(自分で言っといて恥ずかしい)

ルドガー(ここまで言うつもりはなかったのに…)

レイア「……」

ルドガー「…?レイア?」

レイア「ごめん、ルドガー。帰るね…」ガタッ

ルドガー「えっ…?」

レイア「ごめん…また今度。埋め合わせするからっ…」スタスタ

ルドガー「…あっ」

ルドガー(レイア、どうしたんだ…?)



95: ◆wKarhnfzGE:2012/12/05(水) 20:34:16.44 ID:AsRIIbCn0

ルドガー(俺はなにか間違えたのか?)

ルドガー(…わからない)

ルドガー(怒っている感じじゃなかったな)

ルドガー(悲しそうな…)

ルドガー(あんな顔にするつもりはなかった)

ルドガー「俺は…ただ…」

ガイアス「何をしている?」

ルドガー「…アーストか?」

ガイアス「先ほど走り去っていくレイアを見かけてな」

ルドガー「…っ」

ガイアス「何かあったのか?」

ルドガー「……」

ガイアス「話して楽になることもあるだろう」

ルドガー「…実は──」

ガイアス「──なるほどな」

ルドガー「俺はなにか間違えたのか?」

ガイアス「さあな。俺にはわからん」

ルドガー「えっ」

ガイアス「お前の気持ちもレイアの気持ちも、俺にはわからん」

ガイアス「だからお前の問いには答えられないが、その手助けはしてやろう」

ルドガー「?」

ガイアス「お前はレイアと今日を過ごし、どう思った?」

ルドガー「……それは」

ガイアス「言わなくていい。それはお前の内に秘めておけ」

ガイアス「問題はその『根』の部分だ」

ルドガー「根?」

ガイアス「どうしてお前はそう感じた?仲間だからか?友だからか?」

ガイアス「それとも──想い人だからか?」

ルドガー「!?」

ガイアス「答えを聞くような野暮なことをするつもりはないが、答えも決まらぬまま中途半端に接したところでお前には何もできないだろう」

ガイアス「それどころかもっとレイアを傷つけることになるかもしれない」

ルドガー「……」

ガイアス「だからこそ選択しろ。自分の想いを、偽らず」

ガイアス「俺が言えるのはそれだけだ」スタスタ

ルドガー(俺の…気持ち…)



96: ◆wKarhnfzGE:2012/12/05(水) 20:42:48.76 ID:AsRIIbCn0

~マンションフレール三階 ルドガーの部屋~

エル「ただいまー」ヒョコ

ルドガー「…ああ、おかえり」

エル「…?」

ルドガー「夕飯作るよ」

エル「うん?」

ルドガー「……」

エル「どうかしたの?」

ルドガー「なんでもないよ」

エル「……」

ルドガー「ほら、手を洗わないと夕飯食わせないぞ」

エル「わかりましたよーだ」


エル「ん、おいしー!」モグモグ

ルドガー「そっか」

エル「ほら、ルドガーも食べなよ!おいしいよ?」

ルドガー「ああ」

エル「…ルドガー。さっきからなに考えてるの?」

ルドガー「…エルには関係ない」

エル「関係あるよ!」

ルドガー「っ!?」ビクッ

エル「エルはルドガーのあいぼーだもん!」

エル「あいぼーはこまったときにときに助け合うんだよ!」

ルドガー「…そっか」

エル「うん!だからルドガーといっしょにエルも考えるの!」

ルドガー「わかった」



97: ◆wKarhnfzGE:2012/12/05(水) 20:50:14.06 ID:AsRIIbCn0

ルドガー「エルは、好きな人がいるか?」

エル「好きな人?んーと、パパ!」

ルドガー「…家族以外で」

エル「ルル!」

ルドガー「ええー…」

エル「それがどーかしたの?」

ルドガー「どうして好きなんだ?」

エル「可愛いから!」

ルドガー「はは…なら、ルルに好きな人…というか猫?がいてもか?」

エル「好きな人?」

ルドガー「ああ」

エル「それでも好き!」

ルドガー「ルルが、突然消えてしまうかもしれなくてもか?」

エル「…なんで、そんなこと言うの?」

ルドガー「ごめん。たとえばの話だよ」

エル「たとえばでもそんな話したくない!」

エル「……けど、消えちゃっても好きだと思う!だって好きだもん!」

ルドガー「……」

エル「好きなら好きでいーじゃん!」

エル「好きなものに好きーって言ってわるいの?」

ルドガー「迷惑になるかもしれないんだぞ?」

エル「好きって言われてイヤな人はいない!」

ルドガー「…そんなものか?」

エル「うん!そんなもの!」

ルドガー「…」

エル「エルはルドガーのこと、好きだよ?パパの次に」

ルドガー「…ありがとう」

エル「めいわく?」

ルドガー「いや、嬉しいな」

エル「でしょ?エルの言うとーり!」エヘンッ

ルドガー「そうだな」

エル「だからルドガーも好きなら好きって言えばいーんだよ!」

ルドガー「…ああ、そうだな」

ルドガー「俺も、エルのことが好きだぞ。家族として」

エル「…うんっ」ニコッ



98: ◆wKarhnfzGE:2012/12/05(水) 20:54:13.60 ID:AsRIIbCn0

ルドガー(俺は難しく考えてたのかもしれないな)

ルドガー(俺はレイアと過ごして…)

ルドガー(レイアのことを…)


友達として好き

or


異性として好き



99: ◆wKarhnfzGE:2012/12/05(水) 20:59:50.34 ID:AsRIIbCn0

投下終了です。
後半は若干駆け足気味ですみません。
昨日の分と今日の分をまとめて放出です。

最後はtox2らしく選択肢で終わらせてみました。
明日の投下までに多かった方の選択肢の√を書こうと思います。
友達~ → 分史ミラ√
異性~ → レイア√
です。
どちらも書く気はありますが、気力が持つかはまた別なので…。
ちなみに途中にあった選択肢は口リコン√分岐用です。使うことになるかはさておき。



100:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/05(水) 21:02:05.19 ID:tzBD0iAB0

乙です
レイアルート希望



101:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/05(水) 21:07:35.76 ID:wsZUMUSwo

分子ミラにも救いの手を……
本編ではあの結末なので……



102:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/05(水) 22:13:23.68 ID:Wz1hD9zc0

レイアルート希望



103:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/05(水) 22:16:29.22 ID:iHP2F0zAO

ミラ



104:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/05(水) 22:29:14.70 ID:aGxUrneIO

ミラさま~



105:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/05(水) 22:59:01.47 ID:1L0z0IQZo

レイア



106:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/05(水) 23:00:19.13 ID:iO88gvUQo

レイア



107:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/05(水) 23:35:19.36 ID:e+2IZH7Ao

ミラだ



108:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/05(水) 23:41:16.91 ID:kqGLI3lIO

レイアで



109:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/05(水) 23:51:23.20 ID:XbKtfWag0

繝溘Λ縺九↑



110:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/05(水) 23:52:50.88 ID:XbKtfWag0

文字化けしおった
ミラで



111:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/05(水) 23:56:06.95 ID:TD/UUS7no

レイアたそー



112:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/06(木) 00:50:58.11 ID:uYDZvEB60

レイアルートで



113:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/06(木) 00:56:00.31 ID:tJbxx/ozo

ミラや



114:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/06(木) 01:45:48.33 ID:LJD4FMzWo

結構割れてるな~
ミラで



115:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/06(木) 02:28:12.02 ID:DJ2qtrRso

レイアでしょ



116:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/06(木) 02:32:09.22 ID:pH/UVtcTo

ルドミラエルがいいな



117:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/06(木) 03:40:22.50 ID:3W2O6c2ao

レイア



118:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/06(木) 05:38:11.53 ID:iPQgWvTDO

ミラ



119:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/06(木) 07:14:16.74 ID:aCEP+BlC0

レイアちゃん



120:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/06(木) 07:36:31.90 ID:E9EDp8gIO

レイアや



121:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/06(木) 08:00:28.27 ID:NXhib1Hp0

ミラでー



122:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/06(木) 09:16:36.13 ID:wVmTnf2Jo

分子ミラ最高!



123:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/06(木) 10:23:01.80 ID:ZtRj2dW3o

ミラや



124:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/06(木) 10:56:50.38 ID:EMKO+QHR0

レイアー



125:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/06(木) 11:20:19.65 ID:SmtHNI6g0

繝溘Λ繧・・



126:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/06(木) 11:54:24.45 ID:j0MyBq/c0

レイア



127:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/06(木) 13:23:35.52 ID:DoFmTz4e0

ミラで



128:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/06(木) 14:13:28.62 ID:bs7ya1rto

レイアで!



129:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/06(木) 15:53:00.40 ID:SmtHNI6g0

ミラで



130:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/06(木) 17:27:51.51 ID:YgdKdFLIO

ミラ



131:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/06(木) 17:39:10.16 ID:KGL/EFEB0

レイアで



132:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/06(木) 17:54:40.05 ID:9R5PohKGo

ミラ



133: ◆wKarhnfzGE:2012/12/06(木) 18:32:26.10 ID:oE7W6b3i0

本日も無事来れました。
いやしかし、随分と僅差な戦いでした。
個人的にはレイア圧勝とか思ってたんですが。
でもミラさんが人気で個人的には嬉しいです。本編で一番ルドガーとフラグ立ってましたし。照れミラさん可愛い。

ミラ16票、レイア15票でミラ√を書くことにします。
というかレイア勝つとばかり思ってたんでレイア√少し書いちゃってるので、レイアもミラの次に書くと思います。

それでは投下します。



134: ◆wKarhnfzGE:2012/12/06(木) 18:36:10.69 ID:oE7W6b3i0

ルドガー「俺は…レイアのことが友達として好きなのか」

ルドガー(いつも明るく笑顔を振りまいてくれる彼女に、好感を持ったんだな)

ルドガー(でも…)

ルドガー「……」

エル「ルドガー?どうしたの?」

ルドガー(隣にいてほしい)

ルドガー(そう思ったのは──)

ルドガー「なあエル」

エル「?」

ルドガー「エルのパパのスープを超える方法を思いついたんだ」

エル「そんなのあるわけないしー!」

ルドガー「本当にそう思うか?」

エル「あたりまえですー!パパよりおいしいスープなんてありません!」

ルドガー「そっか…」クスッ

ルドガー(いや、俺たちなら…作れるよな)

ルドガー(──ミラ)

milla episode 運命を越えて。



136: ◆wKarhnfzGE:2012/12/06(木) 18:42:44.65 ID:oE7W6b3i0

ティポ「ローエンくん!」

エリーゼ「ローエン!」

ローエン「おやおや、どうしましたかティポさんにエリーゼさん」

ティポ「最近ボクたちの出番が少なくてつまんないよー!」

ローエン「おや、エリーゼさんやティポさんは私よりも出番が多いじゃありませんか」

ローエン「ジジイなんてホモシーン以外では一切物語に絡まないのですよ?」

ティポ「ホモ要員ってなにー?」

ローエン「新たな愛の形です」

エリーゼ「新たな愛の形ってなんでしょう?」

ティポ「わかんないねー!」

ローエン「それはそうと、最近ルドガーさんが色んな人と話しているのをご存知ですか?」

エリーゼ「知ってます!口リコンの話ですよね」

ローエン「ええ、私も先日ガイアスさんに愚痴のように聞かされました」

エリーゼ「ルドガーは口リコンなんですか?」

ローエン「いえ、ジジイの見立てですとおそらくルドガーさんは…」

エリーゼ「ルドガーは?」

ティポ「ドキドキワクワク」

ローエン「私のことが好きなんでしょう!」

エリーゼ「」

ティポ「」

ローエン「…もちろん、冗談ですよ?」

エリーゼ「はは…そうですよね…」

ティポ「目がマジだったよー怖いよー!」

エリーゼ「ティポ!」

ローエン「…ティポさんにも、穴はありますよね?」

エリーゼ「!?」

エリーゼ「邪悪な気配を感じました…!」

ローエン「冗談ですよ♪」

ティポ「最近ローエンが怖いよー!」ビューン

エリーゼ「待って~ティポ~!」タタタッ

ローエン(本当に冗談なのですが…)

ローエン(しかしルドガーさんもそんなことで悩んでいたのですか)

ローエン(私はてっきりミラさんの事で悩んでいたのかと思いましたよ)



137: ◆wKarhnfzGE:2012/12/06(木) 18:56:06.82 ID:oE7W6b3i0

ルドガー「──!?」

???「構えろ、ルドガー・ウィル・クルスニク」

ルドガー(…あの時ユリウスと戦った夢の時の場所か?)

ルドガー(またこの夢を?)

???「構えろ」

ルドガー「っ…!」チャキ

ルドガー(でも目の前にいるのは…ユリウスじゃない!?)

ルドガー「はぁっ!」

???「……」ガキィン

ルドガー「せいっ!」

???「ふっ…」キィン

ルドガー(攻撃が…読まれてる?)

???「未熟だな、お前は」

ルドガー「……」

???「この程度の力で、この程度の覚悟で、誰かを守るなんて笑わせる」

ルドガー「…だああ!」ブンッ

???「無駄だ。今のお前では俺に触れることすら叶わない」カキン

ルドガー「…くぅっ」

???「お前は流されていないか?選択を」

ルドガー「…」

???「自分で選択をしたつもりで、流されているんじゃないのか?」

???「選択は元来無限だ」

???「だが、人は脆弱だ」

???「くだらない理由で大切なものを諦め、見捨てる」

???「そしてつまらない選択を受け入れる、これが正しかったのだと」

ルドガー「……」

???「笑わせるな!」

???「お前の選択は、覚悟は、そんなものなのか?」

ルドガー「なにが、言いたいんだ?」

???「選択に責任を持て」

???「どんなに絶望的でも自分の選択を貫け!諦めるな!」

???「手を伸ばせ!そこにお前の望むものがあるのなら──!」

ルドガー「…!」



138: ◆wKarhnfzGE:2012/12/06(木) 19:01:56.84 ID:oE7W6b3i0

ルドガー「…朝か」ムクッ

ルドガー(あの夢はなんだったんだ?)

ルドガー(諦めるな、か)

エル「ムニャムニャ…ローエンのヒゲ臭い…」

ルドガー「」

エル「アルヴィンも…臭い…」

ルドガー(…どんな夢をみてるんだ)

ルドガー(とりあえず、朝食を作ろう)ゴソゴソ


エル「ルドガー!」タタタッ

ルドガー「どうしたんだ?」

エル「変なユメみた!」

ルドガー(ああ、さっきの)

エル「ティポと王様がどっちがおいしいか勝負したの!」

ルドガー「!?」

エル「それでね、王様は『俺は饅頭王になる』って言って丸焼きになったの!」

ルドガー「」

エル「でもティポの煮付けの方がキンサでおいしかった!」

ルドガー(夢の内容と寝言が一致してない…)

ルドガー「そっか…大変だったな」

エル「うん…」

ルドガー「とにかく、顔を洗ってこような」

エル「朝ごはんガイアスまんじゅうが食べたい!」

ルドガー「えー」

エル「なんか食べたくなっちゃった」ニコッ



139: ◆wKarhnfzGE:2012/12/06(木) 19:08:50.29 ID:oE7W6b3i0

エル「今日も出かけてくる!」

ルドガー「またか?今度はどこに行くんだ」

エル「んっとね、ジュードと遊ぶ!」

ルドガー「そっか…俺も行こうか?」

エル「ううん、エルひとりで大丈夫!」

ルドガー「あんまり遅くならないようにな」

エル「ジュードといっしょだから平気だもん」

ルドガー「いや…それが心配なんだ…」

エル「?」

ルドガー「危なくなったらこのブザーを鳴らすんだぞ?」

エル「わかった!」

ルドガー(…不安だ)



140: ◆wKarhnfzGE:2012/12/06(木) 19:46:58.74 ID:oE7W6b3i0

ルドガー(最近、エルが俺と一緒にいる時間が少なくなった気がする)

ルドガー(多分口リコンの相談をした日からだな)

ルドガー(エルにも気を使わせてるのかもしれない)

ルドガー「近いうちにエルと遊んでやるか」

ルドガー(しかしジュードと遊ぶのは…いや、信じよう)

ルドガー「とりあえず、家事を──」ピンポーン

ルドガー(…誰だ?)

レイア『その…レイアだけど…』

ルドガー「ああ、入っていいよ」

レイア「それじゃ、お邪魔しまーす」ソローリ

ルドガー「あ」

ルドガー(そういえばレイアとは昨日気まずいまま別れたんだよね)

ルドガー(何も考えずにあげちゃったけど、どうするか)

レイア「……」

ルドガー「……」

レイア「ごめん!」ペコッ

ルドガー「えっ…!?」

レイア「昨日いきなり帰って傷ついたよね…?」

ルドガー「…いや」

レイア「大丈夫ってルドガーが言うのはわかってるよ、でも」

レイア「私だったらすっごく傷つくし…」

ルドガー「……」

レイア「だから、本当にごめん!」

ルドガー「はは、なんか昨日から謝ってばかりだなレイア」

レイア「ぅぅー…ごめんなさい」

ルドガー「いや、いいよ。俺こそごめん。無神経なことを言ったかもしれない」

レイア「ううん、ルドガーは悪くないよ」

ルドガー「それでも、だよ」

レイア「あはは…それじゃ、お互い様だね!」ニコッ

ルドガー「ああ」



141: ◆wKarhnfzGE:2012/12/06(木) 19:53:26.51 ID:oE7W6b3i0

レイア「私ね、ルドガーのこと好きだよ」

ルドガー「うぇっ!?」

レイア「うぇっ!?って酷いなぁ」

ルドガー「ごめん…」

レイア「でもそれって、多分大切な『友達』に対しての好きだと思うんだ」

ルドガー「…ああ」

レイア「ルドガーは、どうなのかな?」

ルドガー「俺も、好きだよ。『友達』として」

レイア「…そっか。ありがと!」

ルドガー「これで仲直り、だな」

レイア「うん、改めてよろしくね!ルドガー」

レイアの好感度が上がった。
称号:私の、最高の友達を手に入れた。


レイア(これで…良かったんだよね)

レイア(『私らしく』、あるために!)

称号:消えた想い、守る想いを手に入れた。


レイア「それじゃ、私は帰るね!」

ルドガー「ああ、気を付けて」

レイア「ルドガーこそね!」ガチャッ

ルドガー(レイアと仲直りできてよかった)

ルドガー(さて、今日は何をしようか)



142: ◆wKarhnfzGE:2012/12/06(木) 20:20:43.07 ID:oE7W6b3i0

ミラ(…暇ね)

ミラ(たまには一人でブラブラしようかしら)

ミラ(この世界に来てから一人ですることなって魔物狩り位しかなかったし)

ミラ(たまにはゆっくり羽を伸ばすのもアリね)テクテク

ミラ(…一人で何かしようにもこの世界のことあんまり知らなかったわ)

ミラ(……全然思い浮かばないんだけど)テクテク

ミュゼ「ルドガーのところでも行ってみたら~」ボソッ

ミラ「…仕方ない、そうし──って姉さん!?」

ミュゼ「はぁい♪」

ミラ「……」

ミュゼ「あら、呼んでおいて放置?」

ミラ「姉さんじゃない」

ミュゼ「そうね、あなたは私の妹じゃないし」

ミラ「姉さんはもっと凛々しかった」

ミュゼ「私の妹ももっと凛々しかったわ」

ミラ「…」

ミュゼ「…」



143: ◆wKarhnfzGE:2012/12/06(木) 20:27:52.28 ID:oE7W6b3i0

ミラ「…それで、姉さ──あなたは何の用?」

ミュゼ「たまたまあなたを見かけたから」

ミラ「…それだけ?」

ミュゼ「ほかに理由が欲しかった?」

ミラ「別にそういうわけじゃ」

ミュゼ「そう?私はあなたとも仲良くしたいわ」

ミラ「えっ?」

ミュゼ「あなたは私の妹の『ミラ』じゃないけど…ミラであるのには変わらないから」

ミラ「それって単に私にその『ミラ』を重ねているだけでしょ」

ミュゼ「違うわ。あなたはあなた。『ミラ』は『ミラ』よ」

ミラ「…」

ミュゼ「お互いに意地を張らないで、少しは歩み寄りましょ?」

ミラ「…そうね」

ミュゼ「まずはその『あなた』って呼び方ね。なんか他人行儀みたいで嫌だわ~」

ミラ「なら、ミュゼって呼ぶわ」

ミュゼ「あら、お姉ちゃんって呼んでくれないの?」

ミラ「あなたはあなた。姉さんは姉さんよ」

ミュゼ「ふぅん。まあいいわ。なら私はミラちゃんって呼ぶから♪」

ミラ「ミラちゃ──!?」

ミュゼ「ウフフ♪『ミラ』って普段から凛々しくてとてもじゃないけどちゃんなんてつけられないもの」

ミラ「だからって私を──」

ミュゼ「だから、あなたも私を好きに呼んでいいのよ?」

ミラ「…じゃあ、ミュゼ姉さん」



144: ◆wKarhnfzGE:2012/12/06(木) 20:37:49.02 ID:oE7W6b3i0

ミュゼ「ええ、それでいいわ♪」

ミュゼ「それで、ミラちゃんは暇を潰したいんでしょ?」

ミラ「…まあそうね」

ミュゼ「本当だったら私が付き合ってあげたいんだけど、ちょっとガイアスを慰めてあげなきゃならないのよね~」

ミラ「…何をしたの?」

ミュゼ「ちょっといじめすぎちゃった♪」

ミラ(…やっぱり姉さんとは違う)

ミラ(でも、もし姉さんが昔のように優しいままだったら)

ミラ(こんな未来もあったのかもしれないわね)

ミラ「もう少し、威厳があってもいいんじゃない?ミュゼ姉さん」

ミュゼ「ミラちゃんはそっちのほうがいいの?」

ミラ「…」

ミュゼ「周りに厳しく当たるのは簡単だけど、それって寂しいと思わない?」

ミラ「…!」

ミュゼ「かつてそうだったからよく分かるわ」

ミラ「そう…ね」

ミュゼ「とにかく、暇ならルドガーの所に行ってきなさい♪」

ミラ「な、なんでルドガーのところなのよ!」

ミュゼ「あの子の周りって結構面白いことが起きるじゃない」

ミラ(…私は辱められた記憶ばっかりなんだけど)

ミラ「…でも、そうね。行ってみる」

ミュゼ「聞き分けのいい子は好きよ~」

ミラ「からかわないで」

ミュゼ「それじゃ、またねミラちゃん♪」フワーッ

ミラ(本当にあの呼び方のままなの?)



150: ◆wKarhnfzGE:2012/12/07(金) 22:17:06.92 ID:gRgmZyIq0

ルドガー「……」ボー

ルドガー(…何もやることがない)

ルドガー(家事は終わらせたし、昼にはまだ…早いよな)

ルドガー(誰かと過ごそうか)

ルドガー「…ミラ」カチカチ

ルドガー「GHS持ってなかったな…」ガクッ

ルドガー(仕方ない、今からでもジュードたちに合流して)ピンポーン

ルドガー(今日は客が多いな)

ルドガー「はい」

ミラ『私だけど…』

ルドガー「ミラか?…入ってくれ」

ミラ『え、ええ…』ガチャ

ルドガー「どうしたんだ?わざわざ家まで」

ミラ「その…今って暇なの?」

ルドガー「ああ、どうしようか悩んでたところだ」

ミラ「…そう」

ミラ「ならちょっと私に付き合いなさいよ」

ルドガー「何か用事でもあるのか?」

ミラ「こ、この前言ったじゃない。隠し味を採りに行くって」

ルドガー「…ああそういえば」

ミラ「もし暇なら今日行こうと思っただけよ。べ、別に他意なんてないから」

ルドガー「そうだな。そうするか」

ミラ「…そ。なら行くわよ」

ルドガー「あ、その前に」ポンッ

ミラ「?」

ルドガー「弁当を作っていこう」

ミラ「…!」ピク

ミラ「いえ、いいわ」

ルドガー「いや、でも今から出たら昼までかかるだろ?」

ミラ「そのあたりは大丈夫よ。手は考えてあるの」

ルドガー「?」

ミラ「と、とにかく!さっさと行くわよ!」プイッ



154: ◆wKarhnfzGE:2012/12/07(金) 22:28:15.06 ID:gRgmZyIq0

~ニ・アケリア参道~

ルドガー「…こんなところに隠し味があるのか?」

ミラ「むしろここ以外にあるわけないでしょ?」

ルドガー「へっ?」

ミラ「姉さんの世話であまり遠くへ行けなかったんだから」

ルドガー「ああ、そうか」

ミラ「……なんだか、姉さんの世話をしていたのがずいぶん昔のように感じるわね」

ルドガー「そうか?」

ミラ「ええ。最近はあなたのおかげでいろんなことに巻き込まれたから」

ルドガー「…ごめん」

ミラ「謝る必要はないわ。この生活も悪くないって、今は思う」

ルドガー「…」

ミラ「きっとあなたのおかげね。…それと、エル」

ミラ「あなたたちのおせっかいには負けたわ」

ルドガー「俺もエルも、ミラと仲良くしたかっただけだ」

ミラ「…全く、よくそんな恥ずかしいこと言えるわね///」

ルドガー「…?」

ミラ(けれど…この生活も長く続かない)

ミラ(分史世界に…『同じもの』は存在できない)

ミラ(どれだけ私が望んでも…近い未来、私は…)

ルドガー「どうしたんだ?ミラ」

ミラ「いえ、なんでもないわ。行きましょ」



155: ◆wKarhnfzGE:2012/12/07(金) 22:39:57.94 ID:gRgmZyIq0

~ニ・アケリア霊山~

ルドガー「あれ…こっちでいいのか?」

ミラ「ええ。多分こっちの世界にもあるはずよ」

ルドガー「でもこっちに来るのは向こうのミュゼに止められてなかったか?」

ミラ「だから、隠し味なのよ」

ルドガー「なるほど」

ミラ「さて、もうひと頑張り…ね!?」シュンッ

魔物「キシャアアアアアアアア!」

ルドガー「ミラッ!?」

ミラ「ルドガー!魔物よ!」

ルドガー「っはあ!」チャキ

ルドガー「タイドバレット!」ダンダンッ

魔物「ギャアアアアアアアア!」

ミラ「数が多いわね…ッ」

ルドガー「ミラ!共鳴術技だ!」

ミラ「了解──はああああ!」

ルドガー「うおおおおおおおお!」

ミラ「スカード──」

ルドガー「──エッジ!!」


ミラ「ちょっと本気を出しすぎちゃったわね」

ルドガー「流石だな」

ミラ「さて、こんなことで時間を取られても仕方ないし行くわよ」

ルドガー「ああ」



156: ◆wKarhnfzGE:2012/12/07(金) 22:54:22.26 ID:gRgmZyIq0

ルドガー「なぁ、ミラ?」

ミラ「なによ」

ルドガー「みんなとは仲良くしてるのか?」

ミラ「いきなりどうしたのよ?」

ルドガー「いや、気まぐれだよ」

ルドガー(でもミラはあまり他人と接しようとしない)

ルドガー(特にこの世界の『ミラ』を知っているみんなとは)

ルドガー(もしかしたら、居心地の悪さを感じているかもしれない)

ミラ「そうね…ぼちぼちってところかしら」

ミラ「ジュードはあなたと同じでおせっかいだし、レイアやエリーゼにはなぜか懐かれているし」

ミラ「ローエンやアルヴィンとは接する機会が少ないけれど、それでも友好的なのはわかってるわ」

ミラ「王様は…面白いわね」

ルドガー(アーストの評価が高い!?)

ミラ「ミュゼ姉さんは…その…仲良くしようって気持ちは伝わるんだけど…」ゴニョゴニョ

ルドガー「…もしかして、ミュゼと仲良くなったのか?」

ミラ「…ええ、成り行きで」

ルドガー「そっか…」

ミラ「だから、あなたが心配するようなことは何もないわ」

ミラ「私が他人と関わらないのは…そういう理由じゃないから」

ルドガー「……」

ミラ(この世界に未練なんて、少ないほうがいいのよ)

ミラ(私には…この世界で生きる意味もわからないんだから)



157: ◆wKarhnfzGE:2012/12/07(金) 23:10:51.58 ID:gRgmZyIq0

~ニ・アケリア霊山 山頂~

ミラ「…着いたわね!」

ルドガー「ああ」

ミラ「いつきてもここは凄いわね」

ルドガー「ああ、すごく高いな」

ミラ「…そう言う意味じゃないわよ」

ルドガー「へ?」

ミラ「今日は霊勢的にもよく見えるでしょ?」

ルドガー「……おおっ!」

ルドガー「いい眺めだな」

ミラ「ええ、ここって結構隠れスポットなのよ」

ルドガー「隠れというか…俺たち以外に来れないけど」

ミラ「…空気読みなさいよ」

ルドガー「うっ…」

ミラ「ま、いいわ」

ルドガー「はは…」

ミラ「…ね、ねぇ。お腹、すいてない?」

ルドガー「ああ、確かに」グゥゥ

ルドガー「やっぱり弁当を作ってきたほうが──」

ミラ「ぐ、偶然ねぇ~。朝食を作りすぎた残り物を偶然詰め込んだ弁当を偶然にも持ってきていたわ~(棒)」

ルドガー「……」ジトー



158: ◆wKarhnfzGE:2012/12/07(金) 23:24:45.85 ID:gRgmZyIq0

ミラ「な、何よ?」

ルドガー「…いや」ジトー

ミラ「別にルドガーのために作ってきたわけじゃないわよ?本当よ?」

ルドガー「…はぁ」ジトー

ミラ「偶然!偶然が重なっただけなんだから!」

ルドガー「…ははっ」

ミラ「な、なによ…///」

ルドガー「いや、ミラがいいならその『偶然』作ってくれた弁当を貰えるか?」

ミラ「し、仕方ないわね…。ルドガーも弁当を持ってきてないみたいだし」

ルドガー(それは明らかに『必然』なんだけどな…)

ルドガー(…けれどミラが俺のために作ってくれた弁当)

ルドガー(それが貰えるなら何でもいいか)

ミラ「あ、余り物だから…別に期待しないで…」

ルドガー「いや、ミラが作ってくれたんだろ?なら期待するさ」

ミラ「…あなた、気付いててやってるわね?」

ルドガー「さあ?」

ミラ「…さっさと食べなさいよっ」プイッ

ルドガー「ああ」

ルドガー(大きな弁当の器に丁寧に料理が詰め込まれている)

ルドガー(どれも美味しそうだ)

ミラ(…人に料理を渡すのに、こんなに緊張したかしら?)

ミラ(やっぱりルドガーは…何か違う?)

ミラ(…って、何を考えてるのよ!これはあくまで日頃の礼)

ミラ(借りを返しただけなんだから)



161: ◆wKarhnfzGE:2012/12/07(金) 23:55:22.26 ID:gRgmZyIq0

ルドガー「…おいしかったよ、ごちそうさま」

ミラ「…そう。参考までに聞くけど、どの料理が美味しかったか聞かせてくれる?」

ルドガー「ああ。このトマト入りオムレツが美味しかったな」

ミラ「それは結構自信作なのよね」

ルドガー「他のも美味しかったけどそれが特に美味しかったな」

ミラ「…残念ながらエルには振る舞えないけどね」

ルドガー「トマトが苦手なんて損してるよな」

ミラ「そうね…」

ルドガー「…」

ミラ「…」

ルドガー「…少し、眠くなってきたな」コクリコクリ

ミラ「私はそうでもないけど?」

ルドガー「腹が満たされたからかな…」ウトウト

ミラ「…眠いなら、寝てもいいけど?」

ルドガー「でも、隠し味が…」

ミラ「ここまでくれば一人で取れるわよ」

ルドガー「そう、か…zzz」コテン

ミラ「ちょ、ちょっと…これって膝枕///」

ルドガー「……すぅ」

ミラ「…しょうがないわね」ナデナデ

ミラ「ルドガーの髪って意外とサラサラしてるのね…」

ルドガー「…すぅすぅ」

ミラ「なんかこれ…変態みたいね」

ミラ「でもいきなりもたれかかってきたルドガーが悪いわよね…」

ミラ「だ、だからもうすこしだけ…///」ナデナデ



162: ◆wKarhnfzGE:2012/12/08(土) 00:16:43.16 ID:jFo7MkFR0

ミラ(…幸せそうな寝顔ね)

ミラ(どんな夢を見てるんだか)

ルドガー「……える」

ミラ(夢の中でもエルの世話をしてるの?)

ミラ(いえ、もしかしたらいやらしい夢を?…やっぱり口リコンなのかしら)

ルドガー「……」

ミラ「どんな夢を見てるのよっ」ボソッ

ルドガー「……」

ミラ「いやらしい夢でも見てるの?口リコンっ」ボソッ

ルドガー「…みら…」

ミラ「っ!?」ビクッ

ミラ(今、私の名前を?)

ミラ「ルドガー」プニプニ

ルドガー「…ぅぅ」

ミラ「…」ツンツン

ルドガー「……っぁ」

ミラ(何か楽しいわね、これ)ツンプニ

ミラ(こうしてると、何もかもどうでもよくなるわね)

ミラ(生きる意味やこれからのことの…何もかもが)

ミラ(……これを、幸せっていうのかしらね)

ルドガー「…みら」

ミラ「ルドガー…あなたには感謝ね」

ミラ「……好きよ」

ミラ「なんてね」ニコリ



167: ◆wKarhnfzGE:2012/12/08(土) 22:23:29.80 ID:jFo7MkFR0

ガイアス「ふん!はっ!せい!」バキボゴドカッ

ミュゼ「あら、本当に壁を殴ってるのね」

ガイアス「ああ、記念すべき初仕事だ。はぁっ!」バキッ

ミュゼ「誰がこんなことを依頼したの?」

ガイアス「依頼人は偉大なる精霊主の御子らしいぞ」ゴキッ

ミュゼ「あら、そうなの?」

ガイアス「恐らくはペンネームという奴だろう」グシャア

ミュゼ「こんなことを頼むなんて知られたくないでしょうしね」

ガイアス「ああ。正直俺でも頼む意味がわからん」メキョッ

ミュゼ「こんなことを頼むおバカさんがどこにいるのかしら」

ガイアス「さあな。しかしこんなことで稼げるとは思ったよりも世界は平和なのかもしれん」ボキョ


イバル「ふえっくしょーい」

イバル「誰かが俺の噂をしてるのか…まさかミラ様!」

イバル「…は今いらっしゃらないし、偽物はあそこでルドガーといちゃいちゃいちゃいちゃ」

イバル「……壁殴り追加してもらうか」


ガイアス「ところでお前は何をしに来たのだ?」デュクシ

ミュゼ「ちょっとひと仕事してきたのよ」

ガイアス「また下らないことを企んでいるな?」ガコンッ

ミュゼ「嫌ねえ。そんなわけないじゃない」

ガイアス「巻き込まれる身にもなれ」ドゴォ

ミュゼ「そんなことより、お腹が空いてこない?」

ガイアス(…そんなことよりて)

ガイアス「まあ、そうだな。少し減ったかもしれん」ゴキ

ミュゼ「お弁当を作ってきたのよ」

ガイアス「なん…だと…?まさか毒か!?」

ミュゼ「失礼ね…少し前にこんなことがあったのよ」



168: ◆wKarhnfzGE:2012/12/08(土) 22:31:05.60 ID:jFo7MkFR0

~回想~

ミラ「…でもルドガーになんて誘えばいいの?」

ミュゼ「」ピタッ

ミュゼ「ミラちゃん、誘い方がわからないの?」クルッ

ミラ「意識して誘ったことなんてないわよ」

ミュゼ「意外と乙女ね」

ミラ「からかわないで!」

ミュゼ「ウフフ、ならピクニックにでも誘ったら?」

ミラ「へっ?」

ミュゼ「あなたなら知っているでしょう?ニ・アケリア霊山のア・レ」

ミラ「…ああ、あれね」

ミュゼ「あそこまで一緒に行ってくるのよ」

ミラ「…確かにあそこには『アレ』があるけど」ボソッ

ミュゼ「?」

ミラ「いえ、なんでもないわ」

ミュゼ「そう?あそこまで行けばなかなかいい雰囲気になるんじゃない?」

ミラ「確かに…ってこれじゃ私がデートの相談してるみたいじゃないっ」

ミュゼ「違うの?」

ミラ「違うわよ。今回の目的はあくまで暇潰しなんだから」

ミュゼ「でもルドガーとふたりきりでしょ?」

ミラ「それはその…」

ミュゼ「ならデートじゃない!」

ミラ「……」

ミュゼ「……」

ミラ「ミュゼ姉さん」

ミュゼ「私にデートの話題を振っても無駄よ?」

ミラ「」



169: ◆wKarhnfzGE:2012/12/08(土) 22:51:12.62 ID:jFo7MkFR0

ミラ「ミュゼ姉さんのせいで変に意識しちゃったじゃない!」

ミュゼ「あらごめんなさい。反省はしてないわ」

ミラ「……今まで生きてきて、デートの知識なんて使う場面なかったわよ」

ミュゼ「そうね~…あ、お弁当なんていいんじゃないかしら?」

ミラ「お弁当?」

ミュゼ「前にレイア言ってたのよ~。『愛情のこもったお弁当でたいていの男の子はイチコロだよ!』って」

ミラ「…他に案もないし、それで行こうかしら」

ミュゼ「ねえ、私にも料理教えてくれない?」

ミラ「いいけど、ミュゼ姉さんも誰かに?」

ミュゼ「いいえ。ちょっとした気まぐれ♪」

ミラ「…いいわ。私で教えられる範囲でなら教える」

ミュゼ「助かるわ~♪」

ミラ「…あと、今日はデートじゃない、いいわね?」

ミュゼ「ふふ、念を押さなくてもわかってるわ」

ミュゼ(どうみても誰が見てもデートだけど)

~回想終了~

ミュゼ「ということがあったのよ。実は、あの後で!」

ガイアス「…ふむ、ちなみにこの弁当はその時に作ったのか?」

ミュゼ「ええ」

ガイアス「気まぐれじゃなかったのか?」

ミュゼ「だから気まぐれで作った弁当を気まぐれであなたにあげたのよ」

ガイアス「…そうか」

ミュゼ「そうそう!料理を教えてもらったお礼にミラにとっておきをプレゼントしてあげたのよ♪」

ガイアス「また何か余計なことをしたな」

ミュゼ「失礼ね、ちょっと睡眠薬を盛っただけよ」

ガイアス「俺がさっき言ったことと大して変わらんだろう!」

ミュゼ「今頃ルドガーはぐっすりでミラちゃんはオタオタしてるでしょうね~」

ミュゼ「見たかったわぁ♪」

ガイアス「……ちなみにこの弁当には何も盛ってはいまいな?」

ミュゼ「当たり前でしょう?」

ガイアス「まあ、料理に罪はない。そろそろ休憩だな」

ガイアス(ルドガー…強く生きろ)

ガイアスの好感度が上がった。
称号:男の宿命を手に入れた。



170: ◆wKarhnfzGE:2012/12/08(土) 23:08:19.90 ID:jFo7MkFR0

ルドガー「……あーすと…」

ミラ「…そろそろ飽きたわね」

ミラ(なんか王様の名前呼び出したし)

ミラ「ルドガー、そろそろ夕方よ」ポンポン

ルドガー「…ぅう」

ミラ「どんだけ寝てるのよ。いい加減起きなさい」

ルドガー「……ミ、ラ?」

ミラ「ええ、起きた?」

ルドガー「悪い…すっかり寝てたよ」ムクリ

ミラ「本当にね、いきなり膝枕をさせられて驚いたわ」

ルドガー「どうりで寝心地がいいと思った」

ミラ「こっちの身にもなりなさいよ」ジトッ

ルドガー「うっ…ごめん」

ミラ「ま、いいわ」

ミラ「……嬉しかったしね」

ルドガー「?」

ミラ「なんでもないわ!」

ルドガー「っていうか遅くなっちゃったな、隠し味はどうする?」

ミラ「問題ないわ」スッ

ルドガー「これは?」

ミラ「霊山の山頂にしか生えてない特殊な薬草よ」

ルドガー「薬草?」

ミラ「ええ、乾燥させてすりつぶした粉をかけると甘い香りがするの」

ルドガー「へぇ…」

ミラ「おまけに砂糖いらずなくらいに甘いし。エルが食べたら小躍りしちゃうんじゃない?」

ルドガー「それはすごいな」

ミラ「とにかく、この薬草があれば私のスープは完成するわ!」

ルドガー(……!)

ルドガー「…なあ」

ミラ「何?」

ルドガー「スープの話だけど──!?」

ミラ「どうしたの!?」

ルドガー「なんでここにアイツがいるんだ!?」

ミラ「あれって──シエナブロンク!?」



171: ◆wKarhnfzGE:2012/12/08(土) 23:50:29.03 ID:jFo7MkFR0

ルドガー「どうしてここに!?」

ミラ「知らないわよ!?」

ルドガー「今の俺達じゃ勝てないぞ!?」

ミラ「撤退しかないわね!」

ルドガー「くっ…!」

シエナブロンク「──ォォォォオオオオオ!!」

ルドガー「もう敵は戦闘態勢みたいだな」

ミラ「ええ」

ルドガー「ミラは先に逃げてくれ。俺が囮になる」

ミラ「馬鹿言わないで」

ルドガー「…大丈夫だ、俺は死なないよ」

ミラ「さっきから死亡フラグビンビンなんだけど?」

ルドガー(仕方ない……)

ルドガー「とにかく逃げることが最優先だ」

ルドガー「タイミングを合わせて一斉に逃げよう」

ミラ「ええ」

ルドガー「5秒後だ」チャキ

ミラ「了解!」カキン

シエナブロンク「──!」

ルドガー「──まずい!つっこんでくる!」

ミラ「行くわよ!」

ルドガー(だめだ!間に合わない!)

ルドガー(せめてミラだけでも!)ダキッ

ミラ「ちょ、ちょっとルドガー!?」

シエナブロンク「オオオオオオ!」ドドドドド

ルドガー「……ぐあっ!」グシャ

ミラ「ルドガー!?」

ルドガー「大丈夫…だ…早く逃げよう…」

ミラ「……っ!」タタタッ

ルドガー「はぁ…はぁ…ぐあっ」タタタッ

ルドガー(右腕が焼けるように痛む)

ルドガー(相当深く抉られたな…)

ルドガー(ミラには怪我がないみたいで良かった…)

ミラ(なにやってんのよルドガー!)

ミラ(私なんかのために傷ついて…馬鹿じゃないの?)

ミラ(あなたはこの世界の人間なんだから…私よりも優先されるべきでしょ…)



173: ◆wKarhnfzGE:2012/12/08(土) 23:59:43.87 ID:jFo7MkFR0

~ニ・アケリア参道~

ルドガー「…ここまでくれば大丈夫だろ」

ミラ「……」

ルドガー「怪我はないか?」

ミラ「…私のことより、自分の心配をしなさいよ」

ルドガー「俺は大丈夫だよ」

ミラ「嘘つき」

ルドガー「嘘じゃないさこれくらいなんてことない。もっと酷いケガをすることだってあるさ」

ミラ「下手したら死ぬところだったのよ!?」

ルドガー「でも生きてる」

ミラ「そういうことじゃないわ!」

ミラ「私は本来消える人間よ、もしも犠牲になるなら私でしょ?」

ルドガー「ミラは…死にたいのか?」

ミラ「そんなわけないじゃない!でも…あなたが死ぬくらいなら」

ルドガー「俺は嫌だ」

ミラ「えっ…?」

ルドガー「ミラは死んで欲しくない。大切な仲間だから」

ミラ「……」

ルドガー「もちろん、それだけじゃないんだけどさ」

ミラ「?」

ルドガー「…もう少しで夜になるし、トリグラフまで戻ろう」

ミラ「私は……」

ルドガー「ミラも来てくれないか?話したいことがあるんだ」

ミラ「…いいわ。その代わり、村で簡単な治療を受けてからよ」

ルドガー「ああ、わかった」

ミラ(どうしてルドガーはここまでして…私のことを…)

ミラ(私にそんな価値があるって言うの?)

ミラ(分からない…)

ルドガー(ミラが何を悩んでいるかはわからない)

ルドガー(だから俺にできることを、やるしかない)

ルドガー(その結果がどんなものになるにせよ)



174: ◆wKarhnfzGE:2012/12/09(日) 00:07:53.00 ID:HQcay2OB0

~トリグラフ駅~

ルドガー「やっとここまで着いたか…」

ミラ「随分かかっちゃったわね」

ルドガー「…ミラの治療が下手だったからじゃないか?」

ミラ「し、仕方ないでしょ!?誰かを治療するのなんて初めてなんだから!」

ミラ「だ、だいたいあんなに大怪我だったのになんで平気な顔してるのよ!」

ルドガー「ははは…」

ミラ「笑ってごまかすな!」

ルドガー「まあ、精霊術で綺麗に治ったんだし」

ミラ「…治ったといってもダメージは残るんだから、今日くらいは無理に動かさないことね」

ルドガー「わかってるよ」

ミラ「もう真っ暗じゃない、エルは大丈夫なの?」

ルドガー「俺が遅いからジュードの家に泊まるってさ」

ミラ「そ、ジュードなら安心でしょ」

ルドガー「…それはどうかな?」

ミラ「?」

ルドガー(さっきジュードからメールで『ルドガーはこんな素晴らしいことを毎日してたんだね!』ってきたんだが…)

ルドガー(エル…無事でいてくれ…)

ミラ「ねえ、そういえば話したいことってなんなの?」

ルドガー「もう少し待ってくれ」テクテク

ミラ「あ、ちょっと待ちなさいって」テクテク



175: ◆wKarhnfzGE:2012/12/09(日) 00:16:46.87 ID:HQcay2OB0

ミラ「ここって…あなたのマンションの前じゃない」

ルドガー「正確には公園だな」

ミラ「こんなところで何の用よ」

ルドガー「そこのベンチに座ろう」

ミラ「……?」ストン

ルドガー「よいしょ…っと」ストン

ルドガー「あそこにブランコがあるだろ?」

ミラ「?それがどうかしたの?」

ルドガー「あそこで俺はエルと『あいぼー』になったんだ」

ミラ「へえ」

ルドガー「だから此処は、俺にとって大切な場所なんだよ」

ミラ「…エルのこと、本当に大事なのね?」

ルドガー「ああ、大切な娘っていうか妹っていうか…」

ミラ「妹なら相当なシスコンじゃない」

ルドガー「ですよね」

ルドガー「とにかく、此処は俺の大切な場所で。だからこそ此処で俺は大切なことを言いたいんだ」

ミラ「大切なこと…ね」

ミラ「ねえルドガーひとつ訊いてもいい?」

ルドガー「ああ」

ミラ「生きる意味…使命って、あなたにはある?」

ルドガー「へっ?」

ミラ「私にはないわ」

ミラ「普段の生活がだんだんと狂っていって、終いには違う世界に飛ばされて」

ミラ「私に生きる意味なんてあるのかしら?」

ルドガー「それは…」

ミラ「こっちの世界の『ミラ』はどんなときでも使命を貫いていたって言っていたけど、私には使命がない。生きる意味もわからない」

ルドガー「……」

ミラ「そんな私がこの世界で生き続けて、何か意味があるのかしら?」

ルドガー「それが…ミラの悩みなのか?」

ミラ「悩みといえば…そうね。そうなのかもしれない」



176: ◆wKarhnfzGE:2012/12/09(日) 00:24:49.57 ID:HQcay2OB0

ルドガー「俺には生きる意味も使命もわからない」

ルドガー「ずっと流されて生きてきた」

ミラ「それでもあなたはそうすることを『選択』してきたじゃない」

ルドガー「そうだな」

ルドガー「でも俺も、ミラと同じだよ。いきなり色んなことに巻き込まれて混乱してる」

ルドガー「でも今まで、なんとかやってきた」

ミラ「…」

ルドガー「それは多分…エルのおかげだと思う」

ミラ「やっぱりそこに行き着くのね」

ルドガー「泣いて欲しくないんだ、エルに」

ミラ「…どうして?」

ルドガー「わからない。どうして他人のはずのエルをそう思うのかは、わからない」

ルドガー「だけど、それだけは変わらない。エルを泣かせたくないって気持ちだけは譲らない」

ミラ「あなたにも立派な使命、あるじゃない」

ルドガー「立派ってほどじゃない」

ミラ「それでもそんなものがあるなんて、正直羨ましいわね」

ルドガー「ミラにもあるだろ?使命」

ミラ「はっ?」

ルドガー「エルにスープをご馳走するんだろ?一番の」

ミラ「そんなこと?」

ルドガー「きっと難しいぞ。エルはファザコンだから」

ミラ「…ふふっ。バカね、あなたって」

ルドガー「結構真面目のつもりだったんだけど」

ミラ「だったら尚更よ」

ルドガー「だけど、一人じゃ無理かもしれない」

ミラ「あら、随分言ってくれるわね」

ルドガー「俺だって懇親の力作を二番って言われて多少は凹んでる」

ミラ「全然気が付かなかったわ」

ルドガー「それはともかく、さ」



177: ◆wKarhnfzGE:2012/12/09(日) 00:32:15.99 ID:HQcay2OB0

ルドガー「ミラの使命がそれじゃないなら…俺には思いつかない」

ルドガー「けれど、生きる意味なら作ってやれる」

ミラ「…えっ?」

ルドガー「最近、エル以外にも泣かせたくない人ができたんだ」

ルドガー「その人は一人ぼっちで懸命に生きて、生きる意味を探そうとしてる」

ルドガー「俺はそんな『彼女』のことを、支えてやりたいって思うんだ」

ミラ「っ!?」

ルドガー「ミラ、生きる意味がなくていい。使命もなくていい」

ルドガー「…俺のために生きてくれ」

ミラ「……随分な言い方ね、あなたらしくないじゃない」

ルドガー「ユリウスの受け売りだよ」

ミラ「あの人優しそうなナリして案外言うのね」

ルドガー「……」

ミラ「本気で言ってるの?」

ルドガー「ああ」

ミラ「今ならまだ、引き返せるわよ」

ルドガー「何度でも言うさ」
 
 
 
 

ルドガー「俺はミラが好きだ。だから俺の生きる理由になってくれ」
 
 
 
 




178:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/09(日) 00:39:48.80 ID:hMFkskmYo

えんだああああああああああああああああああ



179:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/09(日) 00:41:37.26 ID:mLHZlhoco

いやああああああああああああああああああああああ



180: ◆wKarhnfzGE:2012/12/09(日) 00:46:48.53 ID:HQcay2OB0

ミラ「バカでしょあなた…本当に、ばか…」フルフル

ルドガー「……」

ミラ「なんでよりによって私なのよ…ほかにもいたでしょ…」

ルドガー「ミラ以外は考えられないよ。俺はミラが好きなんだ」

ミラ「……私は分史世界のミラなのよ?」

ルドガー「俺にとっては今ここにいるミラが『ミラ』だ」

ミラ「…いつか、消えちゃうかもしれないのよ」

ルドガー「関係ない。ミラを消させない」

ミラ「……」

ルドガー「…答えを聞かせてくれ」

ミラ「私、は……」

ルドガー「……」

ミラ「──私も…あなたが好きよ、ルドガー…」ポロポロ

ルドガー「…!」

ミラ「ごめんなさい…なぜか涙が出ちゃって…」グイッ

ルドガー「…」

ミラ「でも、すごく満たされた気分…。受け入れられるのって、嬉しいのね」ニコリ

ルドガー「ああ、俺も嬉しい」

ミラ「これって、夢じゃないわよね?」

ミラ「実はあの時シエナブロンクにやられてて、死の間際に見てる甘い夢とかじゃないわよね?」

ルドガー「縁起の悪いことを言わないでくれ…」

ミラ「…ねえ、これが現実だって証明してよ」

ルドガー「へっ?」

ミラ「わ、私のことが好きなら、身体で証明しなさいよ///」

ルドガー「か、身体!?」

ミラ「そ、そういう意味じゃないわよ変態!?」

ミラ「だからその…こういうときってその…あるでしょ?///」

ルドガー「……ああ」ギュッ

ミラ「…あったかいわね」

ルドガー「ミラの手も」ギュッ

ミラ「あなたの手も」ギュッ

ミラ「…でも、これだけじゃないわよね?」

ルドガー「…っ、ああ」

ミラ「……っ」ズイッ

ルドガー「……」ゴクリ

ミラ「は、恥ずかしいから…早くして…」プルプル

ルドガー「ああ、行くぞ?」

ミラ「……んっ」チュッ

ルドガー「大好きだ、ミラ」

ミラ「…ええ、私も」



190: ◆wKarhnfzGE:2012/12/10(月) 19:30:01.99 ID:oLTkALVb0

ルドガー「…と、とりあえず、家に入らないか?」

ミラ「そ、そうね…あ、でも」

ルドガー「今夜は、ミラと二人で過ごしたい」

ミラ「し、仕方ないわね…」

ルドガー「行こう」スタスタ

ミラ「ええ」スタスタ


~マンションフレール三階 ルドガーの部屋~


ルドガー「ただいま」

ミラ「…おかえりなさい」ボソッ

ルドガー「えっ」

ミラ「べ、別にいいでしょ?私はあなたのか、彼女なんだから」

ルドガー「はは…そうだな。なら、ミラも」

ミラ「ええ…ただいま」

ルドガー「おかえり」

ミラ「なんかくすぐったいわね」

ルドガー「そうだな」

ミラ「ここにエルも入って…」

ルドガー「親子みたいだな」フッ

ミラ「なっ!?」

ルドガー「?」

ミラ「そんな恥ずかしいことよく言えるわね…///」

ルドガー「普通じゃないのか?」

ミラ「普通なわけないでしょ…」



191: ◆wKarhnfzGE:2012/12/10(月) 19:31:58.86 ID:oLTkALVb0

ガイアス「せい!とう!はあ!はあああああ!」バカドコバキボキゴキドコッ

ミュゼ「…気合入ってるわね~」

ガイアス「ふっ…さっきから注文が鳴り止まんのだ…ふんっ!」ドガァ

ミュゼ「なんでよ」

ガイアス「よほど憎らしい事があったのだろう。俺の働きでそれが静まるというのならばこれも立派な王の責務だ」ボキィ

ミュゼ「あなた壁殴ってるだけじゃない…」

ガイアス「最近は壁を殴る筋肉のない民も沢山居ると聞く。弱き民も救う…それが俺の使命だ!」ドゴオオオオ

ミュゼ「でもやってることは壁殴りよね」

ガイアス「民よ!金の問題は気にするな!俺に思う存分壁殴りを依頼するがいい!」ボゴォォォォォォォォォ

ミュゼ「ねえ、あなたが壁殴りたいだけじゃないの?」

ガイアス「何を言ってるかわからんな」キリッ

ミュゼ「キリッじゃないわよ」


ジュード(ふふふ…エルの髪を結わせてもらえるなんて…今日は最高の日だよ!)

ジュード(流石にお風呂は断られちゃったけど…)

エル「ふわああ…」

ジュード「もしかして眠い?」

エル「うん…」

ジュード「僕はまだ寝ないから、僕のベッドを使っていいよ」

エル「あふぅ…そうする~」

ジュード「おやすみ、エル」

エル「ん、おやすみ……すぅ」

ジュード(おっと、もう寝ちゃった)

ジュード(このままじゃ風邪ひいちゃうよね)バサッ

ジュード(毛布を掛けてっと)ソッ

ジュード「…ふふふ、おっと涎が」ジュルッ

ジュード(エルの寝顔は天使だね!)

ジュード「ってこんなことしてる場合じゃないや。早く研究成果をまとめないと…」

ジュード(そういえばルドガー、どうしたのかな?)

ジュード「後で電話してみよう…」



192: ◆wKarhnfzGE:2012/12/10(月) 19:33:43.38 ID:oLTkALVb0

ルドガー「…いいな」ズババババ

ミラ「へっ?」トントン

ルドガー「こうやって二人で台所にたつのって」

ミラ「…言われてみればそうね」

ルドガー「本当に夫婦になったみたいだな」クスッ

ミラ「そうね」

ミラ(もう照れたりしないわよ…)

ミラ「こんなふうに誰かと料理するなんて考えたこともなかったわ」

ルドガー「そうか?」

ミラ「まず相手がいなかったもの」

ルドガー「なら俺が最初ってことか」

ミラ「ええ、光栄に思いなさい」

ルドガー「ああ」

ミラ「ルドガーって本当に器用なのね」トントン

ルドガー「これくらいしか取り柄がないからな」ズババババ

ミラ「今だってものすごい勢いで野菜刻んでるし」

ルドガー「…っ!?」ザクッ

ミラ「ちょっなにやってるのよ!?」

ルドガー「怪我してるの忘れてた…」ドクドク

ミラ「調子に乗りすぎよ…全く…」

ルドガー「…ごめん」

ミラ(……)



193: ◆wKarhnfzGE:2012/12/10(月) 19:41:00.54 ID:oLTkALVb0

ミラ「ちょっと手、貸しなさい」

ルドガー「いいけど…」スッ

ミラ「…あむっ」パクッ

ルドガー「ちょ!?」ビクッ

ミラ「ん…んく…ちゅる、ちゅっ、ちゅっ…んんっ」

ルドガー(ミラが…俺の指を…!?)

ルドガー「お、おい、ミラ…!」

ルドガー(これはまずい!色んな意味で!)

ルドガー(ミラの舌が指を撫でてきて…なんというか…)

ミラ「ちゅ、ちゅるるっ…ん…はぁっ」

ミラ「こ、これで血は止まったんじゃない?///」

ルドガー「あ、ありがとう…でもなんでこんなことを?」ドキドキ

ミラ「サービスよ、サービスっ///」

ルドガー「…サービス?」

ミラ「色々よ!もう恥ずかしいから何も聞かないで!」

ルドガー「いや、恥ずかしいならやらければいいんじゃ…」

ミラ「…」ギロッ

ルドガー「料理をしよう!」アセッ

ミラ「素直にそうしなさい」



194: ◆wKarhnfzGE:2012/12/10(月) 19:45:51.05 ID:oLTkALVb0

ルドガー「ふぅ、ごちそうさま」

ミラ「ちょっと作りすぎちゃったわね」

ルドガー「美味しかったから問題ないよ」

ミラ「そうね」ニコッ

ルドガー「そろそろ風呂も沸くし、先に入ってきたらどうだ?」

ミラ「……」

ルドガー(この間は…まさか!)

ルドガー「一緒に入るのはダメだ!」

ミラ「私たちは付き合ってるんだし、それくらいはいいんじゃない?」

ルドガー「なんというか…まだ、ダメだ」

ミラ「…」

ルドガー「そういうことはやっぱり、俺たちの気持ちが通じ合ってるってはっきりわかった時にしよう」

ミラ「まだ気持ちが通じあってないってこと?」

ルドガー「まだ一日目だし…正直俺の心臓が持つかわからない…」

ミラ「…ヘタレ」

ルドガー「…うう」

ミラ「ま、いいわ。それなら先にお風呂頂くわね」スタスタ

ルドガー「ああ」


ルドガー(行ったか…ミラって思ったよりも大胆なんだな)

ルドガー(というか、多分こういうことに憧れもあったんだろうな)

ルドガー(…俺も、覚悟を決めないと)

ルドガー「流石に今日は無理だな…」ドキドキ


ミラ「…っ」サアアア

ミラ(やっぱり思ったより恥ずかしいわ…)

ミラ(でも私が見た書物にはこれでいいって書いてあったし)

ミラ(流石にここから先のステップは私からは無理ね)

ミラ「ルドガーのヘタレ…」ムスッ

ミラ(あなたなら、私の全てを捧げられるのよ?)



195: ◆wKarhnfzGE:2012/12/10(月) 19:50:46.86 ID:oLTkALVb0

ルドガー「んっ?」prrr

ルドガー「もしもし」ピッ

ジュード『あ、ルドガー。起きてた?』

ルドガー「ああ、そういえばエルの件はありがとうな」

ジュード『むしろこっちがお礼を言いたいくらい』

ルドガー「…エルに何かしたらジュードでも許さないぞ?」

ジュード『何かするわけがないよ!僕はアルヴィンと違って紳士なんだから!』

ルドガー「なんでアルヴィンが出てくるんだ?」

ジュード『…これは秘密だった。ゴメン、気にしないで』

ルドガー「…ああ」

ジュード『そういえばルドガー、遅くまで何をやってたの?』

ルドガー「それはミラと──」

ミラ「ねえ!バスタオルってどこにあるのかしらー!」

ルドガー「……」

ジュード『……今の声、ミラさん?』

ミラ「ルドガー?」

ルドガー「近くに畳んで置いてある…」

ミラ「ああ、あったわー!」

ルドガー(これは色々とアカン)

ジュード『色々と言いたいことはあるんだけど…』

ルドガー「…」



196: ◆wKarhnfzGE:2012/12/10(月) 19:54:06.47 ID:oLTkALVb0

ジュード『まずは、おめでとう』

ルドガー「えっ?」

ジュード『ミラさんの事、裏切らないでよ?』

ルドガー「…ああ」

ジュード『色々と複雑だけど…ミラさんが楽しそうなのは僕も嬉しいよ』

ルドガー「ジュード…」

ジュード『きっとミラさん、すごく不安だと思うんだ。だからルドガーが支えなきゃ!』

ルドガー「…相変わらず、気を遣い過ぎだ」

ジュード『気を遣ってないと僕じゃないよ』

ルドガー「…そうだな、ありがとう。ジュード」

ジュード『うん。…にしてもルドガー、本当に口リコンじゃなかったんだね』

ルドガー「当たり前だ!」

ジュード『口リコン仲間が減っちゃったのは残念かな?』

ルドガー「…はあ」

ジュード『とにかく明日はパーティだね!』

ルドガー「ぅぇっ!?」

ジュード『せっかくなんだからみんなに祝福してもらいなよ』

ルドガー「…そうだな。ミラも喜ぶと思う」

ジュード『…うん。それじゃあね』

ルドガー「ああ」ピッ

ミラ「…誰と電話してたの」フキフキ

ルドガー「ジュードだよ」

ミラ「まさかと思うけど…」

ルドガー「まあ…バレた」

ミラ「はあ…まあいいわ。どうせ隠してもすぐに気づかれることなんだし」

ルドガー「ああ。それで明日はみんなでパーティをするらしい」

ミラ「そ、そこまですること!?」

ルドガー「多分レイアあたりは嬉々としてやりそうな気が…」

ミラ「…やりかねないわね」

ルドガー「はは…。とにかく、俺は風呂に入ってくるよ」

ミラ「ええ」



197: ◆wKarhnfzGE:2012/12/10(月) 19:58:40.38 ID:oLTkALVb0

ルドガー「なあ、ミラ」

ミラ「なにかしら、ルドガー」

ルドガー「俺の部屋、ベッドが一台しかないんだ」

ミラ「…ユリウスの部屋は?」

ルドガー「鍵が閉まってる」

ミラ「……」

ルドガー「…ミラはベッドで寝てくれ」

ミラ「ルドガーはどうするのよ」

ルドガー「俺は床で寝る」

ミラ「寒いでしょ」

ルドガー「毛布がある」

ミラ「寝づらいでしょ」

ルドガー「そうでもないさ」

ミラ「空気読みなさいよ」

ルドガー「正直自分を抑えられるか自信がない」

ミラ「私は別に構わないわよ」

ルドガー「俺がダメなんだ」

ミラ「…だめ?」ウルッ

ルドガー「…無駄な知識をつけたな」

ミラ「ええ。書物の力ってすごいわね」シラッ

ルドガー「わかった。一緒に寝よう」

ミラ「本当に?」

ルドガー「ああ。俺も頑張ってみるよ」

ルドガー(あんな頼まれ方をしたらいくら演技でも抗えない…)

ミラ「それじゃ…」モゾモゾ

ルドガー「ああ」モゾモゾ

ミラ「狭いわね」

ルドガー「そうだな」

ミラ「いつもここでエルと寝てたの?」

ルドガー「ああ。一人で寝るのが怖いんだ、あいつ」

ミラ「そういうところは子供らしいのね」クスッ

ルドガー「はははっ」



199: ◆wKarhnfzGE:2012/12/10(月) 20:49:17.77 ID:oLTkALVb0

ミラ「落っこちそうね。…もう少し寄ってもいい?」

ルドガー「もちろん」

ミラ「ありがと」ギュッ

ルドガー「っ」

ミラ「ルドガーの手、暖かいわね」

ルドガー「ミラも結構、甘えん坊だな」

ミラ「…そうかもね。でもそうさせたのはあなたよ?」

ルドガー「ああ。だから存分に甘えてくれ」

ミラ「ええ、そうするわ」ダキッ

ルドガー「い、いやそれはっ」

ルドガー(この密着度合いは…きつい…)ドキドキ

ミラ「甘えていいんでしょ?」

ルドガー「くぅっ…」

ミラ「…本当に、ありがと。ルドガー」

ルドガー「…?」

ミラ「私は生きていたい。この世界で、あなたと一緒に」

ルドガー「…」

ミラ「消えたくないって、今までよりもっと思ったわ」

ルドガー「当たり前だ。絶対にミラを消えさせない」

ミラ「だから私は安心して眠れる。独りじゃないから」

ルドガー「…ああ」

ミラ「おやすみ、ルドガー」ギュー

ルドガー「おやすみ、ミラ」ギュッ



200: ◆wKarhnfzGE:2012/12/10(月) 21:05:15.28 ID:oLTkALVb0

ガイアス「むっ…!また俺の出番か」

ミュゼ「あなた出番食うから黙ってて」


ルドガー「…朝だ」ムクリ

ルドガー(結局昨日は何もなかった。断じて)

ルドガー(というか思ったよりも疲れが残ってたのか、俺もミラも直ぐに眠ってしまった)

ルドガー「…あれ?ミラ」バサッ

ルドガー「いない」スタスタ

ミラ「あら、おはよう」トントン

ルドガー「おはよう。もう起きてたのか」

ミラ「ええ。すぐに朝食ができるから待ってて」

ルドガー「俺も手伝おうか?」

ミラ「大丈夫よ。あとはサラダの盛りつけだけだし」

ルドガー「わかった」

ルドガー(エプロン姿で台所に立つミラ…ザ・新妻って感じだな)

ミラ「…ふぅ、これで出来上がりね」

ルドガー「朝食を作ってもらったのは久しぶりだ」

ミラ「そ、お口に合えばいいけど」

ルドガー「大丈夫だ。ミラの料理ならなんでも美味いさ」

ミラ「…ありがと」ニコリ


ルドガー「ごちそうさまでした」

ミラ「お粗末さま…ところで今日は何する予定なの?」

ルドガー「多分そろそろクランスピア社から仕事が来ると思うんだよな」

ミラ「最後のカナンの道標ね」

ルドガー(…なぜだろう、嫌な予感がする)

ルドガー「ま、今日はエルと一緒に──」prrr

ルドガー「もしもし」

アルヴィン『聞いたぜルドガー。おたくミラと付き合ってるんだって?』

ルドガー「情報が早いな」

アルヴィン『ああ。ついさっきジュードにあってさ』

ルドガー「そうなのか」

アルヴィン『ま、正直この展開はビックリしたぜ。いろんな意味で』

ルドガー「そうか?」

アルヴィン『おたくの知らない事情ってやつさ。まあ大したことじゃないんだけどな』

アルヴィン『それより今日のパーティのこと聞いてるよな?』

ルドガー「ああ」

アルヴィン『全員の予定を合わせたら今日のお昼になった』

ルドガー「はやいな」



201: ◆wKarhnfzGE:2012/12/10(月) 21:15:21.45 ID:oLTkALVb0

アルヴィン『結構無理矢理予定合わせたからな。つーわけでルドガーはミラ連れて昼にマクスバードに来てくれ』

ルドガー「ああ、わかった」

アルヴィン『他のやつにはもう俺から言っといたから』

ルドガー「色々とありがとう、アルヴィン」

アルヴィン『気にすんな。オッサンの優しさよ』

ルドガー「ははは…」

アルヴィン『んじゃ、そういうことで。また昼な』ピッ

ミラ「電話の相手はアルヴィンみたいね」

ルドガー「ああ、今日のパーティのことだってさ」

ミラ「本当にやるのね…」

ルドガー「やるんじゃないかとは思ってた」

ミラ「でも祝福されるのは…悪くないかも」

ルドガー「そうだな。この幸せを祝福してもらったら俺も嬉しい」

ミラ「ところでパーティっていつからなの?」

ルドガー「今日の昼だ」

ミラ「随分急ね」

ルドガー「みんなの予定が合わなかったんだ」

ミラ「ならあまりぐずぐずしてられないわね」

ルドガー「いや、まだ時間はあると思うけど」

ミラ「パーティなんだから私服はまずいんじゃない?」

ルドガー「そうか…?」

ミラ「さあ?」

ルドガー「うーん…」prrr

ミラ「服装の連絡じゃない?」

ルドガー「そうかもな…もしもし」

ヴェル『…分史世界対策室です。緊急にお知らせしたいことがあります』

ルドガー「……」

ヴェル『最後のカナンの道標に関してです』

ルドガー「!…わかった、すぐに行く」

ヴェル『お願いします』

ルドガー「ところで、それって昼までには終わるのか?」

ヴェル『…ええ、おそらく』

ルドガー「わかった」ピッ

ミラ「楽しい話じゃなさそうね」

ルドガー「クランスピア社からだ」

ミラ「ならさっさと行きましょう」

ルドガー「ああ」



215: ◆wKarhnfzGE:2012/12/11(火) 17:04:07.77 ID:U5rXaXhF0

~クランスピア社 エントランス~

ヴェル「きましたね」

ルドガー「ああ」

ヴェル「おや、余計な方がいるようですが」

ミラ「……」

ルドガー「…俺の仲間だ」

ヴェル「いえ、わかりました。社長室までお越し下さい」

ルドガー「…」コクリ

ミラ「最後の道標…どこにあるのかしらね」スタスタ

ルドガー「…ああ」スタスタ


~クランスピア社 社長室~

ビズリー「来たか、ルドガー」

ルドガー「…」

ビズリー「今日は仲間を連れてこなかったのか?」

ルドガー「話を聞くだけなら、俺だけでも大丈夫だ」

ビズリー「そうだな。そのほうがこちらもやりやすい」

ビズリー「しかし、彼女はいいのか?」チラリ

ミラ「…」

ルドガー「たまたま会ったんだ。別に一人くらい問題ないだろ」

ビズリー「ふっ…そうだな。では話すとしよう──」


ルドガー「それは、本当のことなのか?」

ビズリー「間違いない。最後のカナンの道標への道はミラ=マクスウェルによって妨害されている」

ルドガー「…」チラリ

ミラ「……」

ビズリー「それが意図的なのか事故なのかは判断がつかないが、彼女を何とかしなければどうにもならないだろう」

ルドガー「…どうすればいい」

ビズリー「今の時点では何とも言えない。そちらの方でもミラ=マクスウェルについて調べてくれ」

ルドガー「…わかった」スタスタ

ミラ「……」スタスタ



216: ◆wKarhnfzGE:2012/12/11(火) 17:09:39.95 ID:U5rXaXhF0

~トリグラフ~

ルドガー「ミラ…」

ミラ「ルドガーも気づいてるんでしょ?どうしてそんなことになったのか」

ルドガー「…クロノスがミラ=マクスウェルを次元の狭間に飛ばした」

ミラ「そして私がこの世界にやってきた」

ルドガー「…っ」

ミラ「この世界で同じモノは存在できない。つまり『ミラ』がこの世界に来れないのは…」

ルドガー「…ミラ」

ミラ「いいのよ。薄々わかってたんだから」

ルドガー「まだ、始まってもいないだろ…!」

ミラ「…そうね」

ルドガー「俺たち…これからじゃないのか?」

ミラ「……」

ルドガー「ミラ…」

ミラ「先に行っててくれるかしら」スタスタ

ルドガー「…わかった」

ミラ(私は……)ギリッ


ルドガー(多分この世界の『ミラ』がカナンの道標を塞いでいるのは事故だ)

ルドガー(こっちの世界まで戻ってくれば…全てがうまくいく)

ルドガー「俺が…ミラを諦めれば……そんな事…!」

ルドガー(でもミラを諦めなければ、みんなの思いを無駄にすることになる)

ルドガー(今まで壊してきた世界を、裏切ることになる…)

ルドガー「俺は…俺は──」

???「……」スッ

ルドガー「……?」

???「受け取れ」

ルドガー「誰だ…?」

ルドガー(仮面…?)

仮面の男「救いたいのだろう?」

ルドガー「……」

仮面の男「俺は誰よりもお前を知ってる」

仮面の男「だからこそ、お前はこれを手にしなければならない」

ルドガー「…」カチャリ

ルドガー(…ナイフ?)

仮面の男「忘れるな。選択は無限だ」スウッ

ルドガー(誰だったんだ…?)



217: ◆wKarhnfzGE:2012/12/11(火) 17:13:39.57 ID:U5rXaXhF0

ミラ「…最低ね、私」

ミラ(ルドガーにあんなことを言って…)

ミラ(いつかこの時が来るのはわかってた…けど)

ミラ(どうしてよ…どうして…まだなにも…)

ミラ「…どうすればいいのよ」

ミラ(この幸せを…享受することすら許されない…)

ミラ(…この世界の神は、随分と嫌な奴ね)トンッ

ジュード「ミラさん?」

ミラ「…ジュード?」

ジュード「こんなところで会うなんて…ルドガーは一緒じゃないの?」

ミラ「ええ…ちょっと」

ジュード「もしかしてケンカ!?」

ミラ「いえ、そういうのじゃないのよ…ちょっと色々あって…」

ジュード「よかったら僕にも話してくれない?」

ミラ「…そうね。さっき──」


ジュード「そんなことが…」

ミラ「……」

ジュード「ミラさんはどうするつもりなの?」

ミラ「わからないわ」

ジュード「…」

ミラ「きっと少し前の私なら自棄になってたでしょうね」

ジュード「今は、違うんだよね?」

ミラ「…そうね」

ジュード「ルドガーと話してきなよ。一緒にいるだけでいいから」

ミラ「…?」

ジュード「そういう時ってさ、不安で嫌な方向にばっかり考えちゃうよね。僕もそんな時があったんだ」

ジュード「その時はレイアが傍にいてくれて、ずっと慰めてくれた」

ジュード「だから今、こうして僕がいるんだ」

ミラ「…」

ジュード「僕はミラさんとルドガーが決めた答えなら従うよ。ミラの事だってなんとかしてみせる」



218: ◆wKarhnfzGE:2012/12/11(火) 17:16:57.58 ID:U5rXaXhF0

ミラ「…そういえばジュードって、私のことはミラさんって呼ぶのね」

ジュード「うん。だってミラとミラさんは違う人だから…」

ミラ「違う人…ね」

ジュード「悪い意味で言ってるんじゃないよ?」

ミラ「分かってるわよ。…ありがとね、ジュード」

ジュード「ううん、僕なんかで役にたてたなら」

ミラ「あなたの事、『ミラ』が好きになったの、わかる気がするわ」

ジュード「へっ?」

ミラ「なんでもない。それじゃあね」スタスタ

ジュード「あっ待って!」

ジュード「今日は中止になっちゃうけど…」

ミラ「?」ピタッ

ジュード「今度はパーティ、やろうね」ニコリ

ミラ「…わかったわ」スタスタ

ジュード(今日のこと、みんなに相談してみよう)カチカチ


ルドガー「…もしもし」ピッ

ローエン『もしもし、ルドガーさんですか?』

ルドガー「ああ」

ローエン『色々あったみたいですね』

ルドガー「聞いてたのか?」

ローエン『ええ、ジュードさんから』

ルドガー(ミラが話したのか…?)

ローエン『今日のパーティは中止になるそうです』

ルドガー「…ごめん、俺のせいで」

ローエン『ルドガーさんのせいではありませんよ』

ルドガー「明日は調印式だろ?そんな時にスケジュール引っ掻き回してごめん…」

ローエン『大丈夫です。これくらいジジイにはどうってことありませんよ♪』

ルドガー「ありがとう…」

ローエン『はい、今日はゆっくりお休みください』ピッ

ルドガー(家に帰ろう…もしかしたらミラがいるかもしれない)

ルドガー(でもミラに、なんて言えばいいんだ?)



219: ◆wKarhnfzGE:2012/12/11(火) 17:28:21.38 ID:U5rXaXhF0

ルドガー「ただいま」ガチャ

ミラ「おかえりなさい」

ルドガー「…ってミラ!?」

ミラ「何よそんなに驚いて」

ルドガー「いや、エプロン姿でお出迎えされたら普通驚かないか?」

ミラ「そう?」フリフリ

ルドガー「……」ゴクリ

ミラ「レイアから借りたんだけど似合ってるかしら?」

ルドガー「ああ、すごく」

ミラ「ふふ…」ニコッ

ルドガー「でも突然、どうして…?」

ミラ「せっかく恋人になったんだから、こういうのもやってみたかったのよ」

ルドガー「はぁ…」

ミラ「…今日が多分、最後になるだろうから」ボソッ


エル「ただいまー!」ガチャ

ルドガー「おかえり」

ミラ「おかえりなさい」

エル「あ、ミラ!」トテテ

ミラ「お邪魔してるわよ」

エル「いいよ!ミラはルドガーのコイビトなんでしょ?」

ミラ「…知ってたの?」

エル「うん!ジュードから聞いた!」

ルドガー「…だよな、エルだけ知らないわけないか」

エル「ルドガーはカイショーナシだけど、仲良くしてあげてね」

ルドガー「……」

ミラ「勿論よ」ニコリ

ルドガー(複雑だ…)

エル「ルドガーも良かったね!これでろりこんって思われないよ」

ルドガー「…そうだな」

ミラ「え?どういうこと?」

エル「ルドガー、ろりこんが嫌だったんだって」

ミラ「口リコンだったの?」ギロッ

ルドガー「口リコンと思われるのが嫌だったんだ!」アセッ

ミラ「…ならいいけど」

エル「二人ともコイビトっぽいね」

ルドガー「いまのやりとりが?」

エル「エリーゼのマンガに似たようなお話があったよ」

ミラ「へぇ、ちょっと見てみたいわね」



220: ◆wKarhnfzGE:2012/12/11(火) 17:36:42.42 ID:U5rXaXhF0

エル「ラブラブカップル!」

ルドガー「恥ずかしいからやめろ!」

ミラ「いいじゃない、事実なんだから」

ルドガー「ミラまで…」

エル「ねールドガー!エルお腹すいた!」

ルドガー「もうそんな時間か…あ、そうだ」

ミラ「今日は私が──」

ルドガー「今日は俺とミラが作るぞ」

エル「ほんと?」キラキラ

ミラ「ちょっとルドガー?」

ルドガー「今日はエルのお父さんを越えるスープを作ってやる」

ミラ「!」

エル「それは絶対ムリですーっ」

ルドガー「無理じゃないですー」

エル「エルのマネしないで!」プイッ

ルドガー「はははっ」

エル「もールドガーチョーシのりすぎ!」

ミラ「ふふっ」


ミラ「本当に作るの?」

ルドガー「ああ。いい機会だろ?」

ミラ「…そうね、ここで作っておかないと後悔しそうだし」

ルドガー「ああ。思い立ったが吉日だ」

ミラ「じゃ、ちゃっちゃとやりましょ」

ルドガー「おう!」

ミラ「また指切ったら、舐めてあげるわ」ニコッ

ルドガー「いや、それは結構です…」



221: ◆wKarhnfzGE:2012/12/11(火) 17:46:56.59 ID:U5rXaXhF0

ルドガー「出来たぞ」

ミラ「私たちの魂の一品よ!」

エル「おおー!」

ルドガー「おかわりは沢山あるからな」

エル「いただきまーす!」

ミラ「召し上がれ」

エル「んっ…」コクコク

ルドガー「……」ドキドキ

ミラ「……」ドキドキ

エル「おいしい!これちょーおいしいー!」

ルドガー「…!」

ミラ「やった!」

エル「どうやって作ったの!?これちょーおいしいよ!」

ルドガー「俺たちの愛の結晶だ」

ミラ「ちょ、ちょっと変な言い方しないでよ」

ルドガー「さっきのお返しだ」ニヤッ

エル「エルこんな美味しいスープはじめ──あっ」

ルドガー「…」ニヤニヤ

ミラ「…」ニヤニヤ

エル「ぅーっ」

ミラ「で、もちろん一番美味しかったわよね?」

エル「それはそのー」

ルドガー「さっきの言葉、最後まで言ってほしいな」

エル「…もー!二番だよ!パパの方が美味しかったもん!」

ミラ「…ふふっ」

ルドガー「…はははっ」

エル「な、なんで笑うのーっ!」

ルドガー「エルが可愛いからですー」

ミラ「そうね」クスッ

エル「またマネした!バカにしないでよーもー!」プイッ

ルドガー「そんなもーもー言ってると牛になるぞ」

エル「なりませんー」

ミラ「二人ともそのへんにしなさいよ、ご飯の途中でしょ」

ルドガー「はい…」

エル「はーい…」

ミラ(なんか、本当の家族みたいね…)

ミラ(やっぱり私は…)



223: ◆wKarhnfzGE:2012/12/11(火) 17:55:34.90 ID:U5rXaXhF0

ルドガー「ふーっ」ドサッ

ミラ「疲れたわねー」ドサッ

ルドガー「そういえばエルは?姿見かけないけど」

ミラ「さっきルルと出かけたわよ。夕方には帰るって」

ルドガー「そっか…じゃあまた二人きりだな」

ミラ「そうね」

ルドガー「何かするか?」

ミラ「こうやってくっついているだけでいいわ」

ルドガー「そうか?」

ミラ「ええ、これだけで十分幸せよ」

ルドガー「確かに」

ミラ「でしょ?だから夕方までこうやってのんびりしましょ」

ルドガー「そうだな…」

ミラ「…」ギュッ

ルドガー「…」ギュッ

ミラ「人のてのひらって暖かいわ」

ルドガー「ミラの手はぷにぷにしてるな」

ミラ「なんかいやらしいわね、その言い方」

ルドガー「…」

ミラ「…ねえ」

ルドガー「どうした?」

ミラ「前に生きる意味とか、使命の話をしたじゃない?」

ルドガー「ああ」

ミラ「私の使命…分かったわ」

ルドガー「そっか。聞かせてくれるか?」

ミラ「ええ。私の使命は…ルドガーとエルを、幸せにすること」

ルドガー「…」

ミラ「二人にずっと笑顔でいて欲しい、それが私の使命よ」

ルドガー「そうか…それは難しいな」

ミラ「ええ、難しいわ。ずっと笑顔なんて」

ルドガー「でもやるんだろ?」

ミラ「ええ、例えどんなことがあっても、私はあなたたちを幸せにする」

ミラ「そう、決めたわ」

ミラ(だから…『私』は今日限り)

ミラ(最高の結末を迎えるためには、私が消えればいい)

ミラ(そのための覚悟は…もう出来たわ)



224: ◆wKarhnfzGE:2012/12/11(火) 18:02:55.77 ID:U5rXaXhF0

ルドガー「そうか…なら俺もミラとエルを幸せにしなきゃな」

ミラ「ええ。幸せにして」

ルドガー(ミラ…俺も覚悟を決める)

ルドガー(──ミラを諦めない。どんな事があっても)

ルドガー(ミラを消させはしない──!)

ミラ「ねえルドガー」

ルドガー「…?」

ミラ「やっぱり、少し怖いの」

ミラ「あなたが私を本当に好きなのか」

ルドガー「それは…」

ミラ「わかってるわ。けれど、それでもよ」

ルドガー「……」

ミラ「だから、証明して。私を…愛して」

ミラ(ほんの少しだけ、あなたの勇気を私に分けて)

ミラ(ルドガーとの繋がりがあれば──死ぬのだって怖くない)

ルドガー「…ああ、わかった」スッ

ミラ「ルドガー……んぅ、ちゅ…んっ…」


エル「またただいまー」ガチャン

ルドガー「ああ、おかえり」

ミラ「おかえりなさい」

エル「ルルとネコ集会やってた!」

ルドガー「そっか、楽しかったか?」

エル「ルルってすごいんだねー」

ルドガー「ははは…」

ミラ「もうすぐ夕食できるから手を洗ってきなさい」

エル「はーい…なんかルドガーいい匂いする?」

ルドガー「」ビクッ

エル「もうおフロ入ったの?」

ルドガー「あ、ああ。ちょっと汗かいちゃって…」

ルドガー(あ、汗はかいたからな…嘘はついてない)

エル「ふぅーん」トテテ

ルドガー(危なかったな…)


ガイアス「むっ!仕事か!?」

イバル「頼む!俺の貯金全部をつぎ込む!ありったけの壁を殴ってくれ!」

ガイアス「任せろッッ!!」



225: ◆wKarhnfzGE:2012/12/11(火) 18:15:54.97 ID:U5rXaXhF0

ミラ「…」チュルッ

ルドガー「…」ゴクゴク

エル「…」モグモグ

エル「なんで二人とも目そらしてるの?」

ルドガー「んぐっ!?…ごほっごほっ」

ミラ「えっ///いや、それはその///」

エル「あやしー」

ルドガー「な、なんでもないから!」

ミラ「本当に何でもないわよ!?さっきの行為が後を引いてちょっと気まずくて顔を合わせられないとかじゃないわよ!?」

ルドガー「ちょっ!?」

エル「コウイ…?」

ルドガー「本当に何でもないから!な?このナップルラーメンうまいだろ?」

エル「んー」

ミラ「ほ、ほんとうになんでもないから、ね?」

エル「…仕方ないなぁ」

ルドガー「…ほっ」

ミラ「危なかったわ」

ルドガー「いや、ミラが自爆したせいじゃ…」

ミラ「う、うるさいわね!」



226: ◆wKarhnfzGE:2012/12/11(火) 18:23:20.39 ID:U5rXaXhF0

エル「ふーいい湯だったー」ポカポカ

ミラ「おっさんくさいわね」

エル「ルドガーがよくやってるよ?あとパパもやってた!」

ルドガー「はは…」

ミラ「そろそろいい時間ね」

ルドガー「寝るか」

エル「今日は三人で寝れる!」

ルドガー「いや、サイズ的に厳しいんじゃ」

ミラ「ぴったりくっつけば大丈夫よ」

ルドガー「…そうだな」

エル「エル真ん中ー!」ボフッ

ミラ「私は右ね」ゴソゴソ

ルドガー「俺は左か」ゴソゴソ

エル「今日は寂しくないね」

ルドガー「ああ」

ミラ「ええ」

エル「なんか本当の親子みたいだね、エルたち」

ルドガー「確かに、そうかもしれないな」

エル「ルドガーがパパなのはちょっとなー」

ミラ「ふふふっ」

ルドガー「俺は一生エルのパパに勝てそうにないな」タジッ

エル「でも今だけはパパでもいいよっ」

ルドガー「それは光栄だ」

ミラ「今日限定の家族ね」

エル「うん…ふわああ」

ルドガー「眠いなら無理するなよ」

エル「…んー……zzz」

ミラ「寝つきいいわね…」

ルドガー「疲れたんだろ」

ミラ「…私ももう眠くなってきたわね」

ルドガー「ああ…俺もだ…」

ミラ「…すぅ」

ルドガー「…いつか…本当の家族に…」



227: ◆wKarhnfzGE:2012/12/11(火) 18:28:55.41 ID:U5rXaXhF0

ルドガー(そして時間は流れるように去っていった)

ルドガー(アーストからの電話でアルクノアの襲撃予告を知る)

ルドガー(俺たちはアルクノアの襲撃を阻止するためにアルヴィンの友人のマルコの手引きで旅船ペリューンに乗り込んだ)

~旅船ペリューン~

ミラ「時間がないわ、強行突破でいきましょ!」シャキン

ルドガー「ああ!」チャキ

ルドガー「──はああ!」

ミラ「せいっ!」

アルクノア「ぐああ…っ!」ガクッ

ジュード「息ぴったりだね、二人とも」

アルヴィン「俺はそのノリ厳しいものがあるねぇ」

エル「アルヴィンはオジサンくさいー!」タタタッ

アルヴィン「お、言ってくれるなこのやろ!」タッタッ

ジュード「二人とも緊張感がないよね…」

ルドガー「ま、あれくらいの方が俺もいい感じに緊張が緩むよ」

ミラ「確かにね」

ジュード「二人とも、もう大丈夫なの?」

ルドガー「ああ、大丈夫だ」

ミラ「ええ、昨日は迷惑かけたわね」

ジュード「ううん、二人が元気になったなら良かったよ」

アルヴィン「おーい!」

ジュード「どうしたの?」

アルヴィン「アルクノアが相当やらかしたみたいだな。あちこち死体だらけだぜ」

エル「…かわいそう」

ミラ「…!この人まだ生きてるわよ」

ジュード「本当!?」

男「はぁ…たすかりました…」ペコリ

ジュード「いえ、すみませんがここからは自分で戻れますか?」

男「ああ、大丈夫です…」

ジュード「向こうは兵士もいませんし、身を隠すには十分だと思います」

男「本当に色々とありがとう…」スタスタ

アルヴィン「どうやらまだ生き残りもいるみたいだな」

ルドガー「…助けよう」

ジュード「そうだね」

アルヴィン「ただあんま時間も無いからな。30分だ」

ミラ「ええ、そのあたりが限度でしょうね」

アルヴィン「俺たちの目的はあくまでマルシア宰相の救出だ」

ルドガー「わかってる…行くぞ!」グッ

全員『おー!』



228: ◆wKarhnfzGE:2012/12/11(火) 18:34:49.51 ID:U5rXaXhF0

~旅船ペリューン 中央甲板~

アルヴィン「怪我人も全員救出できたみたいだし、万々歳だな」

ジュード「後はマルシア宰相だけだよ!」

ミラ「おそらくこの扉の中ね」

ルドガー「いくぞっ!」バタン

リドウ「おっと、遅かったじゃないか」

マルシア「近づいてはいけません!」

リドウ「余計な発言はお控えを」ガシッ

ジュード「リドウさん…なんであなたが!?」

リドウ「マクスウェルの召喚を手伝ってやろうっていうのに、そんな顔するなよ」キュイイン

リドウ「──ふんっ!」シュンッ

アルヴィン「っ!?」ズサッ

ジュード「ふっ!!」シュン

ルドガー「くっ」チャキッ

エル「きゃっ!」

ミラ「エルっ!」サッ

リドウ「はあああ!」ザンッ

ルドガー「くっ…!」キィン

リドウ「はあ…!」ダンッ

ルドガー「ぐあっ…」

ミラ「──はっ!」

ジュード「せいっ!」

リドウ「ふんっ!」サッ

アルヴィン「だああ!!」

ミラ「はぁ…っ」

ミラ「マクスウェルの召喚?」

ジュード「くうっ!」

リドウ「我が社には、その術式があるんだよ」

アルヴィン「ぐっ…!」バァン

アルヴィン「ハッタリにしちゃ、三流だな──うおっ!」ドサッ



229: ◆wKarhnfzGE:2012/12/11(火) 18:45:07.15 ID:U5rXaXhF0

リドウ「クランスピア社が、マクスウェルを最初に召喚した人間、クルスニクが興した組織でも?」ゲシッ

ルドガー「──なっ!?」

ジュード「ぐうっ」

リドウ「条件はやかましいんだが、まず必要なのは」ギリギリ

リドウ「生体回路──」ドンッ

ジュード「ぐあっ!」ドサッ

アルヴィン「なっ!?」キュイイイイン

ジュード「しまった!?」キュイイイイン

ミラ「っせええい!」キィン

リドウ「ふんっ」カキィン

ミラ「きゃっ」

リドウ「で、隠し味は──」スタッ

ミラ「──!?」キュウウン

リドウ「生け贄だ」

ルドガー「なっ!?」

ミラ「きゃあああっ──!」

ルドガー「!」ダダダダッ

ルドガー(間に合え──!)キィィィン

ルドガー「ぐううっ!」ガシッ

ミラ「ルドガー…」

エル「ルドガー!ミラ!」

ジュード「リドウーっ!!」ギロッ

リドウ「素直になれよ…ジュード・マティス」

リドウ「会いたいだろ、愛しのマクスウェル様にさ」ニヤリ

エル「このぉ!このぉ!」キィン!キィン!

エル「これ、とめてよっ!」キィン

リドウ「大人気だね、ニセ者」

ミラ「…エル──」

エル「ニセ者じゃないし!」

エル「ミラは……ミラだよ!」



230: ◆wKarhnfzGE:2012/12/11(火) 19:39:47.54 ID:U5rXaXhF0

リドウ「あっそ」ドンッ

エル「きゃあっ!」ドサッ

ミラ「エルっ!」

ルドガー「!」

ルドガー「…くぅっ」

ルドガー(このままじゃエルが…!)

ルドガー(だけど…この手を離せば…ミラは…!)

ミラ「離して!このままじゃ……」

エル「あきらめちゃダメ、ミラー!──ぐぅっ」ギリギリ

リドウ「お前は諦めろ」スッ

ルドガー(俺は…俺は…!)

ルドガー(でも離さないとエルが…!)

ルドガー(…っ)

ルドガー「それでも、離さない!」

ミラ「やっぱり──ルドガーはそう選択するのね」

ミラ(わかっていた。きっとルドガーは私を助ける)

ミラ(だから──)

ミラ「エルを──救ってあげて──!」パシン

ルドガー(……!)


ジュード「諦めちゃダメだあああああああああああ!ルドガーああああああああああああああああああ!」


ルドガー「!」

ルドガー(そうだ…!決めたんだ!)

ルドガー(ミラは誰にも、消させない!!)

ルドガー「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!」ガシッ

ミラ「ルドガー…!?」

リドウ「おい、おいおい」

リドウ「そこは離せよ、どんだけ諦めが悪いんだよお前」

リドウ「まあいい、ならこいつを殺す──」スッ



231: ◆wKarhnfzGE:2012/12/11(火) 19:50:15.38 ID:U5rXaXhF0

ガイアス「──ならばお前こそ、こんな下らんことを諦めるといい」


レイア「ミラを殺させはしないよ!」


エリーゼ「もちろん、エルもです!」


ローエン「全く、少々おイタが過ぎますね!」


ミュゼ「私の大切なミラちゃんに手を出すなんて、いい度胸してるじゃない!」


ルドガー「!?」

ガイアス「魔神拳─!」ドガアア

リドウ「ちっ…わらわらと」タンッ

アルヴィン「お前ら…!」

ジュード「良かった…間に合ったんだね…」

エリーゼ「ルドガーはミラを連れて下がってください!」

レイア「リドウは私たちが引き受けるよ!」

ローエン「お灸を据えるとしましょう!」

ミュゼ「今回は加減ができないわよ──!」

ガイアス「壁殴りで鍛えられた拳、受けるがいい!」

ルドガー「ミラ!」

ミラ「ええ…!」

ルドガー「今のうちにエルたちを助けよう!」

ミラ「」コクリ



リドウ「くっ…!さすがはリーゼ・マクシアの王か…!」

ガイアス「引け。お前の計画はもう失敗だ」

リドウ「チッ…まあいい。後悔するのはお前らだ」シュッ

エリーゼ「ジュード!アルヴィン!大丈夫ですか?」

ジュード「うん…なんとか」

アルヴィン「俺の方も大丈夫だ」

レイア「あんな脅すようなやり方許せないよ!」

ルドガー「でも…どうして?」

ミュゼ「さっきジュードからガイアスに電話があったのよ」

ローエン「アルクノアの狙いは旅船ペリューンと」

ガイアス「念の為に援護に向かったら先ほどの現場に立ち会ったということだ」

ミラ「そうだったのね…」

ジュード「はは…ミラさんもエルも無事でよかった」

ローエン「マルシアさんも特に怪我はしていないようです。先ほど護衛を付けて帰りましたよ」



232: ◆wKarhnfzGE:2012/12/11(火) 20:07:58.45 ID:U5rXaXhF0

アルヴィン「最悪の事態は避けられたみたいだな」

エル「ミラ…だいじょうぶ?」

ミラ「ええ、私は大丈夫。エルの方こそ痛くない?」

エル「痛くないよ…ミラのためだもん!」

ミラ「ありがとう…」ナデナデ

ルドガー「言ったろ?ミラを消えさせはしないって」

ミラ「…でも、そのせいで」

ジュード「ミラのことなら気にしてないよ」

ミュゼ「他にも方法があるはずよ」

レイア「ミラの為にミラが死ぬなんて間違ってるよ!ってなんかこんがらがってきた」

ティポ「レイアってバカだねー」

レイア「ちょ!今まで喋らないと思ったら!」

ガイアス「ミラを救う方法はこちらで探そう。だからお前が気に病むことではない」

ミラ「…」

ルドガー(…でも、リドウはまた狡猾にミラを殺しに来るかもしれない)

ルドガー(その時いつでも俺がそばにいるとは限らないんだ)

ルドガー(もしかしたらミラが自分からそれを望むかもしれない…)

ルドガー(そうなる前に…なんとかしないと…)トクン

ルドガー(…熱い)ゴソゴソ

ルドガー「これは…!」ドクドク

ルドガー(仮面の男から受け取ったナイフ?)

ミュゼ「ルドガー!?どうしてそれを!?」

ルドガー「えっ?」

エリーゼ「ミュゼ?どうかしたんですか?」

ミュゼ「それは初代マクスウェルの次元刀よ!」

ルドガー(これって刀だったのか…)

ジュード「次元刀ってまさか…!」

アルヴィン「おい、こりゃいけるんじゃねーのか!?」

ミラ「…うそ、どうしてそれを…?」

ルドガー「ミラ、これは何なんだ?」

ミラ「名の通り、次元を裂く刀よ」

ルドガー「…!」



233: ◆wKarhnfzGE:2012/12/11(火) 20:37:53.98 ID:U5rXaXhF0

ミュゼ「しかも私のものよりも何倍も強いマナが込められているから…!」

レイア「もしかしてミラを救えるの!?」

ローエン「ええ!」スタスタ

ガイアス「…ふっ、思わぬところに幸運が転がっていたな」スタスタ

ルドガー(…これで、解決したのか?)ゾロゾロ

ルドガー(こんなにあっさり?)

ルドガー(これで、いいのか?)

仮面の男「──いいんだ」

ルドガー「!?」

仮面の男「悪いが黙っててくれ。あまり他の奴に見られたくはない」

ルドガー「……」

仮面の男「よく諦めなかったな」フッ

ルドガー「お前──あの時の!?」ボソッ

仮面の男「この平凡でご都合主義でつまらない…幸せな終わりは、お前が諦めなかったからこそ掴めたんだ」

ルドガー「……」

仮面の男「これから先もお前には試練が訪れるだろう。しかし今のお前ならばどんな『選択』も乗り越えられるだろう」

ルドガー「…誰なんだ?」

仮面の男「かつて同じように『彼女』を愛し、しかし『彼女』を救えなかった男だ」

ルドガー「……!」

仮面の男「お別れだ」

ルドガー「お前は──!」

仮面の男「──ハッピーエンドの用意は出来たか?ルドガー・ウィル・クルスニク」スウッ

ルドガー「……」



234: ◆wKarhnfzGE:2012/12/11(火) 20:42:46.02 ID:U5rXaXhF0

ミラ「ルドガー?」

ルドガー「なんでもない、すぐに行く!」


~次元の裂けた丘~

ルドガー「ここで次元刀を使えばいいのか?」

ミュゼ「ええ」コクッ

ルドガー「わかった…ってちょっと待ってくれ」

エル「どうしたの?」

ルドガー「このままミラ=マクスウェルを復活させても大丈夫なのか?」

ミラ「あ…」

ジュード「考えたんだけど、多分大丈夫なんじゃないかな?」

レイア「んーっと、この世界のミラは精霊の主だよね」

エリーゼ「ミラは精霊の主なんですか?」

ミラ「私?」

エリーゼ「はい」

ミラ「違うわよ。私はマクスウェルから作り出された人間よ。四大も召喚できないし」

ジュード「やっぱり…」

アルヴィン「おいおい、俺たちにもわかるように教えてくれよ優等生」

ローエン「ここまで仰られたらわかると思うのですが…」

ガイアス「…つまり、どちらのミラも違う存在ということか」

ミュゼ「確かに、精霊と人間じゃ存在自体違うものになるわね」

ルドガー「ならなんでミラ=マクスウェルはこっちに戻ってこれないんだ?」

ミュゼ「多分人間として顕在しようとしたからじゃない?」

ジュード「そっか。人間はミラさんがいるから顕在できなかったけど…」

アルヴィン「次元刀を使って精霊としてこっちへ来れば…!」

レイア「二人のミラが存在できるってことだね!」

ジュード「でもこれはあくまで理論上の話だから…最終的にはミラさんとルドガーが決めないと」



235: ◆wKarhnfzGE:2012/12/11(火) 20:50:08.79 ID:U5rXaXhF0

ルドガー「…」

ルドガー(もしかしたらミラが消えてしまうかもしれない…そんな賭けをしてもいいのか?)

ルドガー(あの男のようになってしまうんじゃないか?)

ミラ「…やりましょ、ルドガー」

ルドガー「いいのか?」

ミラ「ええ。だってルドガーが助けてくれるでしょ?」

ルドガー「…!ああ、絶対に助ける」

ルドガー(ミラを信じよう…!)

ルドガー(それが今の俺に出来る最高の選択だ)

ミラ「なら、安心ね」

ミラ(ルドガー。あなたの想いを知って、もう死ぬなんて思わない)

ミラ(きっと成功する…だから…!)

ミラ「お願い、ルドガー!」

ルドガー「うおおおおおおおお!!!」ザシュッ

ルドガー(頼む!)

ミラ(お願い!)

二人(奇跡を──!!)
 
 
 
「──ありがとう、二人共。助かった」
 
 




236: ◆wKarhnfzGE:2012/12/11(火) 20:55:34.93 ID:U5rXaXhF0

~数日後 ニ・アケリア ミラの家~

正史ミラ「ふむ、これはこうか?」ザクッ

ミラ「全然違うわよ!…なんで同じ『私』なのにこんなに出来が悪いの…」

正史ミラ「仕方ないだろう。私は食べる専門だったのだ」パクッ

ミラ「つまみ食いしない!」

正史ミラ「む、すまない…腹が減って」ジュルリ

ミラ「こんなので本当にジュードのお弁当なんて作れるのかしら…」

正史ミラ「辛いが、やるしかないな」

ミラ「そう、ならもう一度。包丁の使い方から──」


正史ミラ「完成だ!」テッテケテーン

ミラ「つかれた…」グテー

正史ミラ「ありがとう、助かったよ」

ミラ「いいわ、焚きつけたのは私だし」

正史ミラ「まさか出会って早々に恋の相談をさせられるとは思わなかったよ」

ミラ「あなたも使命とやらが済んだら向こうに帰るんでしょ?」

正史ミラ「そうなるだろうな」

ミラ「なら今のうちにジュードとの思い出を作っておかないと」

正史ミラ「そういうものなのか?」

ミラ「あなたずっと私のこと、見てたんでしょ?」ジトー

正史ミラ「うむ。ルドガーといる時のキミはとても幸せそうだったな」

ミラ「そういう事。ジュードのことが大切なら尚更よ」

正史ミラ「…そうだな。大切な『私』の助言だ。聞くことにしよう」

ミラ「ええ。きっとあなたにも私の気持ちが分かる日が来るわ」

正史ミラ「ところで時間はいいのか?待ち合わせがあったのだろう?」

ミラ「!」ダッ

正史ミラ「ルドガーによろしくと言っておいてくれ」

ミラ「ええ!また今度『ミラ』」ガチャッ

正史ミラ「ああ、『ミラ』」

正史ミラ「…こんな生活も悪くない」

正史ミラ「さて、ジュードのところに行くとしよう」



237: ◆wKarhnfzGE:2012/12/11(火) 21:03:26.25 ID:U5rXaXhF0

~トルバラン街道~

エル「ピクニック~ピクニック~!」

ルドガー「嬉しそうだな」

エル「うん!」

エル「だってミラとルドガーとピクニックだもん!」

ミラ「こっちまで楽しくなってくるわね」

ルドガー「ああ…そういえば『ミラ』とのお弁当作りはどうだったんだ?」

ミラ「壮絶な戦いだったわ…」

ルドガー「ははは…」

ミラ「でもま、頑張ってたんじゃない」

ルドガー「相変わらず『ミラ』には厳しいんだな」

ミラ「あそこまで違うと嫌でもこうなるわよ…」

ルドガー「まあ同じ性格のミラが二人いたら厳しいよな…どっちでも」

ミラ「ま、確かにね。私と同じような性格だったらルドガーが取られちゃうかもしれないし…」

ルドガー「ぷっ」

ミラ「ちょ、なによ!」

ルドガー「いや、ミラが可愛くて…」

ミラ「は、はあ?///」

エル「もー二人とも!イチャイチャしてないでピクニック行こうよ~!」

ルドガー「おっと、ごめんな」

ミラ「ごめんなさい!」

エル「二人にはバツとしてエルの手をつないでもらいます!」

ルドガー「よし、お安い御用だ!」

ミラ「いいわよ」クスッ

エル「ルドガーは右手、ミラは左手だよ!」

ルドガー「了解だ」ギュッ

ミラ「はいはい…」ギュッ

ルドガー(追い求めていた…幸せな光景)

ミラ(もしかしたら唐突に終わりが来てしまうかもしれない)

ルドガー(だけど俺たちは知っている。どんな事も諦めなければ乗り越えられると)

ミラ(大切な人と、一緒なら──)

エル「ミラもルドガーも大好きだよ!」ニコッ

ルドガー「ああ、エルもミラも愛してる」

ミラ「私もよ…二人とも、愛してる」


ミラの好感度が最高になった。
称号:愛する人、幸せな日々を手に入れた。


milla episode 運命を越えて fin



239: ◆wKarhnfzGE:2012/12/11(火) 21:07:04.32 ID:U5rXaXhF0

本日の投下はここまでです。というかミラ√が終わりです。
ミラさんとイチャイチャ、ミラさんをハッピーに。この二つを達成できたので満足です。
後半の展開のお粗末さは許してください。ちょっと強引すぎたり急展開だったりしました。
でもミラさん幸せだったし…ね?

明日からはレイア√です。ゲロ甘の予定。



242:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/11(火) 22:51:16.62 ID:nikU96h5o

こまけぇこたぁ良いんだよ、分史ミラが幸せになれてると言う幸せ……良いもの読ませて貰いました

レイア編も期待期待



245:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/12(水) 13:08:57.17 ID:LrtUMq8r0

乙!

ところで正史ミラは分史ミラをずっと見てたということは…
アレも見られてたんですねわかります



247: ◆wKarhnfzGE:2012/12/12(水) 21:02:59.51 ID:dIJyYsV40

正史ミラの救出方法ですが各々の脳内補完をお願いします。特にこうだという訳ではないので。
ちなみにガイアスは刀装備してません。リドウは刀使うまでもないということなんでしょう。さすが壁殴り王。
正史ミラと分史ミラのやりとりは君の想像で無限大だ!

レイア√投下します。



248:>>98の続きから ◆wKarhnfzGE:2012/12/12(水) 21:11:02.02 ID:dIJyYsV40

ルドガー「俺は…レイアのことが異性として好きだ」

ルドガー(レイアといると心が温かくなる)

ルドガー(レイアの笑顔に癒される)

ルドガー(誰よりも前向きで誰よりも明るいレイアに俺は──)

ルドガー「…惹かれてたんだな」

エル「ルドガー、レイアのこと好きなの?」

ルドガー「ああ」

エル「なやんでたのってそれ?」

ルドガー「うん」

エル「じゃ、エルみたいに好きって言わないと!」

ルドガー「…そうだよな」

ルドガー「どうなるかわからないけど、言ってみる」

エル「エルもおーえんしてあげる!」

ルドガー「ああ、エルの応援なら百人力だ」

エル「んっ!」ニコッ


~トリグラフ駅~

レイア「……」トボトボ

レイア(なにやってるんだろ…私)

レイア(ルドガーの事、傷つけちゃったよね…)

ミラ(これで準備は万端ね…明日こそエルに…)

ミラ(ってあれは…レイア?)

レイア「…はぁ」

ミラ「なに辛気臭い顔してるのよ」スタスタ

レイア「ミラ…」

ミラ「あなた元気が取り柄なんじゃないの?」

レイア「あはは…そのつもり、なんだけどなぁ」

ミラ「…何かあったの?」

レイア「…少し、だけ」

ミラ「…そ」

レイア「……」

ミラ「……あーもう焦れったいわね!」

レイア「……」ビクッ

ミラ「ちょっと私の家まで来なさいよ」

レイア「えっ…?」


reia episode 恋の味。



249: ◆wKarhnfzGE:2012/12/12(水) 21:15:36.99 ID:dIJyYsV40

~ニ・アケリア ミラの家~

レイア「あの…いきなりどうしたの?」オロオロ

ミラ「スープの試食をしてくれない?」

レイア「スープ?」

ミラ「ええ、ちょっと見返してやりたい娘がいるのよ」

レイア「それってエルだよね?」

ミラ「…よくわかったわね」

レイア「だってミラよくエルと張り合ってたし」

ミラ「あ、あれはあの子が無謀にも私に挑んできたからよ!」アセッ

レイア「ほんと子供っぽいよねミラって」クスッ

ミラ「…ふんっ」プイッ

ミラ「もうすぐスープができるわ」

レイア「ミラ、ありがと!」

ミラ「私には話せないことなら、別に無理に話そうとしなくていいけど」

レイア「…」

ミラ「でも誰かに相談したほうがいいんじゃない?おせっかいな人ばかりだからきっと相談に乗ってくれるだろうし」

レイア「ミラも充分おせっかいな人じゃない?」クスッ

ミラ「あなたには言われたくないわね」クスッ

レイア「あはは…それもそうだね」

ミラ「ええ」


ミラ「スープ、出来たわよ」

レイア「それじゃ…いただきます」コクッ

レイア「…おいしい」

ミラ「当然よ。私が作ったんだから」

レイア「なんかね、心の中に染み渡るようなあったかい味がするよ」

ミラ「…そ、そこまで言われると照れるわね」

レイア「あはは」

ミラ「これね、ルドガーに教えてもらったのよ」

レイア「っ…。そ、そうなんだ…」

ミラ「本当におせっかいよね、ルドガーって」

ミラ「私に構わなくていいって言ってるのに構ってくるし、私の我が儘に何も言わずに付き合うし」

レイア「そうなの?」

ミラ「ええ。最初こそ物好きな奴って思ったけど、今は…」

レイア「……好き、とか?」



251: ◆wKarhnfzGE:2012/12/12(水) 21:41:25.09 ID:dIJyYsV40

ミラ「…多分違うわね。私が恋愛なんてあるわけないじゃない」

レイア「わからないよそんなの!」

ミラ「……」

レイア「もしかしたら無意識に好きになっちゃうこともあるかもしれないし!」

ミラ「…そうね」クスッ

レイア「あっ…」

ミラ「でも、それでも私はルドガーを好きになんてなれないわ」

レイア「…どうして?」

ミラ「そもそも私はこの世界の人間じゃないんだから、権利がないのよ」

レイア「そ、そんなの関係ない!」

レイア「好きって気持ちがあれば誰にだって恋愛する権利はあるよ」

ミラ「……」

レイア「……///」

ミラ「なるほどね、あなたの悩みってそういう事?」

レイア「うっ…!」

ミラ「ルドガーのこと、好きなの?」

レイア「そ、それは…」

ミラ「私に遠慮する必要はないわよ?」

レイア「……」

ミラ「私は元々ルドガーのことなんて何とも思ってないわ」

ミラ「最初こそ恨んではいたけどね」

レイア「でも、ミラ…」

ミラ「最近は少し…ほんの少しだけど、彼のことを認めただけ」ニコリ

ミラ「それ以上の気持ちなんて、ないわよ」

レイア「……」

ミラ「まだ何かあるの?」

レイア「ううん、ミラは凄いなって」

ミラ「?」

レイア「私の世界のミラも、今ここにいるミラも、根っこの部分は一緒なんだね」

ミラ「…」

レイア「自分の気持ちに正直に、ただ自分の使命のために突き進む…私の憧れたミラってそういう人だったなぁって」

ミラ「…私には使命なんてない」

ミラ(それどころか、この世界で生きる意味だって…)



252: ◆wKarhnfzGE:2012/12/12(水) 21:47:39.20 ID:dIJyYsV40

レイア「ううん、きっと何か成すべき『使命』を見つけたらきっと…」

ミラ「…そう、でもそれは当分先」

レイア「そうかな?案外すぐに見つかったりして」

ミラ「そんなあっさりと見つかったら苦労しないわね」

レイア「だよねー」

ミラ「っていうか、今は私の話じゃなくてあなたの話でしょ?」

レイア「そ、そうでした…」

レイア「でもね、ミラ。私も…なんとも思ってないよ?」

ミラ「…」

レイア「ルドガーは…大切な仲間だよ…」

レイア(そうじゃないと…私の想いは…私が今まで頑張ってこれた意味が…)

レイア(『私らしさ』…わからなくなっちゃうよ…)

ミラ「そう、それでいいなら私は何も言わない」

レイア「ごめん…」

ミラ「…冷めちゃうからさっさとスープ飲みなさい」

レイア「うん…」


レイア「ホントに色々ありがとね、ミラ」

ミラ「私はスープの試食を頼んだだけよ」

レイア「それでも、ありがと」

ミラ「あんまり悩みすぎないことね」

レイア「うん、明日からは『いつもの』レイア・ロランドに戻るよ」

ミラ「…おやすみなさい」

レイア「おやすみ」ガチャッ

ミラ(……はぁ、なんで私がこんなことしなくちゃいけないのよ)ガチャリ

ミラ(でもこれで借りは返したわよ。ルドガー)スタスタ

ミラ「ねぇ」

村人「な、なんでしょうかミラ様!?」ズサァ

ミラ「そんなに畏まらなくていいわよ。GHSってやつを貸してくれないかしら?」

村人「はい、こちらでございます!」スッ

ミラ「ありがと、すぐ返すわ」

ミラ「確か…」ガサゴソ

ミラ「あった。捨てないでよかったわ」

ミラ「…」カチカチ

ミラ「これでいいのよね…」ピッ…prrr

ジュード『もしもし?どちらさまですか?』

ミラ「っ!…本当に離れた相手と話せるのね」

ジュード『ミラさん!?』

ミラ「ええ、ちょっとお願いがあって」

ジュード『僕にできることだったら協力するよ』

ミラ「ありがと。お願いっていうのは──」



253: ◆wKarhnfzGE:2012/12/12(水) 22:01:11.11 ID:dIJyYsV40

ルドガー(朝か)ムクッ

ルドガー(今日はレイアに会って話さないと)ゴソゴソ

エル「むにゃむにゃ…王様の丸焼き…」

ルドガー(……)

エル「キンサで…ティポの煮付けの勝ち…」

ルドガー(…どんな夢を見てるんだ)

ルドガー(とりあえず、朝食を作ろう)


エル「ルドガー!」タタタッ

ルドガー「どうしたんだ?」

エル「変なユメみた!」

ルドガー(ああ、さっきの)

エル「ローエンとアルヴィンがヒゲのニオイをかがせてくるの!」

ルドガー「!?」

エル「それでね、ローエンのヒゲはイカ臭かった!」

ルドガー「」

エル「アルヴィンはオジサン臭かった!」

ルドガー(夢の内容と寝言が一致してない…)

ルドガー「そっか…大変だったな」

エル「うん…」

ルドガー「とにかく、顔を洗ってこような」

エル「ルドガーはヒゲのニオイかがせてこないよね?」

ルドガー「当たり前だ!」

エル「よかった…」ホッ


エル「今日も出かけてくる!」

ルドガー「また?今度はどこに行くんだ」

エル「んっとね、ミラと遊ぶ!」

ルドガー「そっか…俺も行こうか?」

エル「ううん、エルひとりで大丈夫!」

ルドガー「あんまり遅くならないようにな」

エル「ミラといっしょだから平気だもん」

ルドガー「本当にミラのこと好きなんだな」

エル「まーね!」

エル「ミラはいっつもめんどくさそうだけど、なんだかんだで優しいよね」

ルドガー「確かに」



254: ◆wKarhnfzGE:2012/12/12(水) 22:18:58.52 ID:dIJyYsV40

ルドガー(最近、エルが俺と一緒にいる時間が少なくなった気がする)

ルドガー(多分口リコンの相談をした日からだな)

ルドガー(エルにも気を使わせてるのかもしれない)

ルドガー「近いうちにエルと遊んでやるか」

ルドガー(今日の結果がどうなろうと、俺の口リコン疑惑は晴れるだろうし)

ミラ「ルドガー?」

ルドガー「!?」ビクゥ

ミラ「何驚いてるのよ」

ルドガー「どうやって部屋に?」

ミラ「エルから聞いてないの?入れさせてもらったわ」

ルドガー「いや、遊ぶって話は聞いてたけど」

ミラ「遊ぶ、じゃなくて遊んであげるのよ」

ルドガー「…はぁ」

ミラ「それで、今日エルは私の家に泊まらせるから」

ルドガー「!?」

ミラ「何よ、悪いの?」

ルドガー「いや…いいのか?」

ミラ「私がいるから大丈夫よ、本当に過保護ねあなた」

ルドガー「…」

ミラ「ま、私にも色々と考えがあるのよ」

ルドガー「ああ、スープか?」

ミラ「そう。今日はとりあえず小手調べね。スープ以外のものを食べさせて好みを調べるわ」

ルドガー「ほどほどにしてくれ…」

ミラ「ま、そうね」

ルドガー「それなら、エルのことは頼んだ」

ミラ「ええ。それよりあなたも、やることあるんでしょ?」

ルドガー「なっ!?」

ミラ「…カマかけたつもりなのに、わかりやすいわねー」ジト

ルドガー「あ…」

ミラ「だから今日は、ルドガーのやるべきことをやりなさい」

ルドガー「…ああ」

ミラ「……」



255: ◆wKarhnfzGE:2012/12/12(水) 22:26:47.12 ID:dIJyYsV40

ミラ「それと昨日の約束、無かったことにして」

ルドガー「えっ…?」

ミラ「やっぱり隠し味は私一人だけで取りに行きたいのよ」

ルドガー「そうか…隠し味は愛情ってオチじゃなかったんだな」

ミラ「そ、そんなベタなわけないでしょ///」

ルドガー「お、おう…」

ミラ「…もし」

ルドガー「?」

ミラ「──なんでもないわ」

ミラ(そんな未来、ある訳ないわね)

エル「ミラ~まだいかないの~?」ヒョコ

ミラ「今行くわ!…そんなわけだから」

ルドガー「ああ、エルが迷惑をかけると思うけどよろしくな」

ミラ「ええ」コクリ

ルドガー「ありがとう、ミラ」

ミラ「お礼を言われてばっかりね、私」クスッ

ルドガー「?」

ミラ「いえ、独り言」スタスタ

ミラ「…頑張って」ポツリ

ミラの好感度が上がった
称号:溶けた心を手に入れた。


レイア「もしもしぃ…」ボーッ

レイア(結局あの後も眠れなくて寝不足だよ…)

レイア(あうー…)

ジュード『あ、レイア?今大丈夫かな?』

レイア「なによ朝っぱらからぁ~」ゴシゴシ

ジュード『ごめんごめん、ちょっと用事があってさ』

レイア「用事?」

ジュード『うん、もう少ししたらトリグラフのカフェで待ち合わせでいいかな?』

レイア「いいけど…用事って?」

ジュード『それは着いてからのお楽しみってことで』

レイア「えー教えてくれてもいいじゃん!」

ジュード『いいから。絶対来てよね!』

レイア「りょうかい~」

ジュード『何か不安になる返事だなぁ…』

レイア「また後で~」ピッ

レイア「ふわぁ…あと少しだけ寝よ…」パタリ



260: ◆wKarhnfzGE:2012/12/14(金) 22:04:08.19 ID:O8rtgruz0

レイア「んーっよく寝た…ってやば!」バサッ

レイア「少しのつもりが一時間も寝ちゃってたよー!」ドタドタ

レイア「えっとえっと、『少し遅れるね!』っと」ポチポチ

レイア「急がなきゃ!」


ジュード「やっぱり寝ちゃってたんだね…」ポチポチ

ジュード「焦らなくてもいいからね…っと、送信」ピッ

ジュード「すみません。おかわりもらえますか?」


ルドガー「ふぅ、家事はひと段落だな」

ルドガー「案外主夫とか向いてるんじゃないか?」

ルドガー「まあ、その前に借金返さないといけないな…」ガクッ

ルドガー(こうして家で過ごしてても仕方ないし、外出してみようか)テレン

ルドガー「メールか?」ピッ

ローエン『ジュードさん(*゚▽゚*)お暇ですか??』

ルドガー「一応、と」ピッ

ルドガー「返信早いな」テレン

ローエン『お暇でしたらカラハ・シャールまできませんか(((o(*゚▽゚*)o)))』

ルドガー「構わない、と」ピッ

ルドガー「…」テレン

ローエン「それではドロッセル様の邸宅までお越し下さい(*´ω`*)お待ちしていますよ♪ヽ(´▽`)/」

ルドガー(相変わらずローエンのメールはすごいな…)

ルドガー「とりあえず行ってみるか」



261: ◆wKarhnfzGE:2012/12/14(金) 22:16:40.00 ID:O8rtgruz0

~トリグラフ カフェテリア~

レイア「ごめん、待たせちゃった?」

ジュード「うん、だいぶね」ジトー

レイア「う…」タジッ

レイア「ぜ、全然待ってないよって言ってくれてもいいじゃん」

ジュード「相手が僕だったkら良かったものの、取材先の人だったら大変なことになってたよ?」

レイア「はい…反省します…」

ジュード「ふふ、大丈夫だよ。さ、向かい側に座って」

レイア「うん」ストン

ジュード「やっぱり僕の前ではいつもどおりなんだね」

レイア「へ、何が?」

ジュード「服とか。ルドガーとデートしてた時はアクセサリーとか着けてたよね?」

レイア「な、なんでそれを知ってるの!?」ビクッ

ジュード「ゴメン、アルヴィンと偶然見かけたんだ」

レイア「そっかぁ!…ってでででデート!?///」

ジュード「へっ?」キョトン

レイア「あれはデートとかそういうんじゃ…///」

ジュード「でもレイア楽しそうだった気がするんだけど…?」

レイア「そ、そんな風に見えた…?」

ジュード「うん。それにその時のレイア、とても可愛かったよ」

レイア「か、可愛いって…」

ジュード「僕の前じゃそんな格好しなかったからてっきりデートだと思ってたよ」

レイア「そ、それはジュードは長い付き合いだし…別にあたしが着飾ったって何も言ってくれないだろうし…」

ジュード「別にそんなことはないと思うけど…」

レイア「そうかなぁ?」ジトー

ジュード「に、睨まないでよ…」

レイア「ってそんなことはどうでもいいでしょっ」

レイア「私に話したいことがあったんだよね?」

ジュード「あっと…そうだったね。レイアは悩みがあるの?」

レイア「悩み?」

ジュード「昨日ミラさんから電話が掛かってきてね、レイアがなにか悩んでるみたいだから助けてあげてって」

レイア「う、あ……」

レイア(ミ、ミラ…なんでそんなあっさり教えちゃうの…)



262: ◆wKarhnfzGE:2012/12/14(金) 22:29:39.50 ID:O8rtgruz0

レイア「べ、別に悩みって程のことじゃないよ…」

ジュード「レイア、僕じゃ頼りにならない?」

ジュード「レイアには色々とお世話になってるから、僕に出来ることはしてあげたいんだ」

レイア「ジュード…」

ジュード「それとも、僕には話しづらいことなの?」

レイア「…ね、ジュード」

ジュード「なに?」

レイア「ジュードは好きな人って、いる?」

ジュード「へっ」

レイア「友達とか、仲間とか、『幼馴染』とかじゃなくて、異性としてだよ」

ジュード「そ、それは…」

レイア「私はね、いるよ。ずっと前から」

レイア「私が一番辛い時にそばにいてくれて嬉しかった。その人のためになにかしてあげたいって思った」

レイア「その人の笑顔が見たくて、その人に幸せになってほしくてずっと頑張ってきたんだよ」

ジュード「…」

レイア「たとえその人が振り向いてくれなくても…その人に頼られるような人間になりたいって」

レイア「それだけを考えてきたんだ」

ジュード「……」

レイア「それが私の生きる意味…『私らしさ』なんだ」

レイア「でも最近…わからなくなっちゃった」

ジュード「どうして?」

レイア「ほかにも気になる人ができたんだ」

レイア「その人も同じようにおせっかいで優しくて…気がついたら…」

ジュード「そっか…」

レイア「私…どうすればいいのかわかんないよ」



264: ◆wKarhnfzGE:2012/12/14(金) 22:44:10.97 ID:O8rtgruz0

ジュード「僕はね、レイアの好きにしたらいいと思うよ」

レイア「えっ…」

ジュード「きっとレイアはその人に依存してる」

レイア「い、依存なんて…」

ジュード「自分の気持ちから目を背けちゃダメだよ!」

レイア「っ…」

ジュード「レイアは前向きなのが取り柄なんでしょ?」

ジュード「そんな風に迷ってうじうじしてるなんて、らしくないよ」

レイア「でも…」

ジュード「ねえ、レイア。レイアは何が怖いの?」

レイア「えっ…?」

ジュード「気になる人が出来たっていいんじゃないの?」

レイア「だって…ずっと好きだった人なんだよ?幸せにしたいって、思ってる人なんだよ?」

ジュード「違うよ、レイア」

レイア「…?」

ジュード「その人はきっと自分だけ幸せになっても嬉しくなんてないよ」

ジュード「レイアが泣いてることを知ったら、きっとその人は悲しむんじゃないかな?」

レイア「でも…それが私の…」

ジュード「言い訳しちゃダメだよ!レイアは逃げてるだけだ!」

レイア「!」

ジュード「レイアは臆病になってるんだよ。人を好きになることに」

レイア「私は…」

ジュード「僕はレイアの幼馴染だよ?レイアが本当はずっと繊細で、臆病な事なんて知ってる」

ジュード「無理して前向きに振舞って、一人でひっそりと悲しんでいることだって…」

レイア「ジュード……」

ジュード「きっとその人はレイアの気持ちに答えられない」

ジュード「大切な幼馴染…ううん、家族だけど。きっとそれ以上には見れない」

レイア「…ジュード、知ってたんだ?」

ジュード「あはは…でも僕も同じように、レイアには幸せになって欲しいんだ」



265: ◆wKarhnfzGE:2012/12/15(土) 00:22:18.70 ID:0NZDJLUb0

レイア「…振られちゃった」

ジュード「ゴメン、レイア」

ジュード「でも今のレイアは、僕が告白しても断ったと思うよ」

レイア「そうかな?」

ジュード「うん、だって──ルドガーのこと、好きなんでしょ?」

レイア「……うん」

レイア「私、ルドガーが好き」

レイア(そっか…私、本当は分かってたんだ)

レイア(ルドガーのこと好きな私を…ジュードのことで誤魔化そうとしてた)

ジュード「そっか」

レイア「ジュードの言うとおりだね」

レイア「私、怖かったんだ。ルドガーもジュードと同じように私なんか見てくれないんじゃないかって」

ジュード「…僕のせいだね」

レイア「ううん、ジュードのせいじゃないよ。私がただ臆病なだけだった…」

ジュード「それでも、僕がもっと前に答えを出してればレイアがこんなふうに悩むことはなかったと思う」

レイア「それは…そうかも」

ジュード「あはは…でもレイアの気持ちは届くよ」

レイア「…そうかな?私ってスタイルもよくないし可愛くもないし小さくもないし…」

ジュード「最後のは関係あったの?」

ジュード「…でも、そんなことないって思うよ」

レイア「そうだといいなぁ」

ジュード「大丈夫。レイアは可愛いよ」

レイア「うん、ありがと」ニコッ

ジュード「本当のことだよ?」

レイア「わかってるって。照れるから念押さなくてもいいよ~」

ジュード「それと、僕なんかがいなくてもレイアはレイアらしくなれてるよ」

ジュード「だからそんな風に思い悩まなくても大丈夫」

レイア「…そうだね。もう私、迷わないよ」

レイア「私らしく、ルドガーに気持ちを伝えてみるよ」

ジュード「さ、気持ちが決まったならすぐ行動だね」

レイア「……え?」

ジュード「実はね──」



266: ◆wKarhnfzGE:2012/12/15(土) 01:04:27.21 ID:0NZDJLUb0

~カラハ・シャール ドロッセル邸~

ルドガー「…おじゃまします」

ドロッセル「あら、いらっしゃいルドガー」

ルドガー「ローエンから誘われたんだけど…」

ドロッセル「ええ、聞いているわ。奥の部屋で待っています」

ルドガー「ドロッセルはどうするんだ?」

ドロッセル「私はちょっと用事があって…」

ドロッセル「ゆっくりしていってね」ニコリ

ルドガー「ああ、ありがとう」スタスタ


ローエン「お待ちしていました」

ルドガー「いきなり呼び出してどうしたんだ?」

ローエン「いえいえ、たまにはお互いの親睦を深めようとお茶会でもどうかと思いまして」

ルドガー「なるほど」

ローエン「紅茶に緑茶、コーヒーからジジイ汁まで何でもありますよ」

ルドガー「じじい汁…?」

ローエン「おや、気になりますか?なんなら今すぐにでもご用意いたしますが」

ルドガー「いや、紅茶でお願いします…」

ローエン「おや、残念です…」

ルドガー(なんだろう今の悪寒は)

ルドガー(何か触れてはいけないもののような…)

ローエン「ところでお茶会にはなにか話題が必要ですね」

ルドガー「黙々と飲むのも…」

ローエン「それはルドガーさんが楽なだけでしょう」

ルドガー「すみません」

ローエン「というわけで、恋バナをしましょう♪」

ルドガー「!?」



267: ◆wKarhnfzGE:2012/12/15(土) 01:17:17.42 ID:0NZDJLUb0

ローエン「知らないとは言わせませんよ?」

ルドガー「いや、意味は知っているけど…」チラッ

ローエン「おや?今ジジイと恋バナしたところでなぁ、どちらかといえば恋愛相談になるんじゃないかなぁみたいな目をしていますね」

ルドガー「まさにその通りだけど」

ローエン「私だって恋くらいしますよ」

ルドガー「いや…そもそも男同士で恋バナって…」

ローエン「おや?ジジイが好きになる奴なんてルドガーさんは興味がないと」

ルドガー「いや、そこまでは言ってない」

ローエン「ならしましょう、恋バナ♪」

ルドガー「もう好きにしてくれ…」

ローエン「ちなみに私の好みは…内緒です( ´艸`)」

ルドガー「」イラッ

ローエン「そんなに怒らないても…ジジイのお茶目です」

ルドガー「ごめん」

ローエン「冗談はさて置き」

ルドガー(冗談だったのか…)

ローエン「今回お茶会を開いたのはルドガーさんのお悩みについてですよ」

ルドガー「悩み?」

ローエン「ええ、聞くところによるとルドガーさん、レイアさんとぎくしゃくしているそうですね」

ルドガー「…どうして知っているんだ?」

ローエン「禁則事項です」

ローエン(ガイアスさんから聞いたのです、とは言えませんね)

ルドガー「…はぁ」

ローエン「しかし驚きですね、いつの間にお二人はそこまで仲良く?」

ルドガー「いや、元々の目的は違かったんだ」

ルドガー「ただ一緒に過ごしているうちに俺の方が一方的に…って感じなんだ」

ローエン「…ふむ」

ローエン「ルドガーさんはミラさんがお好きなのでは?」

ルドガー「えっ」

ローエン「いえ、ルドガーさんはミラさんとは特別仲が良い様子でしたから」

ルドガー「…言われてみれば」

ローエン「自分でわかってなかったんですか」

ルドガー「最初のうちは罪悪感から接してたけど、流れで友達のような間柄に…」

ローエン「ルドガーさんは天性の女たらしですね」

ルドガー「?」



268: ◆wKarhnfzGE:2012/12/15(土) 01:37:03.91 ID:0NZDJLUb0

ローエン「なるほど、ではミラさんには恋愛感情はなかったと」

ルドガー「…ああ、ミラは大切な仲間だ」

ローエン「それでは、レイアさんは?」

ルドガー「!?」

ローエン「さっきの話からすると、ルドガーさんはレイアさんに恋愛感情をお持ちなのでは?」

ルドガー「」

ローエン「見事に自爆してましたけどね♪」

ルドガー「うわああああ…」

ローエン「青春してるんですね、ジジイももう少し若ければ…」

ルドガー「」マッサラ

ローエン「落ち着いてください」

ルドガー「はっ…ごめん」

ローエン「ですがそれがどうしてギクシャクすることに?」

ルドガー「いや、それはよくわからないんだ」

ローエン「わからないといいますと?」

ルドガー「実は──」

ローエン「──ふむふむ、なるほど」

ローエン「それは…私には踏み込めない領域です」

ルドガー「ローエンもか…」

ローエン「おや、他にも相談した人が?」

ルドガー「ああ、アーストに」

ローエン「なるほど」

ローエン(本当は知っていますが…なるほど、こういう事情でしたか)

ローエン「でしたらなおさら理由をお答えすることはできませんね」

ルドガー「…」

ローエン「おそらくルドガーさんはレイアさんの突いて欲しくない事を無意識に言ってしまったのでしょう」

ルドガー「やっぱりそうなのか…」

ローエン「しかしルドガーさんが悪いかと言われればそれもまた違います」

ルドガー「?」

ローエン「おそらくこの問題はルドガーさんとレイアさんがお互いの内を曝け出せば解決すると思いますよ」

ルドガー「お互いの…内…」

ローエン「ええ、それはルドガーさんのレイアさんへの気持ちも含まれます」

ルドガー「…やっぱりそれしかないか」

ローエン「ええ、そうですね」



269: ◆wKarhnfzGE:2012/12/15(土) 01:57:30.48 ID:0NZDJLUb0

ローエン「やっぱり、不安ですか?」

ルドガー「不安はないよ。ただ…」

ルドガー「俺の告白がレイアの重荷にならないかって思ったんだ」

ローエン「重荷…ですか」

ルドガー「レイアの気持ちがジュードにあるのはわかってるんだ」

ルドガー「だから俺が告白してレイアを変に悩ませていいのか…?」

ローエン「では、諦めると?」

ルドガー「…うっ」

ローエン「それに話を聞く限り、その心配はなさそうですよ」

ルドガー「…そうなのか?」

ローエン(ええ。おそらく絶賛悩み中でしょうから)

ローエン「ルドガーさんはただ、自分の後悔しない選択をするべきです」

ルドガー「…そうだな」

ルドガー「当たって砕けてみるさ」

ローエン「いえ、案外うまくいくかもしれませんよ?」

ルドガー「そうなったら、嬉しいな」



270: ◆wKarhnfzGE:2012/12/15(土) 02:02:41.33 ID:0NZDJLUb0

ローエン「これでも冷静に状況を分析した結果ですよ?」

ルドガー「えっ」

ローエン「ルドガーさん、あなたはレイアさんとのデートをどのように感じましたか?」

ルドガー「…楽しかった」

ローエン「ええ、きっとレイアさんもそう思っています」

ローエン「それに本当に大切だと思っている相手だからこそ…心配したのではないですか?」

ルドガー「…口リコンのことか」

ローエン「モチロン♪」

ルドガー「…いや、それはどうだろう」

ローエン「ローエンさんは乙女心がわかってませんね」

ルドガー「ええっ!?」

ローエン「とにかく、ルドガーさんにも勝機はあります」

ローエン「ですから挫けず、想いを伝えてください」

ルドガー「ああ、そうするよ」

ローエン「健闘をお祈りしています」

ローエン「それはそうと、カラハ・シャールの中央部では夕焼けがとても綺麗に見えるのです」

ルドガー「そうなのか?」

ローエン「ええ、絶景ですのでぜひ一度見てみることをおすすめしますよ」

ルドガー「ああ、帰りに見てみるよ」

ローエン「ええ、それでは」

ルドガー「今日は色々とありがとう、ローエン」

ローエン「お安い御用です」

ルドガー「またなにか進展したら連絡するよ」スタスタ

ローエン「お待ちしています」

ローエン(カラハ・シャールの夕焼けをバックに結ばれたカップルは末永く幸せになると言われています)

ローエン(良い連絡を、待っていますよ)ポチポチ

ローエン「ジュードさんですか?先ほどルドガーさんが──」



271: ◆wKarhnfzGE:2012/12/15(土) 02:09:35.86 ID:0NZDJLUb0

ルドガー(空が茜色に染まっている)

ルドガー(いつの間にかこんなに話し込んでたんだな)

ルドガー(ローエンの言っていた景色を見てみよう)スタスタ


~カラハ・シャール 中央広場~

ルドガー(あの辺は人が少なそうだ)ザワザワ

ルドガー(ゆっくりと景色を楽しみたいし、あそこに行ってみよう)スタスタ

ルドガー「ん?」

ルドガー(誰か先客がいるみたいだ)

ルドガー(邪魔をしないようにしないとな)ソローリ




「──やっほ」




ルドガー「あ……」

「すごい偶然だね、こんなところで会うなんて」

ルドガー「…はは、そうだな」

「ね、ルドガー」

ルドガー「どうした?」





レイア「話があるんだ。聞いてくれる?」
 
 
 
 




276: ◆wKarhnfzGE:2012/12/16(日) 00:46:35.25 ID:iRy42RX10

ルドガー「話…俺もあるんだ」

レイア「へっ?ルドガーも」ポカン

ルドガー「ああ。でもレイアの話からでいい」

レイア「うん。わかったよ」

レイア「…昨日はごめん。私、色々ぐちゃぐちゃになっちゃって……」

ルドガー「大丈夫だ」

レイア「やっぱりルドガーは優しいね」

ルドガー「いや昨日のことは、俺も悪かったんだ」

ルドガー「いきなり無神経なことを言ってごめん」

レイア「女の子は繊細なんだからね!」

ルドガー「うっ…」

レイア「…なんてね。私も悪かったし、ここはお互い様ってことで一つ!」

ルドガー「ああ、そうだな」

レイア「良かった~。ここでお前なんか許すか!とか言われたらどうしようかと思ったよ」ホッ

ルドガー「…レイアは俺をどんな目で見てるんだ?」ジト

レイア「冗談だよ~」

ルドガー「冗談じゃなかったら傷つく」シュン

レイア「い、いや、本当に冗談だから、ね?」

ルドガー「アーショックダナー(棒)」

レイア「ルドガーわざとやってるでしょ!」

ルドガー「バレたか」ニヤッ

レイア「まったく、たま~に変なことするよね。ルドガーって」

ルドガー「そうか?」

レイア「うん」

ルドガー「そうか?自分ではあんまり気にしてなかったけど…」

レイア「…多分天然だよね、それ」

ルドガー「?」

レイア「なんでもないよ~。…それでそのぅ、お願いがあるといいますか」

ルドガー「お願い?」

レイア「う、うん。そんな大したことじゃないんだけど…」



277: ◆wKarhnfzGE:2012/12/16(日) 01:01:49.81 ID:iRy42RX10

レイア「私と、もっと仲良くなって欲しいなあって」

ルドガー「……」

レイア「え、えへへ///」

ルドガー「……えっ」

レイア「反応遅くない!?」

ルドガー「少し思考が止まってた」

レイア「ひ、ひどい!勇気振り絞って言ったのに~」

ルドガー「い、いや…そんなこと言われるとは思ってなかった」

レイア「その…今回の話で私、ルドガーのこと全然知らなかったんだなぁって思ってさ」

ルドガー「…」

レイア「だから、少しでもルドガーのことを知って…その…」

ルドガー「そっか…」

レイア「私が、ルドガーの支えになれたらなって!」

ルドガー「!」

レイア「私じゃ頼りないかもしれないけどさ…あはは…」

ルドガー「レイア…」

レイア「だめならもちろん断っていいよ!?その、ルドガーがよければって話だから!」

ルドガー「いや、嬉しいよ」

レイア「ほんと!?」

ルドガー「けれど…それは嫌だ」

レイア「えっ…」ズキ

レイア「それって、やっぱり…私なんかに支えて貰うのは嫌ってこと…?」

ルドガー「いや、違う。俺は支えて貰うだけなんて嫌だ」

ルドガー「俺もレイアのことを知りたい。支えになりたい」

レイア「ルドガー…!」パァ

レイア「うんっ、そうだよね!私もそうなりたいっ!」ニコッ

ルドガー(レイア…やっぱり、可愛いな)

ルドガー「なあ、レイア」

レイア「どうしたの?」



278: ◆wKarhnfzGE:2012/12/16(日) 01:18:42.87 ID:iRy42RX10

ルドガー「景色、綺麗だな」

レイア「あ、うん。そだね」

レイア「カラハ・シャールには何度も来たけど、ちょっと前まではこんな景色見られなかったよ」

ルドガー「…へえ」

レイア「ってごめん、ルドガーは知らないよね」

ルドガー「いや、こうやってレイアのことを知るのは楽しいよ」

レイア「そ、そっか…///」

ルドガー「そういえば、レイアは誰から聞いたんだ?」

レイア「私はジュードだよ」

ルドガー「俺はローエンから聞いた」

レイア「そ、そっか…」

ルドガー「これって、どう考えても仕組まれてるよな」

レイア「そそそうかなぁ?」シラー

ルドガー「…レイアも一枚噛んでたのか」

レイア「…だって、ジュードが早く仲直りにならないと手遅れになるって言ってたんだもん」シュン

レイア「僕が手伝ってあげるから仲直りしろって…」

ルドガー「いや、責めてるんじゃない。むしろ感謝してるんだ」

レイア「へっ」

ルドガー「レイア、俺の話を聞いてくれ」サァ

レイア「…うん?」

レイア(どうしたんだろルドガー)

ルドガー「……」ゴクリ

レイア(緊張してる?)

ルドガー「俺は──」スゥ
 
 
 
 
 
ルドガー「レイアが好きだ!!」
 
 
 
 
 
ルドガー「明るくて、健気で、前向きで、少しドジだけど、みんなを笑顔で癒してくれる──そんなレイアが、好きだ」
 
 
 
 




279: ◆wKarhnfzGE:2012/12/16(日) 01:31:34.32 ID:iRy42RX10

レイア「へっ…?」

ルドガー「ただ支えあうんじゃなくて、俺の隣で支えて欲しい。俺も支えるから」

ルドガー「それで、お互いのことを知っていきたいんだ」

レイア「へ、いや、こ、これは、あうぅ…」

レイア「こここんなの聞いてないよ!」

ルドガー「へっ?あ、いや…言ってないし…」

レイア「じ、事前に言ってよ!」

ルドガー「いや、事前に行ったら意味がないんじゃ…」

レイア「うぅーどうしよぅ…さっきからドキドキが止まらないよ…///」

ルドガー「…な、なんかごめん」

レイア「本当だよ!びっくりしたんだからね!」

ルドガー「は、はい…」

レイア「まったくもー!ルドガーはまったくもー!」ニヘラ

ルドガー「…」

レイア「い、いきなりそんなこと言われたら困るでしょ~」ニヘラニヘラ

ルドガー「き、機嫌いいな…」

レイア「そりゃあ好きな人に告白されたら誰でもうれし…あ」

ルドガー「!?」

レイア「~~っ///」ボンッ

ルドガー「そ、それは…///」

レイア「ちょ、ちょっとまって!違…わないけど!違うの!私の想像と違うの!」

ルドガー「わ、わかった!とにかく落ち着こう!」

レイア「う、うんっ!…すぅ、はぁ」

レイア「よしっ大丈夫だよ!」

ルドガー「ああ…その、さっきの言葉なんだけど」

レイア「……」ビクッ

ルドガー「レイア?」

レイア「やっぱ無理ぃ~~っ///」カァァ

ルドガー「わかった!レイアが落ち着くまでずっと待ってるから!」アセアセ



280: ◆wKarhnfzGE:2012/12/16(日) 01:45:28.79 ID:iRy42RX10

レイア「うう…ルドガーにひどい仕打ちを受けたよ…」

ルドガー「…なんか本当にごめん」

ルドガー「まさかここまで動揺するとは思ってなかった」

レイア「お、女の子は繊細なんだよっ」

ルドガー「いや、レイアの事だからスパッと答えるかと」

レイア「心の準備が出来てなかったんだよ~…それにタイミングもすっごく卑怯!」

ルドガー「ひ、卑怯なのか?」

レイア「あんなタイミングで告白されたら誰だってああなるよ!」

ルドガー「そうか…乙女心は複雑なんだな…」

レイア「そう!」

ルドガー「はは…」

ルドガー(エル、素直に好きと言ったらこんな反応されたんだが)

レイア「…うん、やっぱり嬉しいな」

ルドガー「何が?」

レイア「好きな人に告白されること」

ルドガー「それって…!」

レイア「うん。私もね──」
 
 
 
 
 
レイア「ルドガーのことが大好きだよ!」
 
 
 
 
 
ルドガー「……!」

レイア「本当はもぅ少し仲良くなってから言うつもりだったんだけどね」

レイア「まさかルドガーから告白されるなんて思ってなかったよ」

ルドガー「…そうだったのか」

レイア「何か意外そうな顔してる?」

ルドガー「ああ。正直振られると思ってたからさ」

ルドガー「……だから少し、怖かった」

レイア「ど、どうしてそう思うの……って、もしかしてジュード?」

ルドガー「ああ」

レイア「あはは…だよね。だけど違うよ」

レイア「ジュードは大切な幼馴染だけど──好きな人は、隣にいたいなって思うのはルドガーだけだよ」



281: ◆wKarhnfzGE:2012/12/16(日) 02:08:06.30 ID:iRy42RX10

レイア(…ジュードの言うとおりだったね。私、逃げてた)

レイア(でももう逃げないよ。前に、進むから──!)

ルドガー「でも、そうか。レイアも同じように思ってたのか」

レイア「うん。私もルドがーが好きだよ」

ルドガー「俺も好きだ」

レイア「まさかこんなに早く恋人になっちゃうなんて…」

ルドガー「俺もびっくりしたよ」

レイア「私のほうがびっくりだよ~。ルドガーが私のこと好きだったなんて」

ルドガー「ああ。実は昨日気づいたんだ」

レイア「昨日!?」

ルドガー「ああ。それで色んな人に相談して、告白するって決めたんだ」

レイア「…ルドガーは凄いね」

ルドガー「…?」

レイア「私はそんな風に割り切れないよ。もっと時間が経ってからって逃げてたと思う」

ルドガー「いや、そんなことないんじゃないか?」

レイア「そうかな?」

ルドガー「さっきみたいにうっかり言っちゃったり」

レイア「さっきのことは忘れてよー!」

ルドガー「はははっ…でも、きっと俺から告白しなくてもレイアならしてたさ」

ルドガー「俺が知ってるレイアなら」

レイア「…ありがとっ」

ルドガー「いや、こっちこそお礼を言いたいくらいだよ。実は夢なんじゃないかって」

レイア「なら夢じゃないか確かめてみようよ」

ルドガー「どうやって?」

レイア「私の頬をこう…むぎゅーって」

ルドガー「俺の頬でやったほうが」

レイア「ううん、ルドガーがやって!」

ルドガー「…わかった」ムギュー

レイア「い、いひゃい…」

ルドガー「……」モニュモニュ

レイア「る、るろがー?」

ルドガー「…柔らかい」ムニュムニュ

レイア「くすぐったいんらけろ~」

ルドガー「おっと、ごめん。気持ちよくてつい」

レイア「べ、別にいいけどさ…その、そんなに気持ちよかったの?」



282: ◆wKarhnfzGE:2012/12/16(日) 02:26:06.48 ID:iRy42RX10

ルドガー「すごく。とっても」キリッ

レイア「そ、そんなに気持ちよかったならまたしても…いいよ?」

ルドガー「っ!?」ガッ

レイア「どうしたの?いきなり自分の腕を抑えたりして」

ルドガー「一瞬、レイアの頬をもみくちゃにしそうになった」

レイア「へっ?」

ルドガー「気にしないでくれ…」

レイア「う、うん」

ルドガー「でも夢じゃないってわかったな」

レイア「うん…夢じゃないんだ」スッ

ルドガー「……?」

レイア「手、繋ごうよ」ギュッ

ルドガー「ああ」ギュッ

レイア「ルドガーの手って暖かいんだねぇ~」

ルドガー「レイアの手も暖かいな」

レイア「いつもこんなに暖かい手を独占してるエルはずるいよ!」

ルドガー「そうなのか?」

レイア「うん!…でも、これからは私も繋げるからいいかな」

ルドガー「レイアのためならいつでも」

レイア「…えいっ」ギュゥ

ルドガー「ちょっ…!?」

レイア「恥ずかしいこと言った罰だよ~」

ルドガー「負けるか!」ギュゥ

レイア「ムムム…ならこれでどうっ!」ダキッ

ルドガー「抱き着っ!?///」

レイア「私の勝ちだね!」ドヤッ

ルドガー「…レイアは恥ずかしくないのか?」

レイア「…ですよねー///」

ルドガー「でも、このままで」ギュッ

レイア「うん」ギュッ

ルドガー「…ドキドキするな」

レイア「うん、ルドガーのドキドキ伝わってるよ」

ルドガー「レイアのも伝わってるな」

レイア「ちょっと恥ずかしいけどね」

ルドガー「…」ドキドキ

レイア「…」ドキドキ



283: ◆wKarhnfzGE:2012/12/16(日) 02:48:05.35 ID:iRy42RX10

レイア「抱き合うってこんなに幸せなんだね」

ルドガー「そうだな」

レイア「手をつなぐだけでも十分幸せだったのに…もっと幸せになっちゃったよ」

ルドガー「…俺も幸せだ」

レイア「このままじゃ私たち、幸せバカになっちゃうかもね」

ルドガー「それはそれで悪くないんじゃないか?」

レイア「うん、私もそう思うよ。なんだか…その…」

ルドガー「……」ギュッ

レイア「ルドガー?」

ルドガー「怖い時や辛い時、傍にいるよ」

レイア「…うん」

ルドガー「これは夢じゃない。だから安心していいんだ。さっきも確かめただろ?」

レイア「ルドガー…ありがと」ギュ

レイア「もう絶対、離さないからね!」

ルドガー「もちろんだ」

レイア「でもルドガーは…浮気しそうだから…」

ルドガー「ええ!?」

レイア「その、私と恋人なんだよ~っていう、証を残したいと思います」

ルドガー「…へっ」

レイア「……えいっ」チュッ

ルドガー「んっ…!?」

レイア「んっ、ちゅ、んんっ…っはぁ」

ルドガー「…レイア」

レイア「だ、大好きだよ…ルドガー///」ニコッ

ルドガー「っ……ああ!」


ローエン「いやあいいものを見せてもらいましたねぇ」

アルヴィン「ひゅーやるねぇレイアのやつ!」

ジュード「二人共趣味が悪いよ…」

ローエン「そうは言いながらもしっかりと見てますね」

アルヴィン「あそこだけ人払いすんの結構大変だったんだぜ?こんくらいの役得はなきゃやってらねえって」

ジュード「…でも、本当に良かったよ」

アルヴィン「そうだな。俺もあいつには幸せになって欲しかったし」

ジュード「アルヴィンもレイアのこと好きだったの?」

アルヴィン「違う違う。ほら、あいつとは色々あっただろ?だから個人的に応援してるの、俺は」

ジュード「そっか」

ローエン「本当に、良かったですね」



290: ◆wKarhnfzGE:2012/12/17(月) 19:50:22.44 ID:qTzot9V50

ルドガー「そういえば」

レイア「ん~?どうしたの」スリスリ

ルドガー「今日はエルが泊まりに行ってるのを思い出したんだ」

レイア「へぇ…って事は今日はルドガーひとりぼっちなんだ」ムギュー

ルドガー「そういう事になるな。だから夕飯はいつもより量を減らさないとって思ったんだ」

レイア「そっかぁ…うんうん、それは大変だねっ!」ニヘラ

ルドガー「?」

レイア「だったら私が行けば全部解決だよ!」

レイア「ルドガーはいつもどおりの量で作ればいいし、私はルドガーと過ごせて幸せ!」ニコリ

ルドガー「いいのか?」

レイア「うん、勿論だよ~。今は一人暮らしだから全然問題なし!」

ルドガー「なら今日は二人で過ごすか」

レイア「よぉ~しそうしよう!というわけでルドガー、もういっかい♪」スッ

ルドガー「あ、ああ…わかった」スッ

レイア「んっ、ちゅっ、ちゅちゅっ、ん~…っはぁ。えへへ///」

ルドガー(レイアって想像してたより甘えん坊だな)


アルヴィン「あれ?俺なんかイライラしてきたんだけど」

ローエン「奇遇ですね、私もです」

ジュード「そりゃあ目の前でイチャつかれたら誰でもそう思うんじゃない?」

アルヴィン「にしてはジュードくん冷静じゃないの」

ジュード「僕は嬉しい気持ちの方が大きいからね」

アルヴィン「ふぅん…大人みたいな事言うようになったな」

ローエン「ジュードさんも成長していますね」

アルヴィン「つーかさ、ジュードくんはどうなわけ?」

ジュード「どういう意味?」

アルヴィン「ミラだよミラ」

ジュード「ミラさん?ミラさんがどうかしたの?」

アルヴィン「そのミラじゃないって」

ローエン「おそらくこちらの世界のミラさんではないですか」

ジュード「ああ…ってなんでミラが出てくるの!?」

アルヴィン「そりゃまあジュードも男の子な訳で、ミラとあんな風にイチャイチャしたい~みたいな願望があるんだろ?」

ジュード「そそそれはっ」

ローエン「これは…どうやら大物らしいですね」

ジュード「べ、別にそんな想像なんてしたことないよ?(震え声)」

アルヴィン「声、震えてんぞー」

ローエン「これは事情聴取ですね」

ジュード「ちがうんだってぇーーーー!!」



292: ◆wKarhnfzGE:2012/12/17(月) 20:06:15.61 ID:qTzot9V50

レイア「ん?今なんかジュードの声しなかった?」ベッタリ

ルドガー「いや、気のせいだと…っていうかそろそろ離れないか?」

レイア「え~なんでよ~」

ルドガー「なんでも何もいい加減恥ずかしいし」

レイア「そ、そりゃあ私だって恥ずかしいけど…でもルドガーとくっついてたいの」ギュー

ルドガー「…レイアって甘いもの大好きだろ?」

レイア「うん!甘いものは別腹だよね!」

ルドガー(この甘さは胸焼けがしそうだな…)

ルドガー「とにかく、家に帰るか」

レイア「うん、いざしゅっぱーつ!」ギュッ

ルドガー「手を繋ぐ…のはいいか、別に」ギュッ


~マンションフレール三階 ルドガーの部屋~

ルドガー「ただいま」

レイア「ただいま~」

ルドガー(結局手は繋ぎっぱなしだった)

ルドガー「よし、夜ご飯の支度をしないと」

レイア「もちろん私も手伝うからね」

ルドガー「ああ、期待してるよ」

レイア「えへへ…」ニコリ

ルドガー「今日のメニューでなにか希望はある?」

レイア「サイダー飯!」

ルドガー「えっ」



293: ◆wKarhnfzGE:2012/12/17(月) 20:13:26.00 ID:qTzot9V50

レイア「あのシュワシュワ~っとした感覚を味わいたい気分なの!」

ルドガー「レイアって少し、変わってるな」

レイア「それジュードにも言われたよ~…その、ルドガーはこういうのが好きなのって、変だと思う?」

ルドガー「……んー」

レイア「嫌いに…ならない?」ビクビク

ルドガー「なるわけない」

レイア「…本当、だよね?」

ルドガー「ああ」ギュッ

ルドガー「これでわかるだろ?」

レイア「うん…ごめんね、ルドガー。変なこと聞いて」ギュッ

ルドガー「気にしてないよ」

ルドガー(きっとレイアは自信がないだけなんだな)

ルドガー(レイアが自分に自信が持てるまで、俺が支えないと)

ルドガー「よし、サイダー飯作るか」

レイア「いいの?」キラキラ

ルドガー「ああ、たまには変わった料理もいいいしな」

レイア「ルドガー大好きっ!」ダキッ

ルドガー「俺も好きだよ」

レイア「そ、それはなんか照れちゃうなぁ…///」

ルドガー「えー」

ルドガー(レイアの照れる基準がわからない…)



294: ◆wKarhnfzGE:2012/12/17(月) 20:25:42.91 ID:qTzot9V50

~ニ・アケリア ミラの家~

エル「ミラー!お風呂入ったよー」タタタッ

ミラ「こらエル、バスタオル一枚でうろつかない」

エル「ミラだって裸なのにエプロンしてるじゃん」

ミラ「私のはアレよ…ファッション!そうファッションよ!」

エル「いや、意味わかんないんですけど…」

ミラ「私もよくは知らないのよ」

エル「そうなの?」

ミラ「ええ。アルヴィンが裸エプロンは男のロマンとか言ってたのを聞いただけだし」

エル「男のマロン?なんかおいしそー!」

ミラ「ロマンよロマン。ま、意味はわからなかったけどね」

エル「ルドガーはそういうの好きそうだね」

ミラ「そうなの?」

エル「んー。この前ルドガーのベッドの下におんなじカッコした女の人がいっぱいいる本見つけたよ?」

ミラ「…ムッツリルドガー」ジトー


ルドガー「…っ!?」ブルッ

レイア「どしたの?」

ルドガー「なぜか悪寒が…」ズバババ



296: ◆wKarhnfzGE:2012/12/17(月) 20:31:29.13 ID:qTzot9V50

ミラ(でもルドガーの趣味ってこんなのだったのね…)

ミラ(ど、どんな感じなのかしら)モワモワ

ミラ「おかえりなさいルドガー。今日はお風呂にする?ご飯にする?」

ルドガー「そうだな…ミラにしよう」

ミラ「えっ///」

ルドガー「こんな格好されて…我慢できるわけがないだろ」

ミラ「ルドガー…」

ルドガー「ミラ…」

ミラ(い、いやいや絶対これはないわ)

ミラ(もっとこう…私らしく…)モワモワ

ルドガー「…ただいま」

ミラ「あら、お、おかえりなさい…」

ルドガー「ああ、今日も疲れ…た…?」ピク

ミラ「な、なによ」

ルドガー「ど、どうしたんだ?その格好」

ミラ「別に。ルドガーが好きって聞いたから、ちょっとやってみようかと思っただけよ」プイッ

ルドガー「……」ゴクリ

ミラ「な、なによ。何か言いなさいよ」

ルドガー(ミラの裸エプロン…ただ裸の上にエプロンを着てるだけじゃない)

ルドガー(サイズが合ってないのか…エプロンの横から胸がこぼれそうになっている…)

ルドガー(それだけじゃない。エプロン以外に身に纏うものがないという羞恥心から服の裾を引っ張り大事なところを隠そうとする仕草すら…俺の興奮に変わるッッ!)

ルドガー(俺の語彙では語り尽くせないほどの素晴らしさだ…!)

ルドガー「……ミラ」

ミラ「な、なに?」

ルドガー「結婚しよう」キリッ

ミラ(どういうことよ!展開唐突すぎない!?)

エル「ミラ?どうしたの?」

ミラ「へっ…あ、なんでもないわ。本当に///」アセッ

エル「?ならいーけど」

ミラ「さ、夕飯にしましょ」

エル「おー!」



297: ◆wKarhnfzGE:2012/12/17(月) 20:36:55.44 ID:qTzot9V50

ルドガー「…?」

レイア「どうしたの?」

ルドガー「あ、いや…なんでもない」

レイア「じゃあご飯食べよ」

ルドガー「だな」

レイア「いただきまーす」

ルドガー「いただきます」


レイア「ふぅ…ごちそうさまでした」

ルドガー「ごちそうさま」

レイア「やっぱりルドガーの料理って美味しいね」

ルドガー「そう言ってもらえると嬉しい」

レイア「私もそれくらい上手だったらなぁ」

ルドガー「…そういえばレイア、俺にご飯作ってくれるんじゃなかったか?」

レイア「ぎくっ」

ルドガー「?」

レイア「いや…ほら、さ?ルドガーの料理と比べちゃうと私の料理なんて…」

ルドガー「ああ、そんなことか」

レイア「そ、そんなことって…」

レイア「一応女の子としてのプライドあるんだからね!」

ルドガー「レイア、料理に一番大切なものってなんだ?」

レイア「それはもちろん…あっ」

ルドガー「愛情があればどんな料理だって美味しく感じられるんだよ」

レイア「…そうだよね!」

ルドガー「レイアの料理、楽しみにしてる」

レイア「まっかせといてー!すっごいの作っちゃうんだから!」フンス

ルドガー「期待してるよ」



298: ◆wKarhnfzGE:2012/12/17(月) 20:54:55.27 ID:qTzot9V50

レイア「ひ~ま~」

ルドガー「もうすぐ風呂沸くから」

レイア「それまで何かしようよ~」

ルドガー「何かって…何もないな」

レイア「アルバムとかないの?昔のルドガーってどんな感じだったのか知りたいな」

ルドガー「そういうのは全部ユリウスが保管してるからな」

レイア「ムムム…じゃあイチャつく?」

ルドガー「結局それなのか」

レイア「だってそれくらいしかやることないし」

ルドガー「それを言われるとな…」

レイア「じゃ、ルドガーはこっちきて」ポンポン

ルドガー「…?」テクテク

レイア「それじゃ、ベッドの上座って」

ルドガー「ああ」ストンッ

レイア「頭を私の膝にのっけて」ポンポン

ルドガー「…??」ポスッ

レイア「じゃーん!ひざまくらー」

ルドガー「なるほどな…」

レイア「どう?気持ちいい?」

ルドガー「柔らかくて気持ちいいよ」

レイア「えへへ///でしょー!」ニコッ


ガイアス「ふんっ!ふんっ!ふんっ!」ドコッ

ミュゼ「アルバイト頑張ってるのね」

ガイアス「ああ、まだ始めたばかりだが中々充実している」

ミュゼ「…でもなぜかこの光景に既視感を覚えるのよね」

ガイアス「気のせいだろう」

ミュゼ「気のせいよね」

ガイアス「ああ」



299: ◆wKarhnfzGE:2012/12/17(月) 21:11:30.90 ID:qTzot9V50

ルドガー「ありがとうレイア」

レイア「これくらいお安い御用だよ」

ルドガー「お返しに俺も何かするよ」

レイア「ほんと?」

ルドガー「ああ」

レイア「じゃあ、ギュってしてよ」

ルドガー「…?いつもみたいにか?」

レイア「うん」

ルドガー「わかった」ギュッ

レイア「……」

ルドガー「…こんなのでいいのか?」

レイア「うんっ」スリスリ

ルドガー「なら、もっと」ギュウ

レイア「んー…気持ちいい」ポワン

ルドガー「……」

ルドガー(この体勢って意外と…やばいな)

レイア「ルドガー…あったかい…」ムニュ

ルドガー「……っ」

レイア「ルドガーはさ、幸せ?」ムニュムニュ

ルドガー「あ、ああ…そうだな…っ」

レイア「私も今すっごく幸せだよ…」

レイア「大好きな人といるだけでこんなに幸せなんだね」スッ

ルドガー「それ…少し前にも似たようなこと言ってなかったか…っ?」

レイア「ううん、違うよ──」



レイア「ねえルドガー、これ以上『幸せ』に…なろうよ?」ドキドキ



ルドガー「……」ゴクリ



レイア「ルドガーになら…私の初めて、あげる」



ルドガー「…レイアって、意外と策士なんだな」

レイア「?…策士って?」

ルドガー(天然であれをやったのか!?)

ルドガー「…わかった。レイア──」ドサッ

レイア「うん…」

ルドガー「大好きだ…」スッ

レイア「私も、だよ…」フルフル



300: ◆wKarhnfzGE:2012/12/17(月) 21:32:39.96 ID:qTzot9V50

ルドガー「……ふわあああ」スッ

ルドガー(昨日はあの後さんざんレイアにねだられて搾り取られた)

ルドガー(おまけにますます甘えたがりになった…)

ルドガー(このまま俺の身がもつか心配だ…)

ルドガー「…あれ、レイアがいないな」バサッ

ルドガー(帰ったのか?…いや、実は昨日の出来事が夢…とか?)テクテク

レイア「おはよー!ルードルードガー!」ダキッ

ルドガー「おっと!」ドサッ

レイア「起きるの遅かったね~」

ルドガー「ああ、昨日ちょっと疲れ…へっ!?」

レイア「ん、どうしたの?」

ルドガー「いや、その恰好…」

レイア「気づいたっ?」

ルドガー「気づくも何も…裸エプロンって…」

レイア「ルドガーこういうの好きかなーって」フリフリ

ルドガー「っ!?」バッ

レイア「どしたのいきなりベッドの下覗き込んで」

ルドガー「い、いや…なんでもない…」アセッ

レイア「その…どうかな?あんまりスタイルとか自信ないけど…」

ルドガー「そんなの関係ない!」

レイア「ふぇっ?」

ルドガー「レイア、そのまま新婚カップルの奥さんのセリフを言ってくれ」

レイア「へ?え、えーっと…」

レイア「おかえりなさいルドガー。料理にする?お風呂にする?それとも…わたし?」

ルドガー「レイアで」

レイア「へっ?えっ?」

ルドガー「今のレイアは思わずそう言っちゃうくらい可愛いんだ」

レイア「それはその…ありがと///」

ルドガー「俺こそありがとう、朝からこんな眼福をくれて」キリッ

レイア「なんかルドガーの情熱が伝わってくるよ…」

ルドガー「って、そういえばレイアはそんな恰好で何してたんだ?」

レイア「よくぞ聞いてくれました!実はね──」



309: ◆wKarhnfzGE:2012/12/18(火) 20:05:22.46 ID:CpG2oBt10

レイア「じゃーん!朝ご飯だよ」デーン

ルドガー「おお…!」

レイア「ルドガーにはかなわないけどね~」

ルドガー「いや、すごく美味しそうだよ」

レイア「そ、そうかな?味見はしたからまずいってことはないと思うけど…」

ルドガー「レイアが一生懸命作った料理ならどんなものでも美味しいよ」

レイア「…そ、そういうの真顔で言うの禁止っ///」

ルドガー「?」

レイア「ほ、ほら早く食べちゃおうよ。お味噌汁とか冷めちゃうよ?」

ルドガー「おっと、そうだな」

レイア「私は着替えてくるね」

ルドガー「え…着替えるのか?」

レイア「だって風邪ひいちゃうし…」

ルドガー「そ、そうだよな…わかった…」シュン

レイア(残念そうにしてる…気に入ってくれたのかな?)

レイア「ル、ルドガーが着て欲しいなら…言ってくれれば、いつでも着るから…」

ルドガー「…っ!?」

レイア「着替えてくるね」タタタッ

レイア(うう…結構恥ずかしいよ~!)

ルドガー「……とにかく、食べるか」

ルドガー「……」モグモグ

ルドガー「美味いな」


レイア「今日はどうする?」

ルドガー「多分そろそろエルが帰ってくる頃だな…」ジャー

レイア「じゃあエルが帰ってきたらどこかに出かけようよ!」

ルドガー「…けど、仕事はいいのか?」ゴシゴシ

レイア「うん、最近はルドガーのおかげで記事には困らないから、後は中身だよね」

ルドガー「ははは…役に立ってるならいいんだけど」キュッキュッ

レイア「…私も手伝おっか?洗い物」

ルドガー「いや、大丈夫だ」

レイア「でもやることないし」

ルドガー「もう少し待ってれば…俺も洗い物終わるから」ジャー

レイア「よーし、じゃあ応援してあげる!がんばれールドガー!負けるなールドガー!ルドガドガー!」

ルドガー「俺は誰と戦ってるんだ…?」



310: ◆wKarhnfzGE:2012/12/18(火) 20:16:34.53 ID:CpG2oBt10

エル「ルドガー!」ガチャ

ルドガー「おかえり」

エル「ただいまー」トテテ

ルドガー「走ると危ないぞ」

エル「へーきだもんっ…ってわわっ」ズルッ

ルドガー「だから言っただろ」ボスッ

エル「…ありがと」

ルドガー「これからは気をつけろよ?」

エル「うん」

レイア「…あー!ルドガーが浮気してるっ」

ルドガー「はあ!?」

レイア「エルのこと抱っこしてるじゃん!」

ルドガー「いや、これはエルが転びそうになったのを支えたから…」

レイア「今日は一回も抱きしめてもらってないよ私」

ルドガー「えー」

エル「あれ?なんでレイアがいるの?」

ルドガー「昨日レイアが家に泊まったんだ」

ルドガー「エルに言われたからな、伝えろって」

エル「…ってことは、ルドガーちゃんと言えたの?」

ルドガー「ああ。エルのおかげだよ」

エル「エル、えらい?」

ルドガー「ああ、えらいよ」ナデナデ

エル「もー、子供扱いしないでよー!」

レイア「ちょっと~私を放置してイチャイチャしないでよ~」

ルドガー「ええー」

レイア「これはもう浮気だね!誰が見ても浮気だね!」

エル「ウワキ?ルドガーはウワキしたの?」

ルドガー「いや…してない」

レイア「むーっ」ムス

ルドガー「いや、レイア…エルだぞ?」

レイア「わかってるよっ」

ルドガー(いや、その顔は全然わかってない…)



311: ◆wKarhnfzGE:2012/12/18(火) 22:42:48.83 ID:CpG2oBt10

エル「レイアなんで怒ってるの?」

ルドガー「あーそれは…」

レイア「…ルドガー」

ルドガー「?」

レイア「キスして」

ルドガー「!?」

レイア「エルからルドガーを取り戻すにはあっつーいキスをするしかないよ!」

ルドガー「いやその理屈はおかしい」

エル「…キス?ルドガーとレイア、キスするの?」

レイア「そうよ!恋人のキスをしちゃうからね~」

ルドガー「落ち着け」

レイア「私は落ち着いてるよ!」

ルドガー「絶対に落ち着いてないだろ!」

レイア「つべこべ言わない──んっ」チュ

ルドガー「んぐっ!?」

エル「…うわぁ///」

レイア「んっ…っと。これでどう!」

ルドガー「い、いきなり…」

エル「二人とも本当に恋人なんだね」

レイア「もちろん」エッヘン

レイア「…そうだよね?」ヒソヒソ

ルドガー(自信がないのは相変わらずなのか)

ルドガー「ああ。そうだ」

エル「そっか~。なんかすごいね」

ルドガー「すごい?」

エル「うん!なんかオトナって感じ!」

レイア「そりゃあもう昨日の夜は」

ルドガー「ちょっ!?」

レイア「って何言ってるの私///」

ルドガー(照れるくらいならうっかりでも言わないでくれ…)

エル「昨日の夜?何かあったの?」

ルドガー「な、なにもない。なんでもないから」

エル「ふ~ん?変なルドガー」



312: ◆wKarhnfzGE:2012/12/18(火) 23:03:44.26 ID:CpG2oBt10

ルドガー「と、とにかく!今日は出かけるんじゃなかったのか?」

レイア「おっと、そうだった」

エル「出かけるの?」

ルドガー「ああ、エルも一緒にな」

エル「エルも行っていいの?」

ルドガー「もちろんだ。最近遊んでなかったしな」

レイア「そういえば最近は一緒にいるところを見なかったね」

ルドガー「エルが気を遣ってくれたんだよ」

エル「べ、別にそういうわけじゃないし」

ルドガー「照れなくてもいいだろ?」

エル「照れてませんーっ」

レイア(やっぱりこうしてみると二人とも仲良し…っていうか家族みたいだなあ)

レイア(普通なら喜ぶのに、嫉妬しちゃう自分が嫌になるよ…)

ルドガー「どうした?レイア」

レイア「う、ううん!なんでもないよ」

レイア(こんな私でも…ルドガーは好きでいてくれるのかな?)

エル「今日はどこにお出かけするの?」

ルドガー「そうだな…っと、そうだ」

ルドガー「ル・ロンドに行かないか?」

レイア「へっ?」

エル「えーっと確か…あ、ジュードとレイアの家があるところ!」

ルドガー「そうだ」

レイア「で、でもなにしに…?」

ルドガー「恋人になったんだからさ…その、御両親に挨拶くらいはしておこうかと」

レイア「あっ…」

ルドガー「レイアの傍で支え続けるって決めたから、その約束を守るためにも近いうちには行かなきゃならないだろうし」

レイア「…うんっ、そうだね」

レイア(心配する必要なんてなかったんだね)

レイア(ルドガーはちゃんと私を見てくれてる)

エル「むー…ルドガーはエルのあいぼーなんだからね!」

レイア「でも私の恋人だよ♪」

エル「恋人よりもあいぼーのほうがすごいですー」

レイア「あいぼーよりも恋人のほうがオトナの関係でしょ~」

エル「むー」バチバチ

レイア「むー」バチバチ

ルドガー「二人は何を喧嘩してるんだ…」



313: ◆wKarhnfzGE:2012/12/18(火) 23:15:28.85 ID:CpG2oBt10

ルドガー「ほら、ふたりともでかけるぞ」

エル「ルドガー手つなごっ」ギュ

レイア「あーエルずるいっ」

エル「早い者勝ちだよーだ!」

レイア「いいもーん左手あるし」ギュ

エル「むー…レイアもなかなかやるね」ニッ

レイア「エルこそ」ニヤッ

ルドガー「このまま行くのか?」

レイア「もちろん♪」

エル「しゅっぱーつ♪」

ルドガー「…はぁ」

レイア(私はまだ自分に自信が持てないけど)

レイア(ルドガーが好きになってくれたのはこんな私だから)

レイア(いつか、胸を張ってルドガーの家族だって、言えるようになりたいな)

レイア「ねえルドガー」

ルドガー「?」

レイア「今、幸せ?」

ルドガー「……」

レイア「…?どうしたの」

ルドガー「いや、そんな当たり前のことを聞かれるなんて思わなくて」

レイア「あ、当たり前なのっ?」

ルドガー「大切な人が横にいる。傍で笑ってくれる」

ルドガー「幸せに決まってる」

レイア「そっか…うん、そうだよね」

レイア「私も、幸せだよ」

レイア(恋の味はほろ苦いなんていうけど──)

ルドガー「そうか」ニコッ

レイア(恋の味は甘いんだね、ルドガー)

レイア「だからね──」
 
 
 
 
 
レイア「愛してるよ、ルドガー」チュッ
 
 
 
 
 
レイア好感度が最大になった。
称号:甘い恋人を手に入れた。


reia episode 恋の味。  fin



314: ◆wKarhnfzGE:2012/12/18(火) 23:24:45.89 ID:CpG2oBt10

投下終了です。後半は若干強引にまとめにかかりました。これ以上ネタが思いつきません。
さて口リコン√を近いうちに投下します。明日は予定が入るかもしれないのでわかりませんが、週末には投下できると思います。
ミラ番外編は全部書き終わってネタが浮かんだらやるかもしれません。ただこれに関しては本当に何とも言えません。

口リコン編予告。
ルドガー「そうか…お前は…!」
ルドガー「天使だったんだな……エル」



318:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/20(木) 14:28:08.29 ID:QtuDURcS0



口リコン編って、エリーゼの扱いはどうなるんだろ…



319:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/20(木) 14:38:11.10 ID:pJSQKqnyo

エリーゼ√とエル√を総じてロリ編って言ってるんだよきっと



320: ◆wKarhnfzGE:2012/12/21(金) 20:23:54.04 ID:G8SJM0RC0

やっと来れました。
口リコン編=エル√の予定です。エリーゼ?知らんな。
エルは本編でもそれなりにイチャイチャしてるのであまり長くならないと思います。というか話が浮かばないです。

それでは投下します。



321: >>92の続きから ◆wKarhnfzGE:2012/12/21(金) 20:40:33.17 ID:G8SJM0RC0

ルドガー「口リコン…なのかもしれない」

レイア「……へっ?」

ルドガー「わからないんだ、自分の気持ちが」フルフル

レイア「わからない?」

ルドガー「今まで口リコンなんかじゃないって気持ちだけがあった」

ルドガー「だから疑いを晴らそうとしていて、ふと疑問に思ったんだ」

ルドガー「俺はどうしてこうまでしてるんだろうって」

レイア「…」

ルドガー「今まで通り接していれば、自然と疑いは晴れる…そうわかっていたのに」

レイア「うん、そうだよね」

レイア「私も冷静になればきっとルドガーは口リコンなんかじゃないってわかると思うよ」

ルドガー「…もしかしたら俺は、無意識にエルに惹かれているのかもしれない」

レイア「……本当なの?」

ルドガー「わからない」

ルドガー「今ここで結論を出すことはできない」

レイア「…そっか。でもね、ルドガー」

レイア「その気持ちは世間…ううん、世界を敵にまわしちゃうかもしれないんだよ?」

ルドガー「…わかってる」

レイア「それでも、ルドガーはエルを好きだって言える?」

ルドガー「……」

レイア「私は信じてるよ。ルドガーはそんな人じゃないって」

レイア「きっとルドガーは妹のように想ってるんだよ!だからその気持ちがちょっとおかしいように感じただけだよ、きっと!」

ルドガー「…ああ、そうだな」

レイア「うん、だからこの話はおしまい!」

レイア「さ、デートの続きしよっ」ニコッ

ルドガー「デート!?」

レイア「ほらほら~案内してくれるんでしょ?闘技場とか!」

ルドガー「闘技場はないって…」

レイア(私、わかったよ。ルドガーへの気持ち)

レイア(だから…私はルドガーを口リコンになんてさせない。絶対に)


ルドガー(結局レイアに一日中つき合わされた)

ルドガー(それはそれで楽しい時間だった)

ルドガー(でも心の奥底にはあの疑問が渦巻いていた…)


ルドガー(俺は、エルのことをどう思ってるんだ?)



elle episode 少女のために、口リコンになる覚悟はあるか?



322: ◆wKarhnfzGE:2012/12/21(金) 20:49:20.77 ID:G8SJM0RC0

エル「ただいまー」ガチャ

ルドガー「ああ、おかえり」

エル「おなかすいたー」

ルドガー「もうすぐできるよ」

エル「んー」

ルドガー「手を洗ってこい」

エル「わかってますよー」トテテ

ルドガー「うがいも」

エル「だいじょうぶー!」

ルドガー「ははは…」


エル「いただきまーす!」

ルドガー「めしあがれ」

エル「…んー、おいしい!」モグモグ

ルドガー「そうか」

エル「ルドガーの料理はいっつもおいしいよね」

ルドガー「……」ドヤッ

エル「パパには勝てないけど」

ルドガー「……」シュン

エル「でもパパの料理以外だったら一番だよ」

ルドガー「…そっか」

エル「最近、カナンの道標みつかんないね」モグモグ

ルドガー「任務が来ないからな」

エル「早くいきたいな~」

ルドガー「パパに会いたいか?」

エル「うんっ!」

ルドガー「そっか…パパはどんな人なんだ?」

エル「んー優しくて、強くて、かっこよくて……あと料理がとくい!」

ルドガー「無敵だな」

エル「エルのパパはカンペキチョージンだよ」ドヤッ

ルドガー「俺じゃかなわないな」

エル「…そうかも」

ルドガー「……」ガクッ

エル「でも、ルドガーも優しくて強くてかっこいいよね!料理も得意だし!」

ルドガー「……」フッ

エル「パパの次だけど」

ルドガー「……」ガーン



323: ◆wKarhnfzGE:2012/12/21(金) 21:07:55.43 ID:G8SJM0RC0

ルドガー「そういえば今日はエリーゼやローエンとなにをしてたんだ?」

エル「ナイショ!」

ルドガー「……」ジー

エル「ナイショだってば」

ルドガー「…なら、エリーゼに聞こう」

エル「あ、それ反則!」

ルドガー「じゃあローエンに聞く」

エル「ローエンに聞くのもダメ!」

ルドガー「ケチだな」

エル「ケチでいいですー」

ルドガー「…なんで教えてくれないんだ?」

エル「ルドガーにはまだナイショ」

ルドガー「……」

エル「……」

ルドガー「ふぅ、わかった。危ないことはしてないんだな?」

エル「うん、ケガするとルドガーがうるさいし」

ルドガー「当たり前だ」

エル「ほんとルドガーってカホゴだよね。パパみたい」

ルドガー「エルみたいに可愛い子が怪我したら心配……えっ」

エル「?」

ルドガー「あ、いや…なんでもない」

ルドガー「とにかく、危ないことをしてないならいいさ」

ルドガー(俺は今、何と言おうとした?)

ルドガー(いや、言葉自体はおかしくない…けど)

ルドガー(今の発言…まるで俺が口リコン──)

エル「早く食べないとご飯冷めちゃうよ?」モグモグ

ルドガー「…そうだな」

エル「あ、ルルにご飯あげないと!」

ルドガー「風呂湧いてるから、エサやったら入るんだぞ」

エル「りょーかい!」



324: ◆wKarhnfzGE:2012/12/21(金) 21:38:33.49 ID:G8SJM0RC0

エル「うー」ワシャワシャ

エル「髪がうまく洗えない…」ショボン

エル「ルドガーに」

エル「…ううん、エルはオトナなんだから髪くらい洗わないと!」ダンッ

エル「いたっ」ゴチッ


ルドガー「…?」

ルドガー(なにしてるんだエルの奴?)

ルドガー「いや、いいか」

ルドガー(それよりもさっきの事だ)

ルドガー(エルと会って、特別な感情は起こらなかった)

ルドガー(むしろいつも通りで拍子抜けしたくらいだ)

ルドガー(少しだけハプニングはあったけれど…意識しすぎただけだな)

ルドガー「俺は…大丈夫だ」


レイア「──というわけで、第一回ルドガーを口リコンにさせない会議を開始します」

ジュード「なにがというわけなの?」

ミラ「意味が分からないんだけど」

アルヴィン「しかもこの面子かよ」

レイア「だって他の人たちはみんな都合が合わなかったんだもん」

ジュード「…でもねえ」

アルヴィン「なあ?」

ジュード(メンバーの半分が口リコンなんだけど)

アルヴィン(しかもなんだよ口リコンにさせない会議って)

ジュード(どうする?)

アルヴィン(…ルドガーが不憫だし、うまい感じにレイアを操縦してうやむやにすんぞ)

ジュード(了解)

アルヴィン「あーそのだな、趣味嗜好は個人の自由なんじゃないか?」

ジュード「そうだよね、うん。ルドガーが小さい子が好きならそれでもいいんじゃない?」

レイア「そういう問題じゃないの!いい?口リコンは犯罪者なんだよ?」

ミラ「心底帰りたい」

ジュード「それは聞き捨てならないよ!口リコンにだって良い人はいるよ!」

アルヴィン「そうだぜ。頭ごなしに否定なんて間違ってるだろ」

レイア「う…、それはそうだけど…」

ジュード「でしょ?だからルドガーの好きにさせてあげなよ」

アルヴィン「そうだな。ルドガーはそれで犯罪起こすってわけでもないんだろ?ならいいじゃねえか」

レイア「で、でも…その…倫理的に…」

ジュード「倫理がなんだよ!そんな理由で口リコンをやめろだなんてあまりにも非道だよ!」

アルヴィン「口リコンはただ小さい子を愛でたいだけなんだよ!穢れなき純粋な愛なんだよ!」

ミラ「なんで熱弁してるのかしらこの二人」



325: ◆wKarhnfzGE:2012/12/21(金) 22:11:31.89 ID:G8SJM0RC0

レイア「で、でも…口リコンになるってことは世間から敵意の目で見られ続けるんだよ?」

ジュード「そ、それは…」

アルヴィン「くっ……」

レイア「私、大切な仲間がそんな風に蔑まれるのなんて見たくないよ」

ジュード「それは…僕だってそうだけど…」

アルヴィン「ま、まあそうだな…」

レイア「ルドガーはエルのことを大事なのは分かってる…でもそれが恋愛感情に変わったら…」

ジュード「……」

アルヴィン「……」

ミラ(え、なんでこんなにシリアスな空気なの?)

レイア「エルはきっとルドガーのことを相棒として見てるよ」

レイア「ルドガーがもし…エルに…」

ジュード「レイア…」

レイア「ううん、そんなことないのはわかってるよ?でも万が一の可能性だってあるわけだし」

アルヴィン「確かに、それは良くないな…」

ミラ「私ってここにいる意味あるのかしら」

レイア「だから私は、ルドガーを正しい道に導いてあげたいって思うんだ」

ジュード「…」

アルヴィン「…」

ジュード(ねえアルヴィン)

アルヴィン(わかってる。ここはレイアの気持ちを汲んでやろうぜ)

ジュード「わかったよ、レイア」

アルヴィン「ああ、そこまで言われちゃ断れないな」

ミラ「……」

レイア「ジュード…アルヴィン…」

レイア「その…ミラは?」

ミラ「よくもさっきまで無視してくれたわね」

レイア「ご、ごめんなさい」

ミラ「ま、いいわ。私も手伝ってあげる」

レイア「いいの?」

ミラ「ええ。…確かめたいこともあるし」

レイア「ありがとっ!」

レイア「それじゃ、会議をはじめよっか!」



326: ◆wKarhnfzGE:2012/12/21(金) 23:13:48.85 ID:G8SJM0RC0

ルドガー「いい湯だった」ホカホカ

エル「牛乳あるよ」

ルドガー「もらうよ」

エル「はい」

ルドガー「ありがとう」ゴクゴク

エル「髪結んで」

ルドガー「ああ」

ルドガー「……」

エル「……」

ルドガー「今日はお風呂、一人で入れたんだな」

エル「エルはオトナなんだからこれくらいとーぜん!」

ルドガー「髪も一人で結んでくれたらな」

エル「じっとしてるのもつらいの!」

ルドガー「はぁ」

エル「…今度結び方教えて」

ルドガー「!」

エル「ルドガーに迷惑かけないように頑張る」

ルドガー「ああ、頑張ろうな」

エル「うんっ」


ルドガー「そろそろ寝るか?」

エル「ん~…もうちょっと…」コックリ

ルドガー「寝てないか?」

エル「寝てない…」ウトウト

ルドガー「今日はここまでだな」

エル「エル…まだできるよ?」ゴシゴシ

ルドガー「そんな眠そうにしながら言われてもな」

ルドガー「時間は沢山ある」

エル「…ルドガー」

ルドガー「どうした?」

エル「ずっといっしょだよ…?」

ルドガー「当たり前だ、ほら早く寝るぞ」スタスタ

エル「うん…」トテテ

ルドガー「おやすみ」ゴソゴソ

エル「おやすみ~」ゴソゴソ

ルドガー(明日は料理、ちゃんと作れるといいな)

ルドガー「……」ナデナデ



331: ◆wKarhnfzGE:2012/12/22(土) 23:49:44.56 ID:xtD8kMrL0

~エル視点 二日前~

エル「お小遣いは持ったし、準備かんりょーだね」

エル「おいでルル」

ルル「ナァ~」

エル「今日はルルのエサを買いにいくよ」

ルル「ナァ!」

エル「ルルもうれしいよね」

エル「今日はルドガーがいないけど、一緒にガンバロー!」

ルル「ナァ~!」


エル「~♪」テクテク

ガイアス「…む、エルか?」

エル「あ、王様!」

ガイアス「ルドガーはどうした?」

エル「今日はエル一人でルルのエサを買いに行くの!」

ガイアス「お使いか、偉いな」

エル「まーね!」ドヤッ

ガイアス「しかし子供が一人で行くのは感心しないな」

ガイアス「俺も用事があるが…まあ途中までなら手伝ってやろう」

エル「いいの?」

ガイアス「無論だ」

エル「ルル!仲間が増えたよ」

ルル「ナァ」

エル「そーだ、王様!ろりこんって何か知ってる?」

ガイアス「口リコン…だと?」

エル「なんかね、ルドガーがろりこんと思われてるって」

ガイアス「ふむ…まあ奴の行動はそう思われても仕方ないだろうな」

エル「そうなの?」

ガイアス「ああ。分かりやすく説明すると、年端も行かぬ少女が恋愛対象になる人間…ということだな」

エル「…??」

ガイアス「悪い言い方をすればただの変態だ」

エル「ルドガーはヘンタイなの?」

ガイアス「いや…奴の場合はそれなりに理由がありそうではあるな。あまりにお前に固執しすぎている」

エル「えっ…?」



332: ◆wKarhnfzGE:2012/12/23(日) 00:03:22.36 ID:moHaG0gX0

エル「ルドガーがろりこんって思われてるのって…エルのせいなの?」

ガイアス「いや、それは違うだろう」

エル「でも今…」

ガイアス「そもそも奴は口リコンではない」

エル「でもルドガーはそう思われてるって」

ガイアス「……確かに、そう思われても仕方ないだろう」

エル「ならやっぱりエルが」

ガイアス「が、お前が悪いわけでもない」

ガイアス「無論、ルドガーが悪いわけでもないのだ」

エル「じゃあ、だれが悪いの?」

ガイアス「おそらく、誰も悪くはない。それ故にこの問題は他人が口出しをしてもどうにもならんのだ」

エル「それじゃ…ルドガーがかわいそう…」

ガイアス「…本当にルドガーが大切なのだな」

エル「だってルドガーは大切なあいぼーだもん!」

ガイアス「なら、ルドガーもお前のことをそう思っているだろう」

エル「そうかな?エルのことどうでもいいって思ってない?」

ガイアス「ありえんな。奴の過保護さはお前が一番わかっているだろう」

エル「うん」

ガイアス「ルドガーとエルの間には目に見えない絆があるようだな」

エル「…」

ガイアス「その絆を大事にしろ。お前は最後まで奴の味方でいてやれ」

エル「エルは…ルドガーの味方だよ。ずっと!」

ガイアス「それでいい……さて、そろそろ時間だな」

エル「ありがと王様!」

ガイアス「気にするな。中々に有意義な時間だった」スタスタ

エル「王様、カッコいいね。ルル」

ルル「ナァナァ!」

エル「ルルもカッコいいと思うよ」

ルル「ナァ」

エル「よーし、それじゃいこー」テクテク


エリーゼ「あれ?」

ローエン「おやおや、あれは…エルさんですね」

エリーゼ「どうしたんでしょうか?」

ローエン「直接聞いてみましょう」



333: ◆wKarhnfzGE:2012/12/23(日) 01:27:16.29 ID:moHaG0gX0

エリーゼ「エル~」

エル「あ、エリーゼにローエン!」

ローエン「お一人のようですが、ルドガーさんはどうしたんですか?」

エル「…なんでみんな同じこと聞くの?」

ローエン「そりゃルドガーさんといえばエルさん。エルさんといえばルドガーさんですからね」

エリーゼ「二人ともとっても仲良しです」

エル「そ、そんなことない!///」

エリーゼ「もしかして照れてます?」

エル「照れてないしっ!」

ローエン「ふふふ、かわいらしいですね」

エリーゼ「エルかわいいですっ」

エル「もーっ!」

ローエン「エルさんが怒ってしまいましたし、そろそろ話を戻しましょう」

エリーゼ「エルは一人でどこへ行こうとしてたんですか?」

エル「ルルのエサを買いに行く!」

ローエン「なるほど、お一人でお使いですか。偉いですね」

エル「ふふん♪」

エリーゼ「すごいです!」

エル「もっと褒めてくれてもいいよ?」ドヤー

エリーゼ「あはは……」

ローエン「そういえばエリーゼさん、ちょうどいいですから、エルさんも『アレ』に誘ってみませんか?」

エリーゼ「ああ『アレ』ですね」

エル「『アレ』ってなに?」

ローエン「実はドロッセルお嬢様のお屋敷でとあるものを作っているんですよ」

エル「とあるもの?」

エリーゼ「はい。大事な人に贈るプレゼントですよ♪」

エル「プレゼント、かぁ…」

ローエン「ルドガーさんに日頃の感謝をこめてプレゼントなんてどうでしょう?」

エリーゼ「きっと喜びますよ」

エル「ほんと?ルドガーよろこぶ?」

ローエン「もちろんですよ」

ローエン「きっとあまりの嬉しさに一日中スキップしてるでしょうね」

エリーゼ「踊ったりしちゃいますよきっと!」

エル「……やる!」



334: ◆wKarhnfzGE:2012/12/23(日) 02:26:45.79 ID:moHaG0gX0

エリーゼ「やりました!」

ローエン「よかったですね、エリーゼさん」

エリーゼ「きっとドロッセルも喜びます」

エル「今からやるの?」

ローエン「いえ、明日から開始予定です」

エリーゼ「二日かけて作るものですから、予定あけといてくださいね!」

ローエン「もちろん用事がある場合や、やりたくないと思いましたら断っても構いませんので」

エル「うんっ」

エリーゼ「それじゃあドロッセルに報告してきます!」タタッ

ローエン「GHSで連絡すればよろしいのでは?…ってもういませんね」

エル「追いかけなくていいの?」

ローエン「きっと途中で気づくでしょうし、このままエルさんを放っては置けません」

エル「ついてきてくれるの?」

ローエン「ええ、エルさんがしっかりお使いをできるか見守っていますよ」

エル「じゃあ、しゅっぱーつ!」

ローエン「出発ですね」


エル「無事に買えた!」

ローエン「よく買えましたね」

エル「こんなのよゆーだし!」

ローエン「エルさんはオトナですからね」

エル「そーそー!」

ローエン「では帰りは一人で大丈夫でしょうか?」

エル「うん!もともとそんなに遠くないし!」

ローエン「わかりました、ではこれで」

エル「またねー」ブンブン

ローエン「はい、また…」スタスタ

エル「エサも買ったし…少しだけ寄り道しよっかな」

ルル「ナァ?」

エル「公園であそぼ!ルル」

ルル「ナァ!」



339: ◆wKarhnfzGE:2012/12/24(月) 21:58:13.66 ID:j+O3EpCH0

~エル視点 前日~

エル「おじゃまします」

ドロッセル「あら、いらっしゃい」

エリーゼ「エル!来たんですね」

エル「約束したから」

エリーゼ「ふふ、それでも嬉しいです」

ドロッセル「さあ、始めましょうか」

ローエン「こちらに材料などの用意は済ましてあります」

エリーゼ「さすがローエンです」

エル「これ…なに?」

ドロッセル「特注の石よ」

エル「すごいきれいな石だね」

エリーゼ「これってもしかして宝石ですか?」

エル「宝石なの!?」

ドロッセル「ええ、そうよ」

エリーゼ「そんなもの使っちゃってもいいんですか?」

ドロッセル「大した金額じゃないし、気にしなくていいのよ」

エル「宝石…きれー」キラキラ

ドロッセル「それにエルは気に入っちゃったみたいだし」

エリーゼ「ありがとうございます」

ドロッセル「気にしなくていいのよ」

エル「でもこれで何を作るの?」

ドロッセル「色々あるけど…エルはルドガーにあげるのよね」

エル「な、なんで知ってるの!?」

ドロッセル「うふふ、それくらいわかるわ」

ドロッセル「ルドガーって何かアクセサリみたいなのはしてる?」

エル「特につけてなかった…きがする」

ドロッセル「そう、なら…腕輪とかいいんじゃないかしら」

ドロッセル「ネックレスも考えたけど、ルドガーには腕輪とか似合いそうね」

エリーゼ「あ、それ分かる気がします」

エル「腕輪…いいかも」

ドロッセル「それじゃ、作りましょうか」

エリーゼ「はい!」

エル「おー!」



340: ◆wKarhnfzGE:2012/12/24(月) 22:04:19.04 ID:j+O3EpCH0

ドロッセル「……ねえエリーゼ」ヒソヒソ

エリーゼ「……どうしたんですか?」ヒソヒソ

ドロッセル「エル宝石気に入ってるみたいだから、エルの分も作ってあげない?」ヒソヒソ

エリーゼ「それいいですね!」ヒソヒソ

ドロッセル「ルドガーとお揃いにしてあげましょう」ヒソヒソ

エリーゼ「はい」ヒソヒソ

エル「何話してるの?」

ドロッセル「良いこと考えたのよ♪」

エル「良いこと?」

エリーゼ「エルにはまだ内緒です!」

エル「??」


ドロッセル「あら、もうこんな時間」

エル「……」カチャカチャ

エリーゼ「そろそろルドガーが心配しそうです」

ドロッセル「エル、そろそろ終わりにしましょ?」

エル「へっ?」

ドロッセル「もうすっかり日が暮れちゃったわよ」

エル「いけない!ルドガーが心配するかも」

エリーゼ「早く帰ったほうがいいですよ」

エル「…でもまだできてない」

ドロッセル「また明日つくりましょう?この調子なら明日には完成できるわ」

エル「本当?」

ドロッセル「ええ、もちろん」

エル「わかった」

ドロッセル「ローエン」

ローエン「はい。エルさん、私が家の近くまで送りましょう」スタスタ

エル「うんっ」トテテ

ドロッセル「さて、と」

エリーゼ「?…どうしたんですか?」

ドロッセル「あら、私たちにはまだ作業があるわよ?」ニヤッ

エリーゼ「…ふふ、そうですね」ニコッ



341: ◆wKarhnfzGE:2012/12/24(月) 22:18:03.75 ID:j+O3EpCH0

~ルドガー視点~

ルドガー「……」ムクリ

ルドガー「もう朝か」スクッ

ルドガー(今日の朝飯は何にしようか)

エル「…るどがぁ…むにゅむにゅ……」

ルドガー「朝飯できたら起こすからな」ナデナデ


エル「おはよう~」

ルドガー「ああ、おはよう」

エル「いいにおいがする!」

ルドガー「今から起こそうと思ったんだけど、少し早かったな」

エル「もう食べていい?」

ルドガー「ああ」

エル「いただきまーす」モグモグ

ルドガー「召し上がれ」


エル「今日もエリーゼたちと遊んでくるね」

ルドガー「俺もついていっていいか?」

エル「ダメ!」

ルドガー「なんでだ?」シュン

エル「ルドガーは絶対にダメ」

ルドガー(なんでこんなに露骨に嫌がられてるんだ?)

ルドガー(まさかエル──!?)

ルドガー「エル、俺はロリコ」

エル「それじゃ、行ってくるねっ」タタタッ

ルドガー「逃げられた…」

ルドガー(まさかエル、本当に俺のこと口リコンだと思って……!)

ルドガー「なんとかしないと…」prrr

ルドガー(電話か…タイミング悪いな)

ルドガー「…はい」ピッ

ジュード『あ、ルドガー?』

ルドガー「どうした?」

ジュード『ちょっと話したいことがあるんだ。商業区まで来てくれる?』

ルドガー「分かった」

ルドガー(どうかしたのか?)



342: ◆wKarhnfzGE:2012/12/24(月) 22:32:42.48 ID:j+O3EpCH0

ジュード「なんとか呼び出したよ…」ピッ

アルヴィン「なあ、本当にやるのか?」

レイア「や、やるよ…ルドガーのためだもんっ」

ミラ「こういう『協力』だとは思ってなかったんだけど…」

ジュード「あはは…でも二人ともとっても似合ってるよ」

アルヴィン「ああ、似合ってるには似合ってるんだけどな…」

レイア「メイド服ってちょっとミニスカ過ぎるよね」

ミラ「なんで私までこんな格好しなきゃならないのよ」ドヨーン

レイア「でもミラすっごく可愛いよ!」

ミラ「嬉しさより恥ずかしさのほうが大きいわよ」

レイア「わ、私もそうだけどさ…///」

ジュード「…正直、うまくいくと思う?」ヒソヒソ

アルヴィン「…無理だろ。というかルドガーなら普通に褒めてレイアが照れてうやむやになるな。絶対」ヒソヒソ

ジュード「…だよね」

レイア「さあ、メイドさんでドッキドキ作戦やるよ!」

ミラ「……頭が痛くなってきたわ」


ルドガー「確かこの辺に…」

ジュード「あ、ルドガー!」

ルドガー「どうしたんだ?こんなところに呼び出して」

ジュード「悪いんだけどトリグラフ港の宿屋まで一緒に来てもらえる?」

ルドガー「ここじゃ話せないことなのか?」

ジュード「話せないというか…来てくれればわかると思うよ」テクテク

ルドガー「?」テクテク


ルドガー「着いたな」

ジュード「それじゃ僕はこの辺で…」

ルドガー「へっ?」

ジュード「一番奥の部屋を訪ねてみてよ」

ルドガー「ああ、わかったけど…?」

ジュード「色々、ごめんね…」スタスタ

ルドガー「??」

ルドガー「とにかく行ってみるか」テクテク

ルドガー「…ここか」

ルドガー「…」トントン

レイア『どうぞー』

ルドガー(レイアの声…か?)ガチャリ

レイア「お帰りなさいませーっ!ご主人様♪」ニコッ

ミラ「べ、別にアンタの帰りなんか待ってなかったんだからねーご主人様ー(棒)」



343: ◆wKarhnfzGE:2012/12/24(月) 22:45:35.25 ID:j+O3EpCH0

ルドガー「…」

ルドガー「……」

レイア「ご主人様…どうかしましたか?」

ルドガー「訳が分からない!なんだここ!?分史世界!?」

レイア「ルドガーがおかしくなった!?」

ルドガー「おかしいのはレイアたちだろ!?どうなってるんだ!?」

ミラ「あまりの展開にキャラが崩れてるわね」

ルドガー「……」

レイア「…あはは」

ミラ「…あははじゃないわよ」

ルドガー「どういうことか説明してくれるか?」

レイア「ほ、ほら…最近ルドガー疲れてるみたいだから癒してあげよっかな~って」

ルドガー「それで…メイドなのか?」

レイア「癒すと言ったらメイドだよね!」

ルドガー「…はあ」

ミラ「その気持ちわかるわ」

レイア「あれ?なんか私が悪い空気!?」

ルドガー「いや、気持ちは嬉しいよ」

ミラ「気を遣わなくていいのよ」

ルドガー「さっきはあまりに唐突過ぎて脳の処理が追いつかなかっただけだよ」

ルドガー「冷静に考えたら純粋に嬉しいし…他に方法はなかったのかとは言いたいけど」

レイア「もしかしてメイドはあまり好きじゃなかった?」

ルドガー「そういう…問題じゃ…ない…っ!」

ミラ「ま、癒してあげたいっていうのは本当だから。少しだけ付き合って」

ルドガー「…ああ、そうだな」

レイア「やたっ!それじゃあご主人様、こちらに~」

ルドガー「ご主人様っていうのはやめてほしい…」

レイア「そう?じゃあ、お兄ちゃん?お兄様?…もしかしてパパ?」

ルドガー「なんでよりマニアックになったんだ…っ!しかもどれも犯罪的な香りしかしないだろ…!」

ルドガー「普通に呼んでくれ…頼むから」

ミラ「わかったわ、おにーちゃん♪」ニヤッ

ルドガー「おい」

レイア「とにかく、こっち来てよルドガー」ニコ

ルドガー「…ああ」



347: ◆wKarhnfzGE:2012/12/27(木) 21:18:44.06 ID:Ul8ZKAMq0

レイア「それじゃ、ルドガーを癒すからね~」

ルドガー「お手柔らかにな」

レイア「まっかせなさい!」

ミラ「…で、私は何をすればいの?」

レイア「ミラはちょっとルドガーと話してて!」

レイア「私は『お茶』を淹れてくるから♪」

ミラ「…『アレ』ね」

レイア「うんっ」タタタッ

ルドガー「…?」ゾクッ

ルドガー(なぜだか悪寒がする)

ミラ「ま、ちょうどいい機会ね」ボソッ

ルドガー「?」

ミラ「一つ聞きたいことがあるんだけど」

ルドガー「なんだ?」

ミラ「あなたエルの事どう思ってるの?」

ルドガー「どうしてそんな事を?」

ミラ「興味本位よ」

ルドガー「……うーん」

ミラ「……」

ルドガー「なんて言えばいいのか…」

ミラ「自分で分かってないの?」

ルドガー「ああ。大切なのは間違いないけど…どう思ってるか、か」

ミラ「…あなたは」

ルドガー「?」

ミラ「ねえ、本当に自分の気持ちに気づいてないの?」

ルドガー「いや、それがわからな──」

ミラ「分かっているのに目をそらしているだけじゃないの?」

ルドガー「…!」

ミラ「エルの事が大切なんでしょ?」

ルドガー「ああ」

ミラ「他の何を賭けても、エルが大切って言いきれる?」

ルドガー「もちろんだ」

ミラ「なら、あなたの気持ちなんて分かりきってるじゃない」

ルドガー「えっ?」



348: ◆wKarhnfzGE:2012/12/27(木) 21:32:55.48 ID:Ul8ZKAMq0

ミラ「ルドガーはエルの事を──」

ルドガー「それは違う!」

ミラ「!」

ルドガー「俺は…そんなつもりじゃない、ただ…エルを…」

ミラ「…」

ルドガー「この感情自体が間違いなんだ…俺はエルの相棒で…それで…」

ミラ「…はぁ」

ルドガー「エルのことを……なんて、絶対に違う!エルだってそんなこと…」

ミラ「少し落ち着きなさいよ」

ルドガー「…ごめん」

ミラ「今はこれ以上言っても混乱しそうだから…何も言わないけど」

ミラ「冷静になったらもう一度考えてみなさい。自分の気持ちを」

ルドガー「そうだな…」


アルヴィン「ぜぇ…ぜぇ…」

レイア「もー!アルヴィン遅いよ!」

アルヴィン「バカ言うなよ…こっちはあちこち走り回ってんだぞ」

レイア「そうやってすぐ言い訳する」

アルヴィン「いや『コレ』を探すのどんだけ大変だと思ってるんだよ」

レイア「わかんないけど、いつもルドガーはサッと持ってきてくれるよ?」

アルヴィン「あいつにはルルっていう足があんだよ!ネコ数十匹と人間一人ならネコのほうが役に立つに決まってんだろ!」

レイア「むー…まあいっか」

アルヴィン「もう言い返す気力も無いわ…とりあえずこれ」

レイア「これがエクスマキナかぁ」

アルヴィン「未成年は飲むなよ」

レイア「分かってるって♪」

アルヴィン「あんま混ぜすぎるなよ」

レイア「少しでいいんだよね?」

アルヴィン「ああ。ルドガーはどう見ても酒に慣れてなさそうだしな、キツイだろ」

レイア「了解♪これでルドガーのホンネを…」

アルヴィン「それでいいのかよ記者見習い」

レイア「こ、今回はノーカンだから!」

アルヴィン「ノーカン、ねえ」

アルヴィン(ま、そこまでやばいことにはならないだろ)

アルヴィン(ルドガーも酒に呑まれるタイプには見えないしな)



349: ◆wKarhnfzGE:2012/12/27(木) 21:44:51.82 ID:Ul8ZKAMq0

レイア「おっまたせ~!」バーン

ルドガー「あ、ああ」

ミラ「遅かったわね」

レイア「あれ?なんか微妙な空気?」

ルドガー「ちょっと話をしてただけだ」

レイア「そう?なら喉乾いたでしょ」

ルドガー「少しな」

レイア「ささ、どうぞどうぞ~」スッ

ルドガー「いただきます」ゴク

ミラ「…上手くいくと思う?」ボソッ

レイア「…たぶん」ボソッ

ルドガー「……」

レイア「どう?おいしいかな?」

ルドガー「…少し変な味がしたけど」

ルドガー(なんだかクラクラするな)

ルドガー(それに身体が少し…熱い?)

レイア「ルドガー?」

ミラ「…これ、やばいんじゃない?」

レイア「わ、わかんないよ~」

ルドガー「レイア!」

レイア「は、はい!」

ルドガー「おかわり、持ってきてくれ」

レイア「わかりました!」

ルドガー(不思議と気分が高揚してくる…)ボー

ミラ「どうかした?」

ルドガー「いや、ミラは綺麗だなって思って」

ミラ「へっ!?」

ルドガー「ふと思ったけど、俺の周りってみんな美男美女ばっかりだよな」

ミラ「そ、そう?」

ルドガー「ジュードは好青年って感じだし、ガイアスは文句なしのイケメンだよな」

ルドガー「アルヴィンはワイルドな感じが凄くいい味出してると思うし、ローエンは…紳士だよな」

ミラ(今若干言葉が濁ったわね)

ルドガー「女性陣は特にコメントを言うまでもなくみんな可愛いし…」

ミラ(急に饒舌になったと思ったらいきなりとんでもないこと言い出したわね)

レイア「ただ今持ってきました!…って何の話してたの?なんかミラの顔赤くない?」

ミラ「き、気のせいよっ!」



350: ◆wKarhnfzGE:2012/12/27(木) 21:55:50.81 ID:Ul8ZKAMq0

ルドガー「みんな美男美女ばっかりだよなって話をしてたんだよ」

レイア「えっ」

ルドガー「レイアもすごくかわいいと思う。特に──」

レイア「…こ、これってどういうこと?」ボソ

ミラ「…たぶん酒がまわったんじゃない?」ボソ

レイア「じゃあ、チャンスかも?」ボソ

ミラ「…色々とまずい気がするけど」ボソ

レイア「この機を逃したらもうチャンスはないよ!」

ミラ(……ルドガーの理性にかけるしかないわね)

レイア「ね、ねえルドガー?」

ルドガー「どうした?」

レイア「ルドガーの周りにいる女の子の中で一番好きなのは?」

ルドガー「エル!」ドンッ

レイア「!?」

ミラ「!?」

レイア「えーっと、エリーゼの事?」

ミラ「いや、どっちにしろ駄目じゃない?」

ルドガー「いや、エル以外ありえない!」

レイア「そ、それじゃあ…付き合いたいのは?」

ルドガー「エル!」バーン

ミラ「ぶれないわね」

レイア「こうなったら…結婚したいのは!?」

ルドガー「エル!!」ドドド

レイア「うわあああああん!」

ミラ「逆に男らしいわね」

ミラ(フォローさえ無理なほど)

レイア「…どうしてエルなの?」グスッ

ルドガー「エルは可愛い」

レイア「わ、わたしだってその…ミラは綺麗じゃない?」

ミラ「なんでそこで私に…!」

ルドガー「レイアもミラも可愛いと思う」

レイア「ほんと?」

ルドガー「ああ。メイド服も良く似合ってる」

ミラ「…じゃあなんでエルを選んだのかしら」

ルドガー「天使だからだ」ドヤァ

ミラ「ごめん、意味が分からないわ」



351: ◆wKarhnfzGE:2012/12/27(木) 22:08:30.16 ID:Ul8ZKAMq0

ルドガー「たとえばエルが夜怖くて眠れないって抱きついてくるとする」

レイア「うん」

ルドガー「かわいい」

ミラ「…」

ルドガー「たとえばエルが風呂に入った後髪が結べなくて四苦八苦してる」

レイア「…うん」

ルドガー「かわいい」

ミラ「……」

ルドガー「たとえばエルが苦手なトマトがあってどうやったら怒られずに残すか考えてる」

レイア「……うん」

ルドガー「かわいい」

ミラ「………」

ルドガー「たとえば」

レイア「もういいよ!ルドガーのエルへの愛は十分伝わったよ!!」

ミラ「一周まわって逆に応援したくなってきたんだけど」

ルドガー「まだまだあったんだけど(´・ω・`) 」

レイア「そ、そうだ…!エルがオトナになったらどうする?」

ルドガー「エルという存在がもうすでにかわいい」

ミラ「もうこれ口リコンとかそういう域を超えてるんじゃないかしら」

ルドガー「ぶっちゃけエルの仕草一つ一つが可愛い」

レイア「これもう好きじゃなくて愛の次元だよぅ…」

ルドガー「なめまわしたい」

レイア「病院に電話しないと」

ミラ「こういうときは通報のほうがいいんじゃない」

ルドガー「それくらい可愛いってことだよ」

ミラ「どっちにせよ通報よ」

ルドガー「俺だってわかってるさ…エルは俺のことを家族だって思ってる」

ルドガー「いや…もしかしたら父親の代わりとさえ思ってるかもしれない」

レイア「ルドガー…」

ルドガー「そんなエルの想いを裏切りたくないから、俺は自分の気持ちから目を背けてた」

ミラ「……」

ルドガー「でも俺はエルが大好きなんだ!愛してる!」

ルドガー「エルのためなら世界の百万くらい壊してみせる」

レイア「そこまでしてエルのことを…」

ミラ「感動してるところ悪いけどそれ結構異常よ」

ルドガー「エルを抱きしめたい、一生愛で続けたい…そう思ってるのは俺だけじゃないはずだ!」



352: ◆wKarhnfzGE:2012/12/27(木) 22:27:52.46 ID:Ul8ZKAMq0

ジュード「話は聞かせてもらったよ!」バタン

アルヴィン「ルドガー…感動したぜ!」バタン

ルドガー「ジュード!アルヴィン!」

レイア「どうしたの…?二人とも…」

ジュード「僕が間違ってたよ…そうだよね、この気持ちを隠して生きるなんて選択…間違ってるんだよね」

アルヴィン「本当の気持ちを選ばないのは誰だってできるし…そのほうが楽かもしれないけどな」

ジュード「でも選ばなきゃ…変わることもないんだ!」


BGM:song 4u


ジュード「きっと僕は自信がなかったんだ。口リコンであるということを誇れなかったんだよ」

アルヴィン「俺たちはあと一歩が踏み出せなかったんだ」

ジュード「自分が間違っているんだって思い込んで逃げてた…」

アルヴィン「俺たちはお終いだ…終わりなんだ…そう思った矢先にルドガーの言葉が聞こえたんだ」

ジュード「僕たちはもう自分の気持ちから逃げない!」

アルヴィン「俺は…俺たちは…!」

ジュード「口リコンだッ!」

ルドガー「二人とも…」

レイア「え、これどういうこと?なにこれ?えっ?」

ミラ「アホに釣られてバカが二匹釣れたってことでしょ」

ルドガー「二人はバカなんかじゃない!」

ルドガー「俺たちは世間的には煙たがれ、疎まれ、蔑まれているけど…」

ジュード「誰よりも気高く強い存在なんだよ」

アルヴィン「俺たちの生き様は…誰にも否定させねえよ!」

ジュード「それにエルを抱きしめたいというルドガーの言葉…僕もよくわかるよ」

アルヴィン「ああ。一度でいいからあの温かさを思うままに感じてみたいな…決していやらしい意味じゃなくな」

ルドガー「ああ、わかってるさ。…エルにそんなことしたらぶち殺す」チャキ

ジュード「も、もちろんだよ…アハハ」

アルヴィン「さ、さすがにエルにはやらねえって」

ルドガー「だよな。ハハハ」スッ

レイア「ねえ、なんか和やかに談笑してるとこ悪いんだけど状況がさっぱりわからないよ!?」

ミラ「…要はそこの二人もルドガーと同じってことでしょ?」

ジュード「レイア…隠しててごめん。僕はきっと口リコンなんだ」

レイア「で、でもミラが好きなんじゃ…」

ジュード「そうだよ。そこは変わらないし譲れないけど…それでも小さな子を愛でたいって気持ちはだれにも負けてないつもり」キリッ

レイア「じゃ、じゃあアルヴィンは?プレザの事が…」

アルヴィン「ああ、プレザの事は今でも愛してるよ。でも俺が救われたのは…エリーゼの言葉なんだ。今の俺はエリーゼあってのものなんだよ」

アルヴィン「たとえ一方通行でも…俺はエリーゼに尽くす。心は立派な口リコンさ」キリッ

ミラ「二人ともカッコつけてるところ悪いんだけど、かなり気持ち悪いこと言ってるから」



353: ◆wKarhnfzGE:2012/12/27(木) 22:37:45.75 ID:Ul8ZKAMq0

レイア「も、もうなにがなんだかわからないよ…」

ミラ「無理もないわね…」

ルドガー「…二人とも、今は無理に理解してくれなくていい。気持ち悪いと思ってくれてもいい」

ルドガー「でも俺は…本当に心の底から愛してるんだ。エルを」

レイア「…」

ミラ「…」

ルドガー「そのことだけ、忘れないでくれ」

ルドガー「誰よりも、何よりも大切だから…俺はエルを悲しませたりしない。レイアたちが考えてるようなことになんて、ならない」

レイア「うん、わかった。ルドガーの気持ち…信じてみるよ」

ミラ「…そうね。何かを愛す、という行為は間違ってはないし」

ルドガー「ありがとう。レイアたちのおかげで、色々と分かったよ」

ルドガー「俺が今後、どうすればいいのかも」

レイア「そっか」

ルドガー「今日はこれで帰るよ。レイアたちも考えることがあるだろうし」

ミラ「ええ、そうね」

ルドガー「それじゃ」スッ

アルヴィン「…お前、酔ってなかったろ」ボソリ

ルドガー「…ばれたか」ボソ

ジュード「…でもルドガーのおかげで、僕たちも前に進めたよ」ボソ

ルドガー「それならよかった」スタスタ

アルヴィン「さーてと、俺たちも退散するとしますか」

ジュード「そうだね、二人ともいろいろと考えることがあるだろうし」

レイア「待ってよ、二人とも」

アルヴィン「」ビクッ

ジュード「」ビクッ

レイア「ルドガーの事は認めたけど、二人のことは認めてないからね?私」

ミラ「ええ、そうね」ジトー

アルヴィン「こ、これはなんかいい感じで終わる流れじゃなかったのか?」

ジュード「…そううまくいかないってことだよね」

レイア「それじゃ、詳しく話を聞かせてもらうから」ニコリ

ミラ「全部洗いざらい教えてもらうわね?」ニヤッ

アルヴィン「助けてくれええええええええええ!ルドガーアアアアアアア!!」

ジュード「いやだああああああああ!!」



354: ◆wKarhnfzGE:2012/12/27(木) 22:50:08.62 ID:Ul8ZKAMq0

~エル視点~

エル「できたっ!」

ドロッセル「あらほんと?ちょっと見せて」

エル「いいよ」ドヤ

ドロッセル「…うん、よく出来てるわよ!」

エル「ほんと?」

エリーゼ「はい。とっても上手です」

エル「ま、まあこれくらいヨユーだし///」テレッ

ドロッセル「ふふふ♪それじゃあ休憩も兼ねてお茶にしましょうか?」

エリーゼ「そうですね」

エル「やった~」


エル「そういえば二人はまだ作ってるの?」モグモグ

ドロッセル「ええ、ちょっとね」

エリーゼ「もう少しで出来上がりますよ」

エル「ふぅん…二人は誰にあげるの?」ゴクゴク

ドロッセル「私はいつもお世話になってるからローエンに」

エリーゼ「私は学校の友達です」モグモグ

エル「そっか…喜んでくれるといいね」

エリーゼ「はい」

ドロッセル「エルもルドガーに喜んでもらえるといいわね」

エル「きっと…喜んでくれる…よね?」

エリーゼ「大丈夫ですよ。ルドガーはエルの事が大好きですから」ニコッ

ドロッセル「そうね。付き合いの浅い私でもわかるわ」

エル「そうかな?…えへへ」

ドロッセル「さて、そろそろ仕上げに入りますか」

エリーゼ「私も手伝いますっ」

エル「エルも!」

ドロッセル「大丈夫よ。この程度の作業なら数十分で終わるし」

ドロッセル「二人でゆっくりしてて」

エル「う~」

エリーゼ「エル、私たちはおとなしくしてましょう」

エル「わかった」トテテ

ドロッセル「さて、もうひと頑張りかしら」



355: ◆wKarhnfzGE:2012/12/27(木) 23:01:21.52 ID:Ul8ZKAMq0

エリーゼ「そういえば…」

エル「どうしたの?」

エリーゼ「ルドガーは口リコンなんですか?」

エル「あー!」

エリーゼ「どうしたんですか?」

エル「それルドガーがイヤなんだって」

エリーゼ「そう言ってましたね」

エル「なんでイヤなのか、エリーゼにわかる?」

エリーゼ「さあ?私はレイアから怖いものって教わりましたけど…」

エル「ルドガーは怖くないよ!ガイカク?の時はちょっと怖いけど」

エリーゼ「そうですよね。小さなものを好きになっちゃダメなんでしょうか?」

エル「そしたらティポもダメだよね」

ティポ「それはイヤだー!!」

エル「わ、びっくりした!…どうして黙ってたの?」

ティポ「最近はエリーゼに怒られるから黙る練習をしてるんだー」

エリーゼ「こ、こらティポ!余計なこと言わないの!」

ティポ「こんな風に」

エル「なるほど」

エリーゼ「やっぱりルドガーが心配ですか?」

エル「うん。ルドガーは悪くないのに…エルが悪いのに…」

エリーゼ「…どういうことですか?」

エル「実は──」


エリーゼ「そんなことがあったんですか」

エル「だからルドガーはエルのこと嫌いなのかなって」

エリーゼ「それは違うと思います」

エル「でも…」

エリーゼ「本当にエルの事が嫌ならほかの人に押し付けちゃうことだってできたと思います」

エリーゼ「それでもルドガーが面倒を見てくれるのはきっと…エルの事が大好きなんだと思いますよ」

エル「そうかな…?」

エリーゼ「はい」

エル「そっか…大好きなんだ…ルドガー…///」

エリーゼ「エルはルドガーの事、好きですか?」

エル「…まあ『あいぼー』としてね!」プイッ

エリーゼ「素直じゃないです」

エル「素直ですー」

エリーゼ「絶対素直じゃありません!」

エル「絶対絶対素直ですー」

エリーゼ「絶対絶対絶対素直じゃないです!」

ドロッセル「はいはいケンカはそこまで」



356: ◆wKarhnfzGE:2012/12/27(木) 23:10:21.95 ID:Ul8ZKAMq0

エリーゼ「ドロッセル!?いつの間に」

ドロッセル「さっき終わったのよ。そしたらあなたたちがケンカしてるんだもの」

エル「ごめんなさい…」

エリーゼ「ごめんなさい…」

ドロッセル「よろしい」

ドロッセル「もうすぐ日が暮れちゃうし、そろそろ始める?エリーゼ」

エリーゼ「そうですね」

エル「?」

ドロッセル「エルはルドガーのためにとても頑張っていたので」

エリーゼ「私たちからプレゼントがあります」

ドロッセル「じゃーん!」スッ

エル「これって…!」

エリーゼ「エルがルドガーに作った腕輪とお揃いですよ」

ドロッセル「ルドガーに使った宝石がアクアマリンだったから、エルのはオパールにしたわ」

エル「いいの!?これもらって!?」

ドロッセル「もちろん。そのために作ったんですもの」

エリーゼ「頑張ったご褒美ですよ」ニコッ

エル「ありがとー!」

ドロッセル「後はエルが作ったのをルドガーにあげるだけね」

エリーゼ「きっとうまくいきますよ」

エル「…がんばる!」

ローエン「それではエルさん、お送りしますよ」

エリーゼ「ローエンはいつからいたんですか?」

ローエン「つい先ほどドロッセルお嬢様から連絡がありまして」

ドロッセル「ふふん♪」

エリーゼ「用意周到です!」

エル「~♪」

ローエン「エルさんが帰宅を待ちきれないようですので、そろそろ行きますね」

エリーゼ「わかりました。エル、頑張って!」

ドロッセル「応援してるから、頑張ってね」

エル「うん」コクッ

ローエン「私も影ながら応援してますよ」ニコリ



357: ◆wKarhnfzGE:2012/12/27(木) 23:22:23.88 ID:Ul8ZKAMq0

~ルドガー視点~

ルドガー(そろそろ夕方か…そろそろエルが帰ってくるな)

ルドガー「気持ちを伝えるのは…正しいのか?」

ルドガー(いや、ジュードたちの前であんな啖呵を切ったんだ。たとえ今の生活が崩れても、俺はエルに話そう。自分の気持ちを)

ルドガー「俺はもう…逃げない」

ルドガー「…さて、夕飯の用意でもするか」


エル「ただいまー♪」ガチャ

ルドガー「ずいぶんご機嫌だな、何かあったのか?」

エル「まあね~」

ルドガー「何があったんだ?」

エル「まだヒミツ!それより夕飯食べようよ」

ルドガー「そうだな…ってその前に手を洗ってこい」

エル「もう行ってますー」トテテ

ルドガー「…まったく」フッ

ルドガー(俺はエルに…告げられるのか?)

ルドガー(本当にこれが…正しい選択なのか?)

エル「どうしたの?早くゴハン食べようよ」

ルドガー「そうだな」


ルドガー「さて、食べ終わったぞ」

エル「なんかダイタンに場面をカットされた気がする」

ルドガー「気のせいだよ。さて、今日あったことを教えてくれ」

エル「まったく…ルドガーはせっかちすぎ!」

ルドガー「エルの事だからな」

エル「ふふん…驚かないでよ?」

ルドガー「驚く?何のことだ?」

エル「……じゃーーん!!」スッ

ルドガー「??」

エル「エルとお揃いの腕輪だよ!」

ルドガー「俺にくれるのか?」

エル「うんっ!いつもルドガーにお世話になってるから、感謝のしるし!」

ルドガー「…っ!」

ルドガー「エル……」ダキッ

エル「わっ…ど、どうしたの?」

ルドガー「嬉しいんだ…この腕輪、大切にするよ」カチャリ

エル「…そっか。嬉しいんだ」

ルドガー「ああ。俺の一生の宝物だ」ギュ



358: ◆wKarhnfzGE:2012/12/27(木) 23:34:07.54 ID:Ul8ZKAMq0

エル「エルも…ずっと大切にするから」

ルドガー「…この腕輪だけじゃない、エルもだ」

エル「えっ?」

ルドガー「エルも俺の大切な宝物だ…」ギュウ

エル「…それってルドガーはエルの事が好きってこと?」

ルドガー「……ああ」

ルドガー「俺はエルが大好きだよ。『あいぼー』として、家族として、一人の女の子として」

エル「ルドガー…ろりこんだね」

ルドガー「ああそうだ。口リコンだよ」

エル「イヤじゃ…ないの?」

ルドガー「口リコンと呼ばれるより怖いことがあるんだ」

エル「みんなに…ひどいこと言われるかもしれないのに?」

ルドガー「ああ。俺が何とかしてみせる。俺がエルを守るよ」

ルドガー「エルが俺を受け入れてくれるなら」

エル「……」

ルドガー「もちろん、いつも通りの関係がいいならそうするよ」

ルドガー「それでも俺は幸せだしな」

エル「そっか」

ルドガー「もしもエルが俺の事を嫌いになったなら…その時も止めない。俺が悪いんだからな」

エル「エルね、最近好きな人ができたよ」

ルドガー「誰だそいつは、今すぐ息の根を──」

エル「話を聞いて」

ルドガー「はい」

エル「今までエルの一番はパパだったけど、その人はすっごく優しいんだよ」

エル「エルのためにいっぱい戦っていっぱいつらい思いして」

ルドガー「…!」

エル「いつの間にかね、一番はその人になってた」

ルドガー「それって──」





エル「エルの一番はね──」





エル「ルドガーだよ!」



359: ◆wKarhnfzGE:2012/12/27(木) 23:43:54.98 ID:Ul8ZKAMq0

ルドガー「エ…ル…」

エル「ずっと、ずっと一緒にいてね?」

ルドガー「当たり前だ…ずっと、ずっと一緒にいるよ…」

エル「カナンの地が見つかって、パパと会えても──」

ルドガー「ああ、ずっと一緒だ。たとえどんなことがあったって、俺はエルの傍にいる!」

エル「うん。約束だよ」ギュッ

ルドガー「約束だ」ギュッ

エル「…ルドガーにもう一個プレゼントあげる」

ルドガー「なんだ?」

エル「パパには本当に大切な人にしかしちゃいけないって言われてるから…ルドガーが初めてだよ」

ルドガー「うん?」

エル「ルドガー…大好き…」チュッ

ルドガー「!?」

エル「…嬉しい?」

ルドガー「あ、ああ…」

エル「なんかヘン」

ルドガー「嬉しすぎてちょっとおかしくなってるんだ…大丈夫」

エル「それって大丈夫じゃなくない?」

ルドガー「…そうかもな」

エル「ヘンなのー」

ルドガー「ヘンだな」

ルドガー(これから先…どんなことがあっても俺はこの手を離さない)

ルドガー(エルのために…エルと共に歩み続ける)

ルドガー「今なら空も飛べそうだな」

エル「ミュゼに乗せてもらうの?」

ルドガー「そういう気分ってことさ」

エル「よくわかんない」

ルドガー「子供には難しいかもな」

エル「エルは子供じゃないですー。さっきもルドガーにキスしたし!」

ルドガー「ほっぺにだろ」

エル「だ、だって口は…恥ずかしいし///」

ルドガー「まあ、その辺はもう少し大きくなってからだな」ポンポン

エル「いいの?」

ルドガー「ああ。時間は沢山あるんだ…二人でゆっくり進んでいけばいいさ」



360: ◆wKarhnfzGE:2012/12/27(木) 23:55:31.69 ID:Ul8ZKAMq0

ルドガー「今日は一緒に風呂に入るか?」

エル「うん!頭が上手に洗えない」

ルドガー「よし、今日は洗い方も教えてやる」

エル「お風呂が終わったら料理教えてね」

ルドガー「今日はエルの好きなスープのを一緒に練習しような」

エル「おいしくできるかな?」

ルドガー「きっとエルなら俺やエルのパパよりも上手に作れるさ」

エル「うん♪」

ルドガー「そしたら二人で」

エル「一緒に寝よ!」

ルドガー「ああ、今日はぐっすり眠れそうだな」

エル「いつもぐっすりじゃないの?」

ルドガー「…それもそうだな。でもそれよりも今日は嬉しいんだ」

エル「特別ってこと?」

ルドガー「ああ、今日は俺とエルの記念日だ」

エル「記念日!」

ルドガー「これからいろんなところに行って、いろんなことをして、いろんな思い出を作ろう」

エル「エルがもっとおっきくなったらケッコンもしないと!」

ルドガー「気が早いな」

エル「ウワキしたらダメだからね!」

ルドガー「しないよ。俺はエルが大好きなんだから」

エル「ならいい」エッヘン

ルドガー「さ、そろそろ風呂に入るぞ」

エル「うんっ♪」トテテ

エル「っと、その前に」ピタッ

ルドガー「どうした?」

エル「んっ…ちゅ…」チュ

ルドガー「んくっ……んなっ!?」

エル「エルだって、これくらいできるしっ///」





ルドガー(これから先、エルとたくさんの思い出を作って…)

ルドガー(オリジンの審判すらも越えて)

ルドガー(俺たちは永遠に、歩み続けていく)





ルドガー「口リコンも、悪くないな」




elle episode 少女のために、口リコンになる覚悟はあるか? fin



362: ◆wKarhnfzGE:2012/12/28(金) 00:03:09.77 ID:rP3WUJWm0

これにてお終いです。完結です。
相変わらず後半の展開が急だったりお粗末な部分はありますが、無事完結させられてよかったです。
エルともっとイチャイチャさせたかったんですが本編でもそこそこやってますしこれで勘弁ください。
ちなみに本編で分かるように>>1は口リコンです。エルが大好きです。でもレイアもミラさんも好きです。
口リコン万歳! 終。



363:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/28(金) 00:08:19.02 ID:xwe/6rrFo

乙!
本編のラストは悲しすぎる…

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